めぐり合い①
北海道出身の作家、小檜山博さんの「人生という旅」というエッセイ集をまた読み直した。この作品は何度も何度も読み直している。
私が小檜山博さんに出会ったのは今から12年も前の中学校に上がったばかりの頃だった。
今日はその過程については割愛させていただく。愛が重くなってしまうので。
何度も何度も読み直す中で気づくことが度々あった。その中で受けた大きな衝撃は2つだった。1つ目は、「三月三十一日」というお話の中で小檜山さんが下宿した先の大体の住所が記されていた。その場所の近くが私のルーツにもなっている場所だった。この時私は横になって寝る前の読書タイムとして読んでいたのだが、この事実に驚き過ぎてアドレナリンが湧き、眠るまでに時間がかかった思い出がある。
2つ目は、今日だった。
電車で「人生という旅」を読み直していて、「赤いバラ」という話の冒頭だった。さわりの「一九九七年、六十歳で定年になった」という文章を読んだときに気づいてしまった。ケータイの計算機を使って、小檜山さんのご年齢を計算させていただいた。
私の大好きな祖父と同じご年齢だったのだ。
電車の中で、瞳の奥が熱くなって、涙がこぼれそうになった。
私のルーツのすぐそばにいてくださったこと、大好きな祖父と同じ年齢だということ。
何か、ご縁があるように感じられてならなかった。
今日、気づいたことを小檜山さんにお伝えしたいと思った。
「何度も読み直すことができる小檜山さんの本があったからこそ私はめぐり合うことが出来たんです」と。