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【フリートークネタ】にも使える 最近読んだ面白い「本」


はじめに



こんにちは
Jessicaです


日本語講師として
フリートークネタに困ること
ありませんか??


私の生徒さんは
日本の文化や
日本人の考えそのものに
興味があったり



イラストやクリエイティブな分野
に関心が高い学生が多いです


なので
フリートークでは

彼らが興味関心のある
話題を話してあげると
会話がとても盛り

学生さんにとって
満足度の高い授業になります





つい先日
最近読んだ
ある「本」の内容を
学生さんにシェアしたところ
多くの生徒さんから




『すごく面白かった!』

『知らなかったことが知れて、とてもいい授業だった』



というフィードバックをもらいました




今日は

その「本」と
その「内容」について

これを読んでくださる皆さんにも
シェアしたいと思います




最近フリートークネタで
悩まれている方

イラストやアートに
興味関心がある生徒さんをお持ちの方

また

最近流行の大河ドラマ
「光る君へ」から
「源氏物語」が気になっている方

にも是非読んでいただきたい
内容になっています






ざっくりとした
本の内容


ご紹介したい本が
こちらになります






この本は
「源氏物語」をテーマに
「色彩」という観点から
物語の内容を読み解いていくという

非常に興味深い
内容になっています


本書冒頭ページより
登場人物たちのシンボルカラー





例えば
本の中で
物語に登場する

「花散里(はなちるさと)」

という女性について
書かれているのですが


彼女は
とても誠実な性格で
主人公の光源氏の良き友として
彼を励まし癒してきました


そして

彼女が身に着けていた着物の色は
「青」だったそうです



正に誠実さ、癒しを与えるぴったりな
カラーです




このような感じで
登場人物たちが
身にまとう「着物の色」に
フォーカスすることで

キャラクターのイメージや
その人らしさを
読み解くことができ

紫式部はものの見事にそれを
上手に表現していた

と紹介されています






また、当時は
身分の高い男女たちは
お互い顔を見ることが
出来なかったので

男性は女性を判断する材料として
「すだれ」からちらっと見える
「着物の色」で想像を膨らませていたり

女性は男性から送られる
ラブレターを通して
書かれている内容や
その文に使われている「和紙の色」で
相手の性格や容姿
センスなどを
推測していたそうです


また
光源氏が送っていた
ラブレターの「色」によって
彼が女性に対してどのように
アプローチしていたか
どんなセンスの持ち主だったのか

というように
色から様々なことが推測されてきたことや
光源氏が多くの女性に愛された理由についても
説明されており


日本の歴史的背景を理解できたり

日本人らしい感覚というものが
どういうものなのか

についても書かれているのが
すごく興味深くて面白いのです



最も愛された女性の「色の変化」と「光源氏の想い」



そして本の中で
私が最も印象的だった内容が
色とストーリーの関連性でした



光源氏が最も愛した女性に

「紫の上」
(光源氏の初恋の相手にそっくり、というか初恋相手の親戚の子)

という人物がいます



源氏物語を読むうえで
まずはこのヒロインと光源氏の関係性について
押さえておけば
5~6割ほど理解できるといってもいいくらい
この物語で重要なキーパーソンだと思います




その彼女が光源氏と出会った幼少期
「山吹色」の着物を着ていたそうです


山吹色



山吹色=黄色は
色彩心理学では

愉快、元気、軽快、希望、無邪気
といったイメージがあり

まさに若いころの彼女にぴったりの色です





そして彼女が大人になるにつれ
身にまとう色は山吹色から
「葡萄色(えびいろ)」へと変わります


葡萄色


当時は夫から妻へ服を送る
という習慣があったようで
光源氏が彼女に送った着物の色が
葡萄色(えびいろ)になります






なぜ光源氏はこの色を選んだのでしょう?







それは光源氏が

かつて最初に愛した女性
「藤壺の女御」(光源氏のパパの別の奥さん)
という人物の
「藤色」

藤色




最愛の実の母親である
「桐壷の女房」の
「桐の花の色」


桐の花

を重ね合わせ



彼が愛する女性に対するイメージカラーは
「紫」であり



そのため
最愛の女性である「紫の上」に送った色も
紫系の色だったのではないか

ということが連想されます




「色」と「ストーリーの関連性」


ちなみに
葡萄色は
今でいうところの
マゼンタローズ(赤紫)です


マゼンタローズは
女性性や愛情の象徴」とされることが多い色ですが


一方で
自己犠牲」という意味も含まれているそうです



実際にストーリー上でも

紫の上は晩年
自己犠牲により
命を落とすことになる

という展開があることを知り
非常に驚きでした








というのも

当時は
「一夫一妻多妾」という時代

つまり
正式な夫/妻は一人ずつ
しかし夫はたくさんの妾(愛人)を持つことが
許されており


紫の上はそのたくさんいる
妾のうちの1人だったのです


最愛の女性なのに
なぜ正妻にしてあげないの?
という疑問が浮かぶかもしれませんが


当時は同じ身分同士で
結婚するのがあたりまえ

紫の上は身分が
高くなかったので
光源氏には釣り合わなかったのです


最も愛されていたにもかかわらず
正妻にしてもらえない紫の上

それでも
そんな光源氏を愛する
健気な彼女は

光源氏が六条院という大きな屋敷の中で
他の妻たちと一緒にシェアハウスのような
暮らしをしながら
(もちろんその中に正妻もおり)

文句ひとつ言うこともなく

一生愛人として
自分の気持ちを自己犠牲にしたまま
それにより
心を患い
命を落とした


という
悲しい最後を迎えるのです






紫式部
すごくないですか?!







色という角度から
こんなにたくさんの解釈と
ストーリーとの関連性があって
すごく考え抜かれているな
と感じました



本書冒頭ページより
紫の上のイメージイラスト


男女の関係 「実は今も昔も変わらない??」



また
この二人の関係性って
現代の男女関係にも
同じことが言えませんか?


女性が
奥さんがいる男性から

「君を世界一愛してるよ」
「でも妻と別れることができないんだ」
「でも本当に心から愛しているのは君だけだよ」

と言われ


その彼を愛し信じて
いつまでもずるずると
はっきりしない関係を続けている

不倫関係の男女のような





時代は全然違うのに
男女間でのやりとりや
人間の心理は
今と昔で
さほど変わらないのではないかと

仕切りの高い昔の読み物が
一気に現代の私達に近いものになったのを
感じました





おわりに


どうでしょうか?
面白そうな一冊だと思いませんか?



ここに書いたこと
以外にも
たくさん色と物語にまつわる解釈が
紹介されていて

もともと
「源氏物語」を全く興味がなく
授業で受けたことすら忘れていた私ですが

この本をきっかけに
「源氏物語」に興味を
もち始めるようになりました


「源氏物語」自体は
海外の生徒さんでも
みんな名前は知っている
というくらい
とても有名ですが


その内容を知っている学生さんは
ほとんどいないので

この本に書かれているような


当時の日本の文化について
実はこうだった


とか

人の気持ちの部分は
1000年前も変わらないことが
本を読むと分かった


などと話をすると



みなさん
目を見開きながら



「へぇー!!なるほど!そういう物語だったのか」


と非常に喜んでくださいました


なのでこの記事を読んで
面白そうだなと思った方は
是非読んでみて下さい


単純に読み物としても
非常に面白い一冊ですので

読んだ方がいらっしゃれば
是非感想もシェアしてもらえるとうれしいです


今日もまた
伝えたいことが多くて
かなり長文になってしまって
すみません

最後までお読みいただき
ありがとうございました


それでは、また


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