【読書日記】アート思考
Xデザイン学校アドバンスコースで、秋元雄史さんのアート思考を輪読しました。
この本で伝えたかったことを、要約しながら理解を深めたいと思います。
アートとビジネスは、実利的には直結しないが交差する
不確実性の高まった社会では、アート思考(0→1)で突破する力が必要
ビジネスに必要な能力として、デザイン思考・アート思考が話題に上がり数年が経ちますが、デザイン思考とアート思考を改めておさらいしました。
アート思考が必要となった背景
この本では、これまでのビジネス は、ロジカルシンキング・クリティカルシンキングが重視されていたが、 社会全体の進化(何が原因で何が課題か見つけづらい) により、これからのビジネスには、今何が問われているのか、課題はなんなのかを提示するアート思考が必要なのだと書かれています。
アートとビジネスの関係
読み進めていくと、アートとビジネスの関係がわからなくなってきたのですが、起業家精神と考えると、ふむふむと理解が進みました。
アートの世界
アートとデジタル技術の未来 はさらなる拡大が予想されていて、サイエンス(科学)は、「直感」「ひらめき」「ビジョン」といった点でアートと非常に親和性が高いというのは、現代を表していると思います。
ダントーの予測における、現実の模倣から、ポストヒストリカルの時代にうつり、「こうあらねばならないがなくなる」時代と、上記を合わせると、アートは果てしなく広がっていくことが容易に想像することができます。
また、現代アートが「わからない」「ヘンテコなもの」「不可解なもの」「なんでもあり」というと、先日読んだファンタジア(※)にも通じると感じました。
現代アートの構成要素
不確実性が増大する現代では、社会全体の進化と共に、極めて親和性の高いアート思考が組織に必要になってきたということだと理解しました。
終わりに
さて、私の研究テーマである、プロジェクトマネジメントと重ね合わせた場合、自由で縛られないアーティストをどのようにマネジメントする方法があるのか。それは、まだ見つけることができませんでした。
ビジネスに活用するとなれば、それをどう視覚化していくのか。
アートとデザインの間にあるバウンダリーオブジェクトは、具現化能力ということになるでしょうか。
しばしば「型化」「プロセス化」のご相談をいただきますが、
感性・直感で得られた満足を完璧にノウハウ化することはできないのでは、という問いには深く共感しました。個人に内在する直感やひらめきを視覚化するには無限の方法があるように感じるからです。
マネジメントするという概念そのものがいらないのか、は、改めて思考を深めていきたいと思います。