経営のお勉強②(MBAマネジメント・ブック)
事業ポートフォリオ
会社が事業活動を複数行う背景には、大きく2つの理由がある。一つは、事業拡大によって成長の機会を獲得すること。もう一つは、複数の事業を行うことでリスクを分散すること。
以下の3つの視点で事業ポートフォリオを検討する必要がある。
①事業が儲かるかどうか(魅力度)
事業の市場規模、将来的な成長性、産業の収益性、収益変動のリスク、国際化の可能性など
②自社に勝ち目があるか(優位性)
市場占有率などの地位、他社と比較した相対的な収益性、組織の各機能の優劣評価など
③事業間のシナジーがあるか
部分的に既存資源を流用できるか以外に、関連する事業間で双方的に発生するシナジーがあるか
事業ライフサイクル
ある製品や市場は、必ず誕生から衰退までの流れを持ち、段階によって取るべき戦略が異なる。
①導入期
売上高も収益も低く、キャッシュフローがマイナスの状況。需要拡大のためPRに力を入れる必要がある。企業は世の中のニーズに即したアイデアを持ち、事業化するノウハウが求められる。
②成長期
売上高が伸び、利益が上昇する。キャッシュフローがプラスになるが、競合も増える。他社との差別化、事業規模の拡大に応じたマネジメントノウハウのレベルアップが求められる。
③成熟期
売上は低成長、利益も低下するが、投資が少ないためキャッシュフローはプラス。競争が激化し、他社との優位性が求められる。少数の企業が大部分のシェアを獲得し、低価格を武器に販売量を拡大する戦略が用いられる。
④衰退期
売上は低下し、利益も低下。一部のリーダー企業を除き、他の企業は撤退か、イノベーションによる新たな価値の創造が求められる。
ポートフォリオ・マトリクス
事業ポートフォリオを考察する際に、ポイントとなる要素を絞り込んで2軸にまとめたマトリクスを作成し、各事業を位置付けること。
①BCGのプロダクト・ポートフォリオ・マネジメントモデル(PPM)
事業ポートフォリオ構築の3要素のうち、事業の魅力度と競争上の優位性の評価を単純化したモデル。
PPMでベースになっているのは、市場の成長はときとともに低下し、成長性の高い事業は多くの資金を必要とするという「事業ライフサイクル」の考え方。
もうひとつ、製品の生産量が多くなれば単位あたりのコストが下がり、生産性が向上することから、シェアの高い企業の方が低い企業よりも相対的に低コストで生産し高い収益が得られるという「経験曲線」の考え方。
②GEのポートフォリオ
PPMの限界を補うものとして考案されたのが、ビジネス•スクリーン。
市場や競合、収益性などに関する複数の指標の組み合わせでできた「事業地位」「事業の魅力度」によって位置付け、資源配分の検討を行う。
9個の象限に3個ずつ色分けし、事業地位が高く、魅力度が高いほど優先的に投資を増強する。
逆に事業地位が低く、魅力度が低いほどに投資を抑え、利益回収を目指す。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?