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障がいを持つ子の育児を通じて学んだこと⑥

優秀だね

 私は、子供のころから気管支炎喘息がひどく体が弱かったので、運動が苦手でした。なんとなく自信なさそうな、弱っちいやつ。

 それが、社会人になり急に、「優秀だねぇ。」と言われるようになった。技術系の仕事ではあったが、学校の勉強に比べれば簡単。理解が早く、従順な性格だったので上司世代から可愛がられた。

 優秀だねって言われることが、正直嬉しかった。

優秀の定義

 管理職になり、優秀と言われる場面が変わった。いかに部下の心に寄り添い、信頼を勝ち得ているか。どれだけ部下の能力を引き出しているか。

 もはや、自分の技術や業務処理能力は問われない。そして、従順なだけでは優秀ではない。

優秀ってなんだ?

 子供を3人授かった。

 一人目は、小6で不登校になり、得意だった勉強もストップ。通知表の評価は無い。でも、中学の勉強を独学でカバーし、高校入試に成功。エレクトーンのコンクールでは、その演奏で皆を感動させてくれた。我が家が一番大変な時に、家族の食事を作ってくれた。とてもやさしい、優秀な子。
 二人目は、発達に遅れがあり、感情のコントロールが下手くそ。勉強は今でも苦手。でも、保育園年長の時、徒競走で初めてゴールまで走り切れて、周囲の皆さんを感動させてくれた。下の子が叱られている時、身を挺して守りに入ってくれた。とてもやさしい、優秀な子
 三人目は、小学六年の一学期まで、言葉が出なくて生活の自立ができなかった。でも、自分の食器を片付けられる、ただそれだけで皆に感動を与えてくれた。毎日何があっても、最高の笑顔と笑い声で、家族を癒し続けてくれた。とてもやさしい、優秀な子、だった。

優しさに秀でること

 優秀という言葉に、評価に拘ってきた私ですが、その定義は都度変化していきました。
 私がたどり着いた優秀さとは、子供たちが教えてくれたことです。

相手に感動を与えられること
優しい気持ちで接することが出来ること

優秀とは、優しさに秀でること。

優しくなければ生きている意味がない。

常に、ビギナーであれ。 

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