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【週末投稿】つれづれ有用植物#254(ウリ科ラカンカ属:ラカンカ)

ウリ科の植物であるその実は、特殊な薬効をもつ実であることから、仏教の聖人賢者である羅漢のようだということから羅漢果(ラカンカ)と名付けられました。神果とも呼ばれています。

中国南部の広西チワン族自治区が原産で、現在では桂林地方のみで栽培されているそうです。

宿根性で慢性の植物で雌雄異株です。蔓の長さは5m程度になります。
6~8月に小さな黄色の花を付けますが、昆虫による受粉が難しく羅漢果の授粉は、もっぱらヒトによる人工授粉が必要と言われています。

【雌花】
【雄花】

8~10月にかけて円形あるいは倒卵形も実がなります。
品種によって大きさは異なりますが、直径は約4~6cm位の大きさで茸毛で覆われています。熟すると濃緑色となり光沢を帯びます。

成長が早い多年草ですが、寒さには弱いので、日本では一年草として扱われています。気温が最低10℃以上~25℃の範囲内なら、常に開花・結実する様です。

■榕江県でラカンカの収穫最盛期 貴州省(1分弱)
Xinhua Japanese 様

通常は実は渋く生食せずに、乾燥させて砕いたものを煎じて羅漢果茶として利用されます。咳止めやノドの荒れ、痰の切れなどに効果があることから、京劇の俳優さんたちにも愛用されていたそうです。また、解熱、肝臓の不調や胃の悪いときなど広く利用されてきました。

現在では甘味料として多くが利用されています。
工業的には新鮮な羅漢果を水やメタノールなどで熱水抽出したものを、ラカンカ抽出物(天然由来の甘味料)という名称で中国から輸入されて食品材料として用いられています。
または、天日でしっかり乾した後、とろ火であぶり続ける事で徐々に果実が糖化を進め、甘味を増したものを利用します。

果実は砂糖の300倍~400倍の甘みをもち、甘味の成分はテンペングルコシド配糖体が含まれています。
この配糖体は水溶性の食物繊維で体内では吸収されにくいため、カロリーはゼロであり、血糖値も上がらないともいわれています。

■天然の甘味料「ラカンカ」を煮出してみた!【カロリーゼロ】(7分強)
シエラちゃんねる 様

羅漢果は抗酸化作用が非常に強いため、適量以上に摂取すると体質によっては身体の抗酸化が一気に進み、一時的に体調をくずすことがまれにあるそうです。具体的には、体温や血圧が急に上がったり、湿疹が出たりといったアレルギーのような症状が見られます。
始めは少量で試してみる事が良いかもしれませんね。

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