街かどの教育学〜地理、地図〜

都道府県を覚えるとなるとその形や位置、県庁所在地や名産、さらには気候や地理など、様々な情報を複数まとめて覚えるようになっていること、ありませんか

どうすれば県や地理に興味関心を持ってくれるのか、地図に興味を持ってくれるのか。

このような興味関心の引き出し方を考えたときに教育者側はつい上記のような「付属品」をつけたくなります。

もちろん、ワンセットになっていることが良く記憶に働きかけることもあれば、名物の食べ物などに関心があって、それを切り口に利用することは考えられるでしょう。


教科書もそうなのですが、大人側のこうした付属品はときに彼らにとって情報過多であることがあります。
これは地理に限らずあらゆる学習にいえることです。


ところで、子どもがどれほど県名を知っているのか確認したことがありますか?
具体的な位置情報は掴めなくても、少なくとも〇〇県がある、という程度のことは多少なりその子は持っています。


また、名産や特産、県庁所在地についても全く知らないわけではありません。
少なくとも自分たちの住んでいる地域がどこか、ということは知っているでしょう(年齢によれど)。

そうした既存の情報を頼りに新しく知識を広げていくことが重要です。

さて、まずはじめに白地図

そこで、まずはランダムに地域や地方を

さて、白地図は名前に加えてその場所、形、地方、隣接する県など得られる情報は様々です。

よって名前を
形や位置と合わせて覚えなければならない。
地方を覚えなければならない。
正確でなければならない。
漢字で書かなければならない(習ってないのに笑)。

といった印象を与えます。

大変な作業ですね。
ですから白地図はそのままでは基本的に面白くないのです。

そこで今回はちょうど「嫌い!」って言っている子がいたので、

「それなら知ってる県名言ってみてごらん。全部僕が書きます。」

その結果↓
(ひっくり返ってるのはごめんなさい)



ちなみに白地図を前にして「どのくらい知ってる?」って聞いたときは「知らない!」
の一点張りでした(笑)



教育者の役割は新しい知見を与えるとともに、こうした断片的なパーツをつなぎ合わせ、形にしていくことも含まれます。

新しい知識や情報を与えるときには元々持っている知識や力を活用してあげなければ、連続性が見えません。
(もちろん、〇〇は以前やったから覚えているはずだという前提は教育者側の偏見です。)

特に知的な遅れを有する場合は思い出すまでに時間がかかったり様々な情報が混同されたりしがちです。

保護者も含め教育者側は整理されている情報や知識を求めがちですが、部屋や物だけでなく知識もこうした雑然とした状態から始まると理解しておくことが重要と考えています。

いかにして整理していくかが重要と考えた一コマでした。

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