旅のはじまりはチキン弁当デラックスから|新潟ひとり旅①
ここ数日微妙に体調を崩していた。
37度代前半、平熱と微熱の境界線をウロウロとする日々。頭痛、倦怠感、咳、鼻水などの風邪の症状が押し寄せる。
休むほどではなかったので、土日の前後にテレワークを続けて行うことでなんとか乗り切るも、秋晴れの週末に布団に包まり咳をして過ごすのは、なんとも侘しい気分だった。
ようやく回復した10月最後の週末、かねてから予定していた新潟旅行に向かうため上野駅へ。
上野から新幹線に乗るのははじめてだったのだけれど、お弁当売り場がコンパクトであまり混みあっていなかったのでスムーズに買うことができた。
今回の駅弁:チキン弁当デラックス
マイ・フェイバリット・駅弁のひとつであるチキン弁当が2024年10月で発売60周年を迎えたそうで、東京ステーションホテル総料理長監修の「チキン弁当デラックス」なるものが発売になっているのを発見したので、購入する。
「加熱式駅弁」だったため、ドキドキしながら弁当箱についている紐を引っぱると、穏やかに蒸気が噴きだしてきた。共に3列シートに座る隣の若い男女に嫌がられたらどうしよう…と不安だったけれど、音も匂いも思ったより気にならない。あたたまったところで、ソロソロと蓋をあけてみる。
おお、チキンライスの部分が豪華になっている。トマトソースと鳥つくね、レンコンの角切りにインゲンにパプリカ、スクランブルエッグも通常のものより多くなっているように見える。
食べてみるとしっかりとした味付けで、満足感が高い。そして、温かい唐揚げはやはりおいしい。
通常のチキン弁当と比べて一番違いを感じたのは、チキンライスの食感だった。温まっているせいか、チキンライスとリゾットの間くらいの柔らかさになっている。
いつもの冷たいチキンライスと唐揚げが食べたいな。というのが、正直な気持ちだった。「ちょうどいいんだ、あれくらいが」と思っていたけれど、いつの間にか替えの利かない存在になっていた、チキン弁当。
オレンジのチェック柄とピクルスが恋しい。
次の旅行の時は、いつものチキン弁当を食べよう。
隣の若い男女は駅弁を食べ終わり、男は女の膝に頭を預けるようにして眠っていた。
健康のありがたさと熱々の唐揚げを噛み締めながら、わたしはひとり新潟に向かう。
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