「自分を優先する勇気」をもつこと
私は産後…、
幾度か、
心が蝕まれた経験がある。
そのことが、
無気力と崩壊状態を作り出し、
離婚に至った部分も無きにしも非ず。
息子が荒れた時期に、
「バレエなんか行ってる場合か!」
と辞めるように責められたことがある。
母親として、
一番大切なものを手放すことで、
子どもにその姿を見せろと…。
しかしながら私は、
それだけは断固拒否した。
なぜなら、
私自身が崩壊することを、
経験上知っていたからだ。
唯一、仕事からも家からも自由になれ、
自分だけを見つめることが出来る時間が
『バレエ』だったから。
子育てとは、
子どもと親だけの閉塞的な時間に
陥りやすいものだ。
それは核家族だからとかは関係なく、
他の家族が居ても、
親子は孤立しがちである。
子どもの成長に悩み、
周りからプレッシャーやクレーム、
そして「あたりまえ」というレッテル。
誰にも相談できない孤独と、
誰に話せばよいのかわからない孤立感。
そしてあまりにも無力に思える自己否定。
そのぶつけようもない怒りやかなしみは、
やがて、
本人だけではなく、
身近な人々を傷つけることになることも
ありえないとはいえないのではなかろうか?
私はそんなときこそ、
「自分を優先する勇気」をもつことが
大事なのではないかと思う。
周りの人は自分が思うより、
他人の立場になど立てていない。
同じ境遇でもない限り、
シェアすることは到底難しい。
なら、
「気を遣わせないように」
なんて考えるのは無駄な努力だろう。
のちに息子に言われたのだが、
「もし(母である私が)
バレエ辞めてたらもっと傷ついていた」
と言っていた。
母親は無条件に子どもを愛するけれど、
子もまた、
母親を無条件に慕っている。
その母親が自分のために、
崩壊してしまえば、
それは子どもたちにとって、
より深い傷を作ってしまうことになるのだ。
だからこそ、
「自分を優先する勇気」なのだ。
周りの評価など気にしなくていい。
何を言われようと、
所詮その人は当事者ではないのだ。
たとえその相手が、
身内であろうが、友人であろうが、
関係ない。
一番身近にいるのは、
他の誰でもない自分であることを
忘れてはいけないと思う。
自分がたっぷりと愛情で満たされれば、
周りにも優しくなれる。
そうすれば、
今まで聞こえなかった声も、
耳に届くようになるかもしれない。
苦しいのなら、
「自分を優先する勇気」を持ってみる。
それは…もしかしたら
周りの大切な人たちのために
なるのかもしれない。
mahalo.