見出し画像

【読書日記】「儀式」で職場が変わる-働き方をデザインするちょっとヘンな50のアイデア-

企業の組織文化形成に関して学びを深めたいと思い、クラスメートと輪読会をしました。

輪読会のルールは以下の通り。
・学びになったこと
・生かせそうなこと
・気付きを得られたこと
・もやもやしたこと
を順番に発表し合うというシンプルな形で実践してみました。

本書で言う儀式とは。儀式の役割

儀式とは(一つの定義)
個人または集団が毎回同じような形式や台本にしたがって繰り返いし行う行為であり象徴的な意味や意図が込められている

「儀式」で職場が変わる-働き方をデザインするちょっとヘンな50のアイデア-

本書では、儀式を日頃から行うことで、日々の仕事の質を高める効果的な戦略となりえ、儀式を行うことで結束力の強化、対立を乗り越える、パフォーマンスを向上させる、変化に対応することができると伝えています。

所感

たくさんの事例が紹介されているので、所感ということでまとめていきたいと思います。

この本を読んで、職場での「儀式」が働き方への影響を与えるかについて考える機会を得ました。著者が紹介する50の事例は、一つ一つに焦点を当てつつも、一貫して「儀式」そのものの力を強調しています。

本書で最も印象に残ったのは、「儀式がクリエイティビティを高める」という考え方です。最適な儀式を作り実践することは日常のルーチンを逸脱し、新しい視点やアプローチを取り入れるための大切な機会となると書かれています。
また、儀式そのものがクリエイティビティの発露であり、その瞬間を楽しむことが重要であると感じました。同時に、儀式は定着しない場合に無理に続ける必要はなく、新しいものへと挑戦し続けることが大切だと書かれており、継続活動にこだわりがちな組織においては、この柔軟な姿勢は重要であると感じました。

・失敗を称える儀式
は、現代の変化の激しい時代において、有用だと感じました。リスクをヘッジするのではなく、リスクにチャレンジしたことそのものを称えるべきだと思うからです。このアプローチは、新たな挑戦を奨励することで、結果として組織の成長につながることなのだと感じました。

また、儀式を通じて組織のメンバーが一体となり、個々の力を超越していく「アイデンティティ・フュージョン」の現象も興味深く感じました。組織文化の形成には、個々の力を結集し、超越する経験が不可欠です。

具体的な儀式として
・問題解決ハッカソン
・穴埋めブレスト
・闇雲ライティング

など、試してみたいものがいくつか見つかりました。
特に、クリエィティブな作業を阻害する完璧主義をなくす取り組みは、完璧主義に陥りがちなチームにとって有効な方法だと感じました。

また、語感がちょっとだけ怖いのですが、
・対立焼き払い
の儀式も興味がわきました。意見の衝突はプロフェッショナルな現場であればあるほど生まれるものであると思うからです。儀式を経ることで、対立が昇華され、建設的で豊かな会話となるのであれば、是非トライしてみたい儀式です。

・ゾウ、死んだ魚、ぶっちゃけ
儀式のタイトルが原文のママを利用しており、タイトルからは想像が難しいですが、率直な意見やレジリエンスを引き出すために腹をわってぶっちゃけようという儀式です。
これは実際に組織でも実施したことがありますが、話し手・聞き手に技術が必要だと感じます。ただの愚痴会とならないように儀式そのもの設計が非常に重要であると思いました。

本書はもともと英語で書かれているもので、日本の文化や風土に合わない儀式もあると少しだけ感じることもありましたが、日本の職場でも実践できる儀式がいくつか見つかりました。例えば、
・表敬タイム
・バッジ贈呈式

などです。チームの成長にあたって、ユーザーや現場を知ること、問いかけを進化させる技術など、褒めたり、率直に話し合える場をつくる儀式は非常に有用だと感じます。

最後に

この本を読み、輪読会のメンバーと対話を進めるなかで、無意識のうちに実施していた「儀式」がいくつかあったことに驚きました。また、他の会社の事例を聞いてみたくなり、いくつかの話をクラスメートから聞けたことは、輪読会のだいご味だなと改めて感じました。
今置かれている環境の中でどのような儀式が有効かを試してみたくなりました。

ちなみに英語の本はこちらです。

一緒に輪読会をした佐々木さんの記事はこちら

いいなと思ったら応援しよう!

この記事が参加している募集