シリーズ自己K発#2「根回ししようぜ!」
私は日本本社の多国籍事業部門に勤めていました。インド子会社の幹部・B氏の親会社への働きかけを目の当たりにしてきました。なにかヒントはないかと自己啓発コーナーで目に入ってきたのがこの『伝説の外資トップが公開する世界標準のNEMAWASHIの技術』(新将命、CCCメディアハウス、2014年)。東京五輪招致で滝川クリステルさんがプレゼンしたOMOTENASHIに乗っかった安直なローマ字化に見えるのですが、当時の自分にはKOREDAと閃いたんですね。
ざっくり内容をご説明しますと、グローバルなビジネスに通用するためには日本的な義理人情による根回しだけではダメで、大義を背負った者が勝つ!ということになります。大義を持った立ち回り方がグローバルなNEMAWASHIであり、その段取りや声のかけ方をキーパーソンに応じて検討するのが「グッド・ネマワシスト」なんですって(私の要約の要約supported by ChatGPT)。
ネマワシストって、根回しばっかりする人の悪口のようですが、大義があるのでポジティブな表現なんですね。グッド・ネマワシストには条件があります。まず大局観があることが前提で、次のAからFを備えていることです。Aggressive、前向き・建設的な意識と態度を身につけている。Balanced、信頼できる知識と見識をもっている。Cooperative、チームワークを醸成できる。Determined、信念を曲げない。Energetic、本人が活力にあふれ、人にエネルギーを与えることができる。Flexible、他人の意見を積極的に傾聴して採用することができる。前回記事のリーダーシップにつながる話になりました。ちょうどこの頃、「シップ」のある管理職や同僚とのつながりを持てるようになってきて、想いのある人はキーパーソンに直接NEMAWASHIしている実感がありました。私は直属の上司の性質上、彼をかませる必要があったので、間接の方法=資料一枚ものを磨いていくようになりました。
陰湿な根回しの印象をカラッと変えるNEMAWASHI。英語版Wikipediaにも項目があるので、日系企業に勤める外国人や日本と取引する外資企業には浸透しているのかもしれません。私もアメリカ子会社の経理担当に稟議書のしくみを説明する機会があり、「日本っぽいわね」と言われたのを思い出しました。ともあれ、日本語で有名なものはANIME、HENTAI、KAROSHIですが、NEMAWASHIも仲間入りすることを願います!
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