大阪〜名古屋間における鉄道 最安の移動手段を考える
PLACEが今年もやってくる。
私が応援して已まないスリーピースバンド、Sound Scheduleの東名阪(+札幌)ツアーだ。もし本記事がきっかけでその名前を初めて聞いたという方がいらっしゃれば、是非、下記の再生リストから公式MVを視聴いただけると甚だ幸いである。
さて、2022年のPLACEの日程は、本記事を執筆している時点だと10月1日(土)に大阪のなんばHatch、10月2日(日)に名古屋のElectric Lady Land、10月8日(土)に東京のSpotify O-EAST、10月15日(土)にcube gardenと、合計の4日間の開催予定となっています。
今年は大阪と名古屋が2日連続で開催されるので、両日とも参加される方も一定数いらっしゃると思うし、そうであれば、名阪間の移動が必然的に発生します。
本日の記事では、鉄道ファンである私が把握している名阪間の移動手段を、快適なものから安いものまでまとめてご紹介したいと思います。
記事を読む前に
移動のノウハウへ入る前に大きな前提をお話ししておきます。
本記事は、2022年(令和4年)の10月1日(土)から10月2日(日)にかけての移動に役立つ情報ということを基準とします。このためシーズン外となる青春18きっぷに関する情報は記述いたしません。
またこれから書き下すのは2022年8月時点での情報です。特に近鉄に関する情報の取り扱いについては注意を頂きたく思います。と言うのも、近畿日本鉄道(近鉄)は来年の4月1日より運賃改定(値上げ)を実施できるよう、国土交通省に申請を行っています。この許認可申請、現時点では審査中の状態ではありますが、近鉄側の申請が認可され、予定通りに運賃改定が行われれば、これから記載する情報が全てひっくり返る可能性があります。
本記事は今後の状況変化に伴う記事の改訂は実施いたしません。特に、本記事の投稿翌年、2023年以降に検索などで辿り着かれた場合、これから下記に有益な情報は掲載されていないと思われます。
また本記事に記載されている内容は、一介の鉄道ファンである個人が趣味活を通じて得たノウハウを記載するものです。料金や乗車方法を始めとする詳細な情報は、全て各鉄道会社の公式サイト等をご覧の上、確認をお願い致します。これを怠ったことにより発生した損害について、執筆者は一切の責任を負いません。本記事の内容について、鉄道会社、駅窓口、駅係員への問い合わせは絶対にやめて下さい。
東海道新幹線
のぞみ
言わずと知れた最速の移動手段です。
新大阪〜名古屋間の乗車を想定し、交通新聞社制作のアプリ「デジタル JR時刻表 LITE」を使って調べたところによれば、停車駅がもっとも少ない「のぞみ」での所要時間は概ね約50分。料金は自由席を使用した場合の金額は5,940円(乗車券 3,410円+自由席特急券 2,530円)です。
ぷらっとこだま
主要駅にのみ停車する「のぞみ」に対し、東海道新幹線上に存在する駅すべてに停車する列車が「こだま」です。
新大阪〜名古屋間で言うと、「のぞみ」が通過する米原と岐阜羽島に停車し、また両駅で「のぞみ」の通過待ちを行うため、所要時間が若干長く、例として新大阪駅を10:54に出発するこだま720号の所要時間は68分です。
「ぷらっとこだま」というのは、この「こだま」に割安で乗車することができる旅行商品のことです。
申込可能期間が最大で1ヶ月前からであるため、10月1日の正確な料金を知ることはまだ出来ないのですが、仮に9月1日出発の列車を調べてみたところ、普通車プランで4,600円でした。
新幹線を使用する場合で、且つ片道の料金を比較したときの最安値がこちらと思われます。
「ぷらっとこだま」はあくまでも旅行商品であるため、通常の乗車券とは購入方法が異なり、事前申込による予約を行い、乗車するまでにチケットを受け取る必要があります。
申し込み方法はWEB、店舗、電話など。
チケットの購入方法が若干複雑であることや、普通に切符を買って乗車する場合には無い制約もあるため、こちらを使用される場合は公式サイトの「お申し込みの際のご注意」をよく読み、内容を理解して利用するようにしましょう。
近畿日本鉄道
大阪の難波あるいは上本町を起点に、奈良、京都、三重、愛知の2府3県に跨る路線網をもつ私鉄であり、近畿日本鉄道を略して近鉄と呼ばれています。
近鉄は、その広大な路線網に特急列車を走らせていることから、内部用語として各系統ごとに始発と終端から一文字ずつとった系統名がついています。
こと大阪〜名古屋間を結ぶ特急列車に関しては、両地から一字ずつとった名阪特急と呼ばれており、本記事でもこの呼称を使用します。
ひのとり
大阪と名古屋の間を最も早く移動できる手段は新幹線の「のぞみ」ですが、最も快適に移動できるのは近鉄の「ひのとり」で間違いないでしょう。
2020年3月にデビューしたばかりの新しい特急列車であり、バックシェル付きのリクライニングシートを全席に採用しています。
近鉄公式サイトの「ひのとり」紹介↓
「ひのとり」には「レギュラーシート」と「プレミアムシート」の2種類の座席が用意されています。レギュラーシートはベーシックな座席ですが、プレミアムシートの座席は電動式リクライニングや電動式レッグレストを搭載、本革張りの、より高品質なものとなっています。
