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秋田も悪くないなって思ったりした高3の夏

4年前,高校3年生の夏,一度だけ高校で野球応援をした.忘れもしない,

甲子園決勝 金足農業vs大阪桐蔭

秋田県勢として第1回大会以来103年振りの決勝進出で地元が沸いただけでなく,全国的にもかなり話題になった.「金足農旋風」「平成最後の百姓一揆」,twitterに流れてきたトラクターと戦車の画像は言い得て妙だと笑ってしまった.流行語大賞にもノミネートされて,県名を冠しているわけでもないのに,秋田の高校の中では全国的に最も有名になっただろう.

私の通っていた高校は共学数年目の元女子校で,当時も今も野球部がない.当然高校時代に母校の野球応援をしたことはない.
でも,その時だけは,体育館でパブリックビューイングでの全校応援が行われた.秋田県は夏休みが短いので甲子園決勝のタイミングで始業式をやる学校が多い,わが母校ももれなくその通りで,午前中に始業式をやって午後からは体育館で応援した.

吉田輝星投手が登板すると黄色い歓声が沸いた.彼の中学時代の同級生である男子が少し気まずそうに笑っていたのがなんか面白くてよく覚えている.
今までどんな打者でも三振を奪い単打に留めてきたような吉田投手が1回に3失点.更に3ラン,2ランを立て続けに食らう.やっぱり大阪桐蔭は強い.5回限りで降板した吉田投手に代わってマウンドに立ったのは打川選手.

たまたま私のクラスには打川選手の友人や同窓が多かったので,6回ウラに彼の名前がアナウンスされた時「うっちー!」と名前を呼ぶ声が上がり,大いに盛り上がっていた.彼もまた優秀な投手なのだ.

この打川選手にあまりスポットライトが当たっていないので少しだけ書きたい,秋田県民から言わせてもらえば,金農は「百姓」ではあるが,それなりに豪農である.公立高ながら野球の推薦で多くの選手を取っているし.吉田選手はもちろん打川選手も優秀な野球選手として入学してきたのだ.打川選手の登板後,彼は1失点に留め,それ以上差をつけられることを許さなかった.
2-13という結果で大敗してしまったが,私は健闘してくれたこの2人のピッチャーに拍手を送りたい.

金農ナインは秋田に戻って,県民栄誉賞を授与された.

秋田がこんなに盛り上がったのは,後にも先にもこれが1番だと思っている.秋田市内の広場,エリアなかいちで行われたパブリックビューイングには,秋田ってこんなに人いたのかというくらい大勢の観客が集まっていたし,試合終了後はくす玉も割られた.結果は準優勝に終わったものの金農ナインを労う横断幕が町中そこかしこに飾られていて,秋田県民の感謝と感動の大きさを表していた.秋田駅前のホワイトボードには勝ち進むにつれて溢れんばかりに増えていく応援メッセージ,「準優勝おめでとう!」と貼られた横断幕.

秋田も捨てたもんじゃないなって思ったりもした,17の夏のお話.

でもいつか東北勢の優勝も見たいな! 準決勝が東北対決になったのは少し複雑な気持ちだけど,とりあえず東北勢の決勝進出は確定してるから頑張ってほしい! 応援しています!


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