入川 枕

入川 枕(いりかわ まくら)|「書く」で誰かの歩調を「緩めたい」|副業不可なので、現在…

入川 枕

入川 枕(いりかわ まくら)|「書く」で誰かの歩調を「緩めたい」|副業不可なので、現在は創作活動のみ|自変機求めて夜は散歩|自分の書いた小説が書店に並ぶ光景を見るのが現在の目標|全ての作品はこちらから→https://irikawamakura.com/

マガジン

  • 自変機

    「自変機」それは癖に刺さった自販機

  • 寝言

    書くコトがあったら書く日記

  • 2019

    2019 新しい誕生日と中途半端な私の始まり 狂ってしまった世界より今頃ながら放送開始

最近の記事

自変機7

生息地 〒155-0033 東京都世田谷区代田2丁目31-1付近 癖 ①聳える無数のビールケース 街灯の少ない路地裏。 ぼわんと現れる如何にも旧式な自変機。 世闇に積まれたメーカー混在のビールケースたち。 無造作に置かれている注水式のポール台、明らかに暫く使われていないであろう風体は実に荒廃的である。 ②はめ込まれた室外機 室外機を置く為だけに設計されたと思われる建物の構造。 他方、もう少しやりようは無かったのか、と突っ込まざるを得ないホースの体たらく。 アンバラ

    • 998円

      給料日前日の連勤明け、枕は久しぶりに酒が飲みたくなった。 決済アプリの残高は998円。 財布には小銭だけ。 チャージは出来ない。 一時の感情に流されて貯金に手を出す訳にもいかない。 電卓を立ち上げたスマホを片手に最寄り直ぐのスーパーに入店。 ミッションスタートである。 今宵の1本はザ・プレミアム・モルツ 香るエール。 the pillowsの「LITTLE BUSTERS」がCMソングに抜擢され、BUSTERSとして売上に貢献するのは自然の摂理であった。 (大〇エレベー

      • 自変機6

        生息地 〒500ー8875 岐阜県岐阜市柳ケ瀬通4丁目10付近 癖 ①三角形 通りと通りが交差する角に在る自変機。 かつての店の入り口と思しき一辺と側溝の蓋の2辺とで形成される三角形。 まだ終わりを知らないオーニングが情緒的。 小規模ながらごちゃつく左上部の配管も艶めかしい。 ②シャッターに喰われる 原型を知らないが、元々なにかの店だった場所に自販機を設置して、シャッターとベニヤで無理やり封をしたと思われる。 店内が現在どうなっているのかは知る由もない。 実はベ

        • 自変機5

          生息地 〒155ー0031 東京都世田谷区下北沢2丁目26ー23付近 癖 ①階段との位置関係 雨風に晒され、塗装が所々煤けている階段。 下に置くことを前提されていたようなジャストフィットで佇む自変機。 押し込まれた室外機、這い出る植物、削れた煉瓦…、うーん、良い。 枕のツボを狙い撃ち。 一つだけ真新しい傘レンタルが空間の歪さを際立たせている。 右側に写り込んでいるのは人間ではなく商品。 真横が古着屋の入り口で、下北沢らしさも感じられる。 ②唐突な国際交流 Welc

        マガジン

        • 自変機
          7本
        • 寝言
          10本
        • 2019
          8本

        記事

          受信のスケール

          ひとりサイゼリヤを厭わない枕。 ハンバーグステーキ、ライス、マルゲリータピザで950円。 破格…、下手にコンビニ飯を買うより幸福度が高い。 しかし、お得に満腹になった枕を悲劇が襲う。 店を出ると、服に黄色のシミが…。 ハンバーグステーキの半熟卵である。 連勤明けの夜に洗濯をする羽目になり、シミ抜き用に歯ブラシを買って帰った。 処置を施して、洗濯機にIN。 1枚の為に回すのは憚られたので、溜まっていた洗濯物をIN。 連勤明けの休みに寝惚眼でイヤイヤ片付ける洗濯物を夜の内に

          受信のスケール

          ワザと時間を使う

          無課金(生活に無理ない課金)。 ソーシャルゲームが広まった廃人世界で、この言葉がネットリと生まれて久しい。 あるSRPGに枕もオネツだったことがある。 (わちゃわちゃの間に終わってしまうので、アクションゲームは苦手。) SRPGのデータは数年前に消してしまって、もう何も残っていない。 最近になって、何回かソシャゲが再燃しそうな機会があった。 かねてより原作のファンだった作品が立て続けにゲーム化したのである。 しかし、現在はログインすらしていない。 原作への敬意と今も楽しんで

          ワザと時間を使う

          煙草を吸う理由

          私事ではございますが、この度ホームページを開設致しました。 エブリスタやInstagramでも活動をしております。 創作活動のベースキャンプとして活用していく予定なので、覗いてもらえると嬉しいです。 (知識不足でサイト名が3つ連なっていますが、ご容赦下さい…。そのうち直せるようになります、多分…。) さて、ホームページ作りに四苦八苦していた為、1ヶ月以上振りのnote更新でございます。 久しぶりの投稿で煙草、話題のチョイスに難ありな気がしますが、枕テイストという事にしてお

