【週末投稿】つれづれ有用植物#76(イネ科イネ属:オカボ)
稲作は古くから人々の生活には欠かせない物でした。遺跡からは栽培跡や、農具などと共に「プラントオパール」というイネ科植物特有の物質も検出され、縄文時代から稲作が行われていた事が判っています。
さて、今回の話題は陸稲(オカボ・リクトウ)という畑で栽培するお米です。現代では水田で栽培するお米が主流ですが、過去にさかのぼりますと縄文時代から陸稲を栽培されていたと思われる証拠が出土していますし、陸稲栽培が主流であったとの学説もあります。
また、各国の遺跡の調査からも、水田による稲作のほかに陸稲栽培されていたと思われるものが多数見つかっています。
今日の日本では治水が進み、水稲の品種が改良されるにつれて、陸稲栽培面積は減少しています。
陸稲は、水稲に比べて草型が大きく、葉身が長大で根が発達しており、粒も大きめなのですが、収穫率や食味は落ちる様です。しかし水田が不要なので栽培し易い利点もあります。治水問題で水田が作れない国や地方では今でも栽培されています。
畑で栽培できる陸稲ですが、水分は大好きなので陸稲用の種を従来の水田で育てる事もできます。
陸稲は畑で栽培できる種ですが、出穂時期からはある程度水分が必要で、乾いてカラカラな状態では実付きが悪くなるようです。
水稲は私たちが普通に食べている「うるち種」と「もち種」に大きく分けられますが、陸稲も同様に「うるち種」「もち種」が存在しています。
食味や収量を水稲と比較すると落ちる様ですが、水田の様に水の管理をしなくても良い点は、だれにでも栽培できるという利点があります。
通信販売で陸稲の種は販売されていますので、ご自宅でも簡単に入手ができ栽培実験ができます。プランターで育ててみると楽しいかもしれませんね。
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