私のすべては、肥満クラブからはじまったー
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※同僚にエッセイの書き方を教わってはじめて書いたエッセイです。自身の過去の体験。特に幼少期にコンプレックスになったリアルな経験をもとに、図から文章にしていく60分程度のワークでした。プライベート情報だから恥ずかしいのか、リアルな体験だから強いのか?
※写真はワークで書いた「ぐるぐる」。何か、ブラックホールに吸い込まれていきそうな気がしてくる。
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僕は、パフェがうりの喫茶店の息子だった。いつもオヤジに内緒で商品であるアイスクリームをつまみ食いしていた。気が付いたら、アンパンマンみたいに太っていた。
そんなある日、クラスの担任の先生に呼ばれた。
「君は、肥満クラブだ」。
確かに、太っていることはうすうす気付いていたが、クラスみんなの前で言われたのには、まいった。翌日からランドセルに、縄跳びとハンドタオルを入れて登校した。昼休みになると校庭で、ひたすらぴょんぴょん跳ぶ。お腹はぶるぶる震える。ほとばしる汗をタオルで拭うが、そのタオルがまた気持ち悪い。楽しくない。遠くで好きだった女の子がくすくす笑っているように見える。最悪だ。
僕はこれ以上、校庭にいたくない。逃げたい。昼休みは遊ぶ時間だと思ったのに、アイスをつまみ食いした罰ゲームの時間になってしまった。今でも縄跳びは好きではない。二重跳びは飛べるが、飛びたくない。
このままでは友達も出来ないし、そして好きな女の子とも話せない。生まれ変わりたい。この路線で、人生を戦いたくない。そこで、別の自分の魅力を探そうと考えた。世界で1番になれるものはないけど無かった。でもクラスで2番なら(残念だけど2番)ある。それが水泳だ。当時、50mを泳げるのはクラスで2人しかいなかった。これに賭けてみようと思った。
水泳のなかでも、クロールや平泳ぎを泳げるひとは、まあまあいるけど、バタフライはクラスには見当たらない。じゃあ、バタフライならクラスで一番になれるかもしれない。これなら縄跳びを跳ばなくてすむかもしれない。とりあえずだけど、自分の力で小さな居場所をはじめて見つけた瞬間だった。
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