          煙草を吸う理由

          自変機4

          生息地 〒502-0005 岐阜県岐阜市岩崎495-1付近 癖 ①謎の余地 バイパスと旧道が重なる交差点、やたらめったら明るい一角。 4台並ぶ自変機の前には用途不明の余地が。 駐車場でもなければ(一時停車くらいはできる)、子供が遊べるような広さでもない、何とも中途半端な具合のスペースがちんまりとある。 ②50円カラ 物価高騰のご時世で50円カラ。 なぜカタカナ、なぜ右上。 けったで通学していた高校生の枕がよく自転車を止めていたとかいないとか。 ③1本桜 自変機

          セルフつっこみ

          逃げるも勝ちだと豪語して東京に出てきた枕、人との縁は目の届く限り、振りほどいて、嚙み千切ってここまで来た。 諸事情については下記の記事をご参考にして頂ければ幸いである。 あれほどしょうもない逃亡劇をド田舎の隅っこで勝手に繰り広げていた枕でも意外と孤独には遠く、わざわざ訪ねてくるモノ好きすらいる。 世の中がどういう仕組みで動いているのか、甚だ疑問に思う2023年は既に1ヶ月も進んでしまった。 枕がnoteとTwitterを留守にしていた最中、本名を知っている奴から作品を読んで

          セルフつっこみ

          「ひとり」を得る。

          「ひとりで年越し蕎麦を食べ、お笑い番組を肴に酒を飲む。」 この一文を見て、読者の皆々様はどのように思うのだろうか? 寂しいやつだと思う人がいるだろう。 羨ましいと思う人もいるかも知れない。 枕のプライベートについては放っておいて頂ければ幸いだ。 寂しいやつだと思う人がいれば、隣には大切な人がいるに違いない。 可能な限り人目のない場所でイチャコラするが良かろう。 通りすがりのポケットで中指を立てられている事もある、承知されたし。 羨ましいと思う人がいれば、周りには沢山の人

          「ひとり」を得る。

          「話す」は重労働。

          ボーナスを貰った。 個人実績がズバ抜けている訳ではないが、凡事徹底の規範的な仕事態度と担当商材に係る取組を評価して下さり、ベース金額に+αがついた。 次の日、枕は仕事を休んだ。 ボーナスを貰う月には「賞与面談」があり、店長とサシで話す。 評価を聴く機会であり、考えている事を店長に伝える機会である。 枕は「書く」が好きで「話す」が苦手。 その場で話す事を考えると、首を絞められていると錯覚する事がある程度に言葉が出てこない。 話さなければならない事が分かっている場合、枕は前も

          「話す」は重労働。

          自変機3

          生息地 都内某所 癖 ①曲線美 十字路の横断歩道前という立地。 歩道端のカーブに沿うパーキングの看板がぽつねんと立つ自販機に寄り添って優しい。 左のポールと右の信号機及び電柱が空間を切り取る。 ②上げ底 裸のコンクリートに乗っかる短いあんよ。 ③デカダンな近未来 ホログラムでも出てきそうな色合いの発光。 但し、宣伝文句はプラスチック。 全裸の蛍光灯がセンシティブ。

          取り戻した前髪。

          前も今も接客業、セットに時間も整髪料も余計にかかるオールバック、手間暇かけていた理由は2つ。 1つはもちろん清潔感。 客観的事実として、お客様に身なりで苦言を頂いたことは無い。 もう1つは上司ウケ。 身なりで言われる小言は職場のコミュニケーションで最も無駄な時間。 不要なやり取りはしないに尽きる。 貫いてきたオールバック、何故辞めたのか? 肩ひじ張るのに飽きた。 不器用で無駄な真面目さを持ち合わせた明らかに社会では生きにくい枕。 社会人の最低限の常識には当てはまれるよう

          取り戻した前髪。

          自変機2

          生息地 都内某所 癖 ①ガラス格子に換気扇 中の様子が伺えないガラス格子の不気味さ。 白いタイルの煤け具合が荒廃感を演出している。 ②立ち姿 緩やかな坂に設置されており、足元が水平になるよう調整されている。 あんよカワイイね~!!!! しゃがみ込んでローアングルで撮りたかったが羞恥心に敗北。

          〇ber Eatsです。

          枕は〇クドナルドを自宅のドアノブに掛けて職場へと向かった。 時は30分前まで遡る。 乗り換えをする駅で一度改札を出て銀行に寄った。 ボーナスの日、推し×4(推しを推せる時に推せるだけ推す)枕は散財防止の為、貰ったばかりのボーナスを貯金用の銀行に移した。 リマインダーまでして行動する用意周到ぶりである。 連勤最終日前日の夜、思考停止でモバイルオーダーした商品を受けとり、自宅へ戻る。 パンツの左ポケットに手を入れた刹那、枕の頭は執筆中にもそうそうない勢いで冴え渡る。 鍵がな

          〇ber Eatsです。

          私服でいいよ。

          「私服でいいよ。」 この一言に枕はほとほと困った。 本日で他部署での支業務支援が終わった。 事前連絡に「オフィスカジュアル」とあったが、初日は様子見でスーツを選択した。 古巣とはいえ、初めましての方もいらっしゃったので適切な選択だったと思う。 他の方が私服である事も想定の範疇だった。 しかし… 「私服でいいよ。」 「パーカーで来る子もいるし。」 とまで言われてしまうと、流石に翌日もスーツで行くのは憚られた。 枕は仕事を進めながら自宅のクローゼットを思い浮かべ、早々に結論に辿

          私服でいいよ。