クリスマス

全く年末感を持つことのできない2020年だったけど、季節は移ろう。

今日はクリスマス・イブ。

支店からの電話に出ると、支店長でさえも開口一番「メリークリスマス!」と言って楽しそうにしていた。

どことなく浮ついたクリスマスイブ。

帰り道のコンビニやパン屋の外ではケーキを売るサンタのコスプレをするお姉さん

ホットスナックのケースの中には平常時とは比べ物にならないほどの量のチキン

ケーキの箱を持って出てくる人とすれ違う

今日はご馳走でパーティーか

ところで「イブ」とは祭りの前夜祭という意味である。

本祭は25日である。世の中の人はどっちに祝う方が多いのだろうか?

私の地元北海道が大晦日にすごいご馳走を食べるように地域によって違いがあるのだろうか?

その真意はわからないけど、24、25日の予定と誰と過ごすかによるのだろうと思う。

私が両親と暮らしていた頃は24日がご馳走で、25日は前日に余ったケーキを楽しむ日だった記憶がある。

母がグラタンとか、唐揚げとか、いつもより具の多い洒落たサラダを作ってくれた。

そんなご馳走をこしらえる母のそばをうろちょろし、揚げたての唐揚げをつまみ食いし、さらにもう一つ、としようとした私の手を母は笑いながら叩いた

ケーキは几帳面な父が包丁を入れて私と母に切り分けてくれた。

こっちの方が大きいかもだの、皿に乗せた瞬間ケーキが倒れただの笑い合っていた。

そんな優しいクリスマスから離れて約10年

隣に座る私の上司は

「明日は絶対定時に帰る。子供が待ってるんだ。」と昨日から言っていた。

私の勤める部署は「○○末」が忙しい。

クリスマス本祭の明日25日は週末+月末+年末の三つ巴である。

上司は「25日は帰れないから、24日に家族でパーティーするんだ」

そこで私は24日になんとしても仕事を定時に終えなければならないことと、25日は残業を覚悟しなければならないことの両方を一瞬で察した。

宣言通り、今日は全員定時で上がることができた。

子供が知りうる狭い世界の中で最も楽しい行事の一つ、クリスマス

これから大きくなって楽しいことはもっとあることを知っていくだろうけど、幼い頃の記憶は確実に優しい記憶となって残り続ける。

ふとそんな優しい記憶が掘り起こされたのと、帰り道にすれ違うどことなく浮き足だった人々に感化されて柄にもなくコンビニでケーキを買った。

そんな私の行動を察知したのかは定かでないが、母から「ケーキ食べたの?」との連絡。

写真を送ると、二人で食べているのだろうか、ホールケーキの写真が返ってきた。

ふと口元が緩むのがわかった。

離れていても、同じようにクリスマスを過ごしているんだなと思えて。

優しい記憶の中の自分は約10年経った今でも楽しそうだ。

さあ、残業確定の25日の仕事頑張りしょう。

Merry Christmas!










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