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1番になりたくて

高柳トキオ 歳は27。
職業はごく普通の会社員だ。
幼少期から剣道をしていてそこそこの成績だった

でも、常に2位。

頭もそこそこいいのだが、1位はとれず万年2位。

それは仕事でも同じだ。
営業成績も悪い成績ではないが僕の上に1人いる
どんなに頑張っても1位にはなれない僕。

そんな僕の話。

あるクリスマスの前日、外は寒く僕はコタツに
もぐり年末特有の番組を観ていた。
すると家に来ていた彼女がこう言った。

🙋‍♀️
「ねぇ?クリスマス何する?」

おっ、やっぱり来たかぁ
女子特有のイベントってかぁ〜??

僕は言った。

🙋‍♂️
「何する?ってなぁ、何もしませんよ」

すると彼女は
🙋‍♀️
「えぇ!?何かしよ?どっか行く?買い物する?ご飯行く?ねぇー?どっか行こうよ」

すぐに何処かへ行きたがるのは何故だ??
この時期はどこもかしこも人が多いに決まってる。

🙋‍♂️
「行かへんよ!人多いし、なんせ寒いし」

🙋‍♀️
「何よそれ、もういいっ!!」

彼女は少し不貞腐れ気味のようだ。
だから僕はこう言った。

🙋‍♂️
「ちょい、ちょい!」
「じゃー言わせてもらうけど、
 俺は仏教やからクリスチャンじゃないんよ」
「だから、今は正月の事でいっぱいや」

僕はへりくつをたれた。

🙋‍♀️
「へりくつ、バカ、バカ」

僕はまたへりくつをたれた。

🙋‍♂️
「バカって言う方がバカや」

🙋‍♀️
「また、へりくつ」

これ以上言うとかなり機嫌を損ねるので
彼女に聞いた。

🙋‍♂️
「じゃー逆に聞くけど、
       クリスマス何がしたいんよ?」

🙋‍♀️
「もういいっ!」

どうやら完全不貞腐れたようだ。
僕は機嫌を損ねた彼女にこう言った。

🙋‍♂️
「いいから、言うてみ、何したいんや?」

🙋‍♀️
「別に、、、」

🙋‍♂️
「別にって、いいから言うてみ」

🙋‍♀️
「ただ2人でお買い物したり、ご飯食べたり」

🙋‍♂️
「それだけ?そんなん普段もしてるやん」

そんなことは、普段もやっているじゃないか?
でも、彼女は

🙋‍♀️
「そうやけど、、、」

何か言いたそうだ。

🙋‍♂️
「そうやけどって何や?いいから言うてみ」

🙋‍♀️
「クリスマスはイルミネーションも綺麗だし、
大きなツリーもあって、お買い物もご飯もいつもと違うもんっ」

僕はそれの何処がいつもと違うのかわからない。
クリスマスツリーがあるか無いかだけの違いだ。
だから、聞いてみた。

🙋‍♂️
「いつもと違うんか?」

🙋‍♀️
「全く違うよ」

どうやら違うらしい。
では、去年とも違うのか??

🙋‍♂️
「去年とも?」

🙋‍♀️
「違うよ」

そんなに違うなら・・僕は誘ってみた。

🙋‍♂️
「そっか、、、じゃー今から行くか?」

🙋‍♀️
「えっ!?今から?」

驚いた様子の彼女だった。

🙋‍♂️
「おう。だって今日はイヴやから」

🙋‍♀️
「行くっ!」

笑顔でそう答えた彼女の表情は確かにいつもとは
違った。

🙋‍♂️
「言っとくけど何も買へんで」

🙋‍♀️
「えぇーっ?」

こうして僕と彼女とのクリスマスイヴのデート

僕にとってはいつもと変わらない日でも

彼女にとってはいつもと違う特別な日
なのだろう?

そうして僕は彼女に指輪をプレゼントした。

だって、彼女の1番になりたくて。


年末だ。

街は新しい年に向けて賑わっている。

僕達2人も賑わっていた。

でも、2人の賑わいは最悪の賑わいだった。

彼女は浮気をしていたのだ。

それが理由で僕達は別れる事にした。

あの日買った指輪は?