大阪難波〜近鉄名古屋間の特急料金は、レギュラーシートが2,130円、プレミアムシートが2,830円です。これに運賃2,410円を加算すると、レギュラーシートは4,540円、プレミアムシートは5,240円で乗車することができます。
アーバンライナー
名阪特急は基本的に30分ヘッドで運行されており、難波と名古屋それぞれを毎時0分に出発するのが先に紹介した「ひのとり」ですが、毎時30分に出発するのがこの「アーバンライナー」です。「ひのとり」がデビューするまではこの車両が名阪特急の代表格でした。
アーバンライナーにもレギュラー車両とデラックス車両という座席のグレードが異なる2種類の車両が用意されており、大阪難波〜名古屋間の特急料金は、レギュラー車両が1,930円、デラックス車両が2,450円です。これに運賃2,410円を加算すると、レギュラー車両は4,340円、デラックス車両は4,860円で乗車することができます。
ちなみにひとつだけ留意しておかないといけないのが、アーバンライナーに使用されている21000系という電車は、デビュー後30年以上が経過した古い車両であるため、特にレギュラー車両に関しては座席にコンセントが付いていないものが今も残っています。「ひのとり」ではない特急で帰る場合はモバイルバッテリーを十分に用意しておくようにしましょう。
近鉄週末フリーパス
一言で説明すると金土日または土日月の連続する3日間、近鉄全線が4,200円で乗り放題という切符です。
大阪難波〜名古屋間の運賃は片道2,410円なので、往復で4,820円ですから、この切符を使用すれば往復で660円安く移動することができます。
逆に言えば元を取るためには名阪間を最低でも1往復する必要があります。大阪から来て大阪へ帰るのであれば有用なパスなのですが、東京や関西圏外から来て、終わったあと東京や地元へ帰る場合、元を取るのが困難なため、あまりおすすめしません。
近鉄が公に発売している駅窓口または定期券・特急券自動発売機で購入可能なフリー切符であり、別途で特急料金を支払えば特急列車にも乗車することも可能です。
週末フリーパスのデメリットは当日購入ができないことで、必ず前日までに近鉄の発券可能駅に行く必要があるため、切符を入手するためのコストが発生します。単純に名阪間を往復するというだけに使用する場合、後述する株主優待券と比較した場合の価格差も半分程度です。
もし10月1日および2日のみならず、前日の金曜ないし翌週の月曜日に伊勢方面への観光などを含める場合、この週末フリーパスを使用したほうが圧倒的に安くなります。
株主優待券
単独で入手できる乗車券としては最も安い切符です。要するに近鉄へ出資している株主に配布する優待券のことで、この切符の効力を分かりやすく一言で説明するならば、乗車した駅から降車した駅まで定額の切符という表現になるでしょう。
株主優待券であるので、当然ながら駅の窓口では買えません。近鉄の主要駅の近くにある、いわゆるチケット屋さんが主な入手先となります。金額は店舗や有効期限などによって多少前後するのですが、概ね1,800円前後で販売されているところをよく見かけます。
私の知る限り名阪間における鉄道移動は、この乗車券を使用し、近鉄の急行など特急以外の列車を乗り継いで行くのが一番安いです。所要時間は列車や乗り継ぎにより多少前後しますが、概ね3時間40分程度かかります。
この乗車券のいいところは追加で特急料金を支払えば特急列車にも乗車できるということです。大阪難波〜近鉄名古屋間の運賃は2,410円なので、単純にこの切符を使用するだけで片道約600円、往復で約1,200円の節約になります。
片道料金のまとめ
新幹線(新大阪〜名古屋間)
のぞみ 5,940円
ぷらっとこだま 4,600円
(参考値として9/1の料金)
近鉄(大阪難波〜近鉄名古屋間)
特急「ひのとり」
レギュラーシート 4,540円
プレミアムシート 5,240円
特急「アーバンライナー」
レギュラー車両 4,340円
デラックス車両 4,860円
※週末フリーパス使用の場合 △310円(片道換算)
※株主優待券使用の場合 △約600円(店舗による)
急行など乗り継ぎ
普通運賃 2,410円
週末フリーパス 2,100円(片道換算)
株主優待券 概ね1,800円前後(店舗による)
参考
JR在来線(大阪〜名古屋間)
3,410円
※新快速などの快速列車を乗り継いだ場合の所要時間は概ね3時間弱
あとがき
今回ご紹介したのはあくまで鉄道に限った移動手段です。筆者の私が鉄道好きということもあって鉄道以外の手段を用いて名阪間を行き来したことがなく、従ってノウハウも全く持っていないので今回は紹介いたしませんでした。
例えば神戸や京都にお住まいの場合、昼行の高速バスを使用したほうがお得な場合もあると思います。新大阪駅や近鉄の難波など各主要駅に行くまでのコストも加味した上で、一番よい手段を取って頂ければ良いのではないかと思いますし、この記事がその助けになれば大変嬉しいです。
今年もPLACEを楽しみましょう!