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東京は令和 地方は江戸時代
地方出身の友人女性の話
東京が令和だったら、地方は江戸時代
東京で働く地方出身のアラフォー女性Mさんとの会話で
このことばがふと頭に浮かんだ
その方は3姉妹の長女で未婚だ
3姉妹は全員上京し仕事をしている
妹2人は結婚し、うち一人は夫が婿入りした
Mさんは先日帰省した際、ご両親の介護を見据えて5〜10年後には自身が東京と実家の2拠点生活を考えていると伝えた
するとMさんのご両親は、地元に最近できたマンションを買うことを勧めてきたという
ご両親曰く、妹さん夫婦が最終的に実家を継ぐからこの家も妹さん夫婦のものになるので、Mさんが2拠点生活をするなら実家近くのマンションに住む必要がある という考えなのだそうだ
Mさんは感情を露わにはせず淡々とその話をしていたが
「がっかりして、もうその話を両親とする気はなくなった」と述べていた
いつの時代の話・・?!
率直な感想は
信じられない
だった
令和の今、相続は子どもに平等に権利があり
家を継ぐとか本家分家のような考えは戦前の話だ
Mさんは私と同世代なので そのご両親は私の親と同世代
私にとってMさんのご両親の言葉は、私の祖父母世代のセリフかと耳を疑うものだった
家族に関する考え方は、各人の思想によるところもあるから、必ずしも世代などのカテゴリーで括ることが適切とは限らない。
とはいえ、私の親世代で この考え方・・・?!
あまりの違いに戸惑いが頭を駆け巡り
できる限りの平静を保って 「それはショックでしたね。ご両親も、妹さんご夫婦に気を使ったのかもしれませんね・・?」と言葉をかけるしかなかった
田舎特有の考え方
帰宅してからももやもやとして反芻していたところ
ふと冒頭の言葉を思い出した
東京が令和なら 地方は江戸時代
私自身は東京で育ったため この印象的なフレーズを初めて聞いたときは、そんなに違うものなのか・・?とそこまで実感を伴った理解ができずにいた
しかし地方出身の母からは 折りに触れて田舎特有の考え方というのを聞かされていた
「女は学があっても仕方ない」と言われ希望する大学に進めなかった
祖母にとっての結婚は”就職”に近い感覚のもので、子供というのは老後の面倒を見てもらうための存在と捉えている(悪意はなく、それが常識と信じている)
祖母の知人の◯◯さん家は男の子が生まれなかったから跡取りのために養子をもらった
これらの江戸時代エピソードは私にとって到底信じ難く
祖父の出身地が地方の中でも山奥の田舎だったのでその土地特有の独特なものなのだろうと思っていたし
祖母の世代は戦時下を経験した世代だから世代間の考え方の違いは致し方ないだろうけれど
今の世代は違うでしょう と考えていた
しかしMさんの話を聞いて
母が言っていた「田舎の人特有の考え方というものがある」というのが
母のケースだけでなく 本当に田舎では”そんなにめずらしくもない、よくある話” なのかもしれない、という発見と共に 少し というかじわじわとかなり 心が沈んだ
逃亡するドバイ王族女性たち
私は数年前からドバイに興味があり何度か訪れている
ドバイでは王族女性の逃亡が相次いでいるという
https://www.bbc.com/japanese/56144104
王族や富裕層は海外留学を経験し ムスリム以外の文化を経験する。それはムスリムの厳しい戒律に則った自国の暮らしとは多くの面で異なるものだ。
それでも彼らは自国に帰れば潤沢な資金力で豊かな暮らしが約束されているから、帰国してムスリムとしての生活に戻っていく。
男性はそれでうまくまわっていたのだろう。違うところはせいぜい飲酒の可否くらいだ。
しかし女性はとなるとより制約が多い
自国で当然と思って受け入れていた暮らしも
他国でそれが当然ではない文化を目の当たりにした後、すんなりと元の暮らしに戻ることができるかというと
これまでの”当たり前”に対し別の可能性を模索し出す女性が出てくるという展開は想像に難くない
※ムスリムの戒律や文化についての批判ではない。自ら選択して信仰している人を批判する意図は全くない旨を注記しておく。(▶︎イスラム文化についての別note)
減りゆく地方若年女性人口
『東京が令和なら地方は江戸時代』
冒頭の印象的なフレーズはNHKクローズアップ現代(2024/6/17放映)取材ノートで『女性の役割を求められるのが息苦しい』というカテゴリーでの意見の一つとして紹介されていた地方出身19歳女性の発言だ。
同番組では、地方の若年女性人口減少による出生率の低下・将来的な自治体消滅リスクの問題を取り上げている。
田舎がもし本当に江戸時代なのだとしたら
地方に住む女性達は SNSやテレビなどを通して見聞きする”令和の女性の在り方”と自身の現実とのギャップに愕然とするだろう
そして一度上京したら、
留学してムスリム文化圏外の女性の人権を目の当たりにしたドバイ王族女性たちが自国からの逃亡を図るように、
地方出身の女性たちも もう田舎には帰りたくないと考え 地方若年女性人口が低下するのも当然の流れだろうと感じた
ただ、一つだけ申しておくと
令和の東京も程度の差こそあれ根底は同じものが流れていると私個人は感じて生きている
※ここでは出生率低下や地方自治体の消滅に対する解決策を論じたいわけではなく その原因の一つとして『ジェンダー感覚の地域間格差』が取り上げられている点に着目している
また、令和の東京も出生率低下問題は同じ。
ちなみに出生率低下についての私の考えは以下。
https://note.com/0622_/n/n70abf1522cad