なんて言えるわけないだろ?

こんな僕でも男としてのプライドがある。

やっぱり僕は2番だった。

年が明け、寂しい新年だけど僕は気持ちを新たに切り替えて仕事に没頭する事にした。

1位を取るために。

今の僕では仕事でしか1位を取ることがない。

僕は頑張った。

ある日、課長がミスった。

僕が1位になる大きな案件で。。

1.~同僚編~

そのせいで、残業だ。

でも、1番になる為にはここを乗り越えないと。

A:
あぁーっ!あのクソ課長のせいで…。
          資料つくりなおさないと。

すると1年後輩の日野さんが声をかけてくれた。

B:
高柳さん、お疲れ様です。
これ、明日の会議の資料です。
          …あれ?どうしました?

叫んでたの、見られたか??

A:
あれ!?まだいたの?

B:
はい。まだ仕事残ってて(苦笑)
高柳さんこそ、まだ残ってるんですか?
今日バレンタインなのに(笑)
彼女さんとデートの予定、あるんじゃないでか?

どうやら見られてなかったようだ。

A:
そっかー!?お疲れやな。
彼女なぁ〜。年末に捨てられたわ!
笑うやろ?

さすがに浮気されたとは言えなかった。

B:
えっ!!!
そう…だったんですか。
なんだ…。

A:
えっ!?なんだってなによ??
       だれか紹介でもしてくれんの??

B:
いや…(笑)
ていうか、別れたなら教えてくださいよ!!
知ってたら準備したのに…。

どうやら紹介してくれそうな様子だ。

A:
そうなん??
女の子紹介してくれるんやったら、
       早よ言うとけば良かったなぁー。

B:
もうっ!(笑)違いますよ!
そっちの準備じゃなくて…。

どうやら違うようだ。

A:
ちゃうんかいな!?じゃー、何の準備なん?

B:
バレンタインですよ!
好きな人には適当に買ったものじゃなくて、
喜んでもらえるもの用意したいじゃないでか!!

…あっ。

今日はバレンタイン。
大人になると関わりが無くなるもんだ。

A:
バレンタインかぁ〜…。
       てか今好きな人って言うたな?

B:
えっ…。いや、あのー……。

僕は冗談まじりで

A:
まさか?さすがに、それはないか?

B:
…ふぅ。高柳さん、今欲しいものありますか?

A:
欲しいものかぁ〜。なやむな???
     逆に、日野ちゃんは?なんかある?

B:
えっ!私ですか??
私はー…高柳さんと一緒に過ごせたら…。
あ、今フリーなら一緒に飲みいきたいです!
前に言ってた、どて煮が美味しいお店、
          今度連れてってください!

なんか嬉しかった。

今年に入って誰かと食事するとかも無かったから

A:
あっ、それいいな!いこいこ!
じゃー、3/14に連れて行くから、
            今日は連れてってな?

あまりにも急な誘いに

B:
えぇっ!あ、はい…。
ん?今日、ですか?

A:
急過ぎた?てか、チョコの代わりで。

B:
いえ!大丈夫です!急でも全然いいですっ!
むしろ…いいんですか?

A:
じゃー、残り手伝ってくれる?

B:(とっても嬉しそうに)
はいっ!!
あ…。まだ自分の分もあるんですけど…。
でも!やりますっ!!一緒に終わらせまょ!!!
よしっ!!!

A:
パッと終わらせますか?
       あのクソ課長のミスもありやな。

B:
ふふふ…。じゃ、またあとで!!

と、僕たちはこの後食事に行く約束をした。

(離れてから)

B:
やった…!!!
バレンタインに高柳さんと…。最高っ!!!

僕は仕事を二の次にしてネットを開いた。

A:
あのどて煮の店かぁー。
いつもいっぱいやから、明日でも予約しとか…。

その日、日本酒が甘く感じた。
チョコとは似つかないが甘かった。

そんなバレンタインだった。


2.〜お付き合いの序章編〜

それから1年が経ち、

僕と日野さんは付き合っている。

A:
お疲れっ!今日バレンタインやな?

B:
あ、お疲れ様!ふふふ。
自分から言ってきたね(笑)

A:
てか、去年覚えてる?あれから1年やで。

B:
うん。もちろん、覚えてるよ?
バレンタイン当日に急に飲み行くことになった、あれね。

A:
あれきっかけで、あの店結構行く様なったやん。
んで、
自分ともめっちゃ行ったけど
           ツレとも行っとってな。
店長とめっちゃ絡むようなってん!!
そしたら、店長独立するって言うてあの店去年で辞めたんよ。
ほんで、新しい店が今日オープンやから行かん?
なんか
日野ちゃんにも久しぶりに会いたい言うてたし。

B:
へぇ!そうなんだ!!おめでたいねぇ!
行く行く~!!

お祝いに何を持って行くか?の話で、
チョコを持って行こうって話があった。

僕は1つ面白い事を考えた。

A:ええなぁ、日野ちゃんから貰ったら
店長も喜ぶで!俺、お金だすし。

B:
えっ…。うん…。いいの?
バレンタインにチョコあげても。

A:
店長にはドッキリやー!
ほんで、その後に俺と日野ちゃん付き合ってるって言うたんねん。
店長びっくりするでな。

B:
あははは!なにそれ(笑)
ていうか、まだ言ってないんかいっ!!
でも、そっか。
職場の人にもまだ言ってないもんね。
まぁ、一緒に住みだしたらもうバレるかな…。

そう、僕たちは同棲をする予定だ。

A:
そやな。まー、その件も呑みながら話そか?

すると彼女は

B:
うん。そうだね!!
一緒に住みだしたらさ…
こうやって一緒に飲みに行くのとかも、
      特別じゃなくなっちゃうのかな…。

少し不安そうな彼女に

A:
そうやな。でも今まで特別やったことが、
これから当たり前になるって、それってめっちゃ特別やん。

すると彼女は

B:
…うんっ!!
(ニヤニヤしたまま) はぁ…。
去年あの時飲みに誘って良かった~!!!

A:
何を言うとんねん!(髪の毛クシャクシャする)
でもほんまあのクソ課長のおかげやで。

B:
えへへ。ねっ!!
課長にもお礼のチョコあげようかな(笑)

A:
それはやめといたほうがええで!
あやつは、本気や思いよるから!!
あっ、とりあえず行こっ!
てか、僕のチョコは〜??

B:
そだね(笑)
トオルくんのチョコはうちの冷蔵庫に入ってる!
だから、今日はうち泊まってってね?

ドキドキするっ

A:
そんなん、チョコどころじゃなくなるやん(笑)

B:
もうっ…!!
店長に渡すチョコ買いに行くよ!!
トオルくんが出してくれるなら、
    とびっきり豪華なチョコ選んじゃお~!

と歩き出した彼女にこう言った。

A:
手つないだろか?

すると彼女は嬉しそうに

B:
…うんっ!好きっ!!

その言葉に照れた僕は

A:
チューしたろか?

すると彼女は

B:いらんわぁ〜(笑)

と言った口がチューの様だった。

僕は1番になれた気がした。
そんなバレンタインだった。


3.〜波乱編〜

彼女と同棲をし順調かと思っていたが
やはり、人間。
時にはぶつかってしまう事もある。

ある日、彼女と喧嘩した。

A:
なんでそんな言いかしかできひんねん!?

B:
なんでって…。
そっちが先にイライラしてたんじゃん!!

A:
イライラなんかしてへんやん!

B:
だって、バレンタイン日曜日なんだよ?
今年は一緒に過ごせると思ったのに!
なんで予定入れてんの?
なんでって聞いたら嫌な顔したでしょ?

その日、バレンタインの日
僕は仕事の付き合いでゴルフへ行く予定だった。

A:
仕事の付き合いやねんからしゃーないやん!

B:
そんなのわかってるよ…。
でも、バレンタインさって話しかけたら、
「あー、予定あるわー」
って、携帯見たままだったし。

A:
別に携帯見るくらいええやん!

B:
違うよ…。
テキトーに聞いて、テキトーに返事してるように感じたんだよ。
最近ゆっくり2人で過ごす時間、減ってたし。

確かに最近お互い忙しく、
2人の時間は減っていた。

A:
そやなー。そんなつもりは無かったんやけどな。
俺も最近忙しかったから…。
強くあたってもうたな。

B:
うん。正直やだった。
でも、私もごめんね。きつい言い方して。

A:
俺の方こそゴメン。
      あぁ〜っ、仕事面倒くさいなっ!!

B:
ふふふ。ねっ!!
トオル、
部署変わってからずっと忙しかったもんね。
そういえば、3年前のバレンタインはトオルの
仕事、手伝ったりしてたなぁ(笑)

僕は、あの日のプロジェクトを成功させて
今は開発部に移動になったのだ。

A:
ほんまやな。ちょっとおいで。

と言って彼女を抱き寄せた。

すると彼女は

B:
ねぇ…。前にさ、私が
「一緒に住みだしたら、飲みに行くのとかも、
特別じゃなくなっちゃうのかな…。」
って言ったら、
「今まで特別だったことが、これから当たり前になるって、それってめっちゃ特別やん」
って言ってくれたこと、覚えてる?

即答だ。

A:
覚えてるよ。

B:
こうやって喧嘩して、こうやって抱きしめてくれるのもさ、ほんとは特別なことなんだよね…。

A:
俺の事、スキ?

B:
うん。付き合う前より、一緒に住む前より、
今のほうがずっと好きだよ。

僕は照れくさいから、
顔を見られないように彼女を抱きしめたまま

A:
ほんまか〜?
でも、これから今日みたいな事もあって、
そのスキが、70%になったり、50%になっり、
時には5%になったりするかもしらんけど。
でも、その都度必ず挽回してそれを120%に戻すから。
だからずっと一緒に居たい。
ものすごく特別やから。

だから…、結婚しよっ。

僕の顎の下から僕の顔を見ようとする彼女は

B:
うん……。えぇっ…?!!
         最後なんて言ったの??笑

照れ隠しで言った。

A:
結婚したろか?

B:
したってもええで?(ちょっとドヤ顔で)

A:
ええわっ〜。…うそっ!
して下さいっ!!!

彼女の頭の上でそう言った。

僕が彼女の1番になった日だった。
                Fin



あとがき

バレンタイン

それは女子からチョコレートを貰い
告白される日だ。
今の時代、フォロワーやいいねの数が人の人気を
決めるのなら、2月14日はチョコの数が決めるのであろう。

なんて、、、んな事はない。

確かに多ければいいのかもしれないが

「量より質」

ただ1つだけでも、その想いが強いなら
その1は10でも100にでも勝るだろう。

今、人はどこか間違っていないか?
とにかく数字が取れればなんだってやる
でもそこに1がついてもそれは1次的なものだ
だからこそ今、数字を狙ってる自分がいるので
あれば、今一度考えて欲しい。

「貫き通せる行為か!?」って事を。

チョコもフォロワーの数も沢山欲しいけど
僕は、僕の感性を貫き通したい。
例え、「0」でも。

今回この物語はこうして作られた。

Twitterで突然にフレーズを送った。
すると、女性バージョンのセリフが返ってきて
そこからストーリーが出来たのだ。

打合せもなく、言葉を入れると返ってきて
まさに、将棋をさしているような感じだった。
王者に挑んでいるような感じだった。

ある程度は、
「こんな感じで返ってくるかな?」
って思って言葉を送るが、
「あっ!そうきたか!?」
みたいなセリフが返ってきたりする。

そんなやりとりをしていると、ふと思った。

クリスマスと繋げたら面白いんちゃうか?

そう思い、この物語に繋げた。

これを読んでくれた方でもし共感する部分が
あるのなら、是非、自分を信じて前を見て欲しい

そうすると、いつかきっと1番になれるから。

         おやつちんみのユウのほう

このバレンタインシチュボの内容は、
下にリンクを貼っておくのでそちらで
詳しく聞いて欲しい。
そして、沢山の方に参加して欲しい。
色々な方言やストーリーを変えてさらに進化する
のを待ってます。

そして、いいねとフォローをして欲しい。
(結局、数字欲しいんかいっ!)



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