マガジンのカバー画像

エッセイ? 日記? 雑文?

5
運営しているクリエイター

#孤独

八月某日、赤パチ、猫の轢死体

夏といえば、朝焼けだ。というのも僕は七月、八月にかけての夏、ホテルの朝食番として働いていたからだ。朝の四時くらいには起きて、六時前にはホテルで働いていた。朝食番というのは平日は忙しくないものなのだが、夏だけは違った。常に百人程度の宿泊者が朝ご飯を食べに来ていた。
朝焼けは好きだった。キラキラしていたし、何より、駅のホームには誰もおらず独り占めしているような気分が好きだった。惜しむらくは高いところか

もっとみる

反復横跳び、馬鹿の一つ覚え

特に言うことはないけどさ、と僕はいわれた。含んだ言い方に「すいません」と何かをした訳でもないのに謝った。謝ったもん勝ちだ。向こうが気に障っていたのなら謝って正解だし、向こうが何も思ってないのならこっちが謝り損するだけ。なんて素晴らしいことだろう。少なくとも、怒られることはない。僕の自尊心だけがガリガリもかき氷機のように削られて溶けていくだけ。
僕の知人ももう何人かが仕事を辞めた。新しく仕事をする人

もっとみる
夏のサ終

夏のサ終

もう夏は終わりました。今は夏ではなく、残暑という最も要らない季節です。秋ほど涼しくなく、夏ほど煌びやかではない季節、それが今。夏を取り戻そうと必死に足掻き、無駄に終わる今。昨日は半袖、今日は長袖、明日は半袖、それが今。カンカン照りだったはずがやたら重い雲が空を支配する。タバコを吸うと蚊に血を吸われるのに、少し肌寒い。
曖昧で、ぼやけてて、どうしようもない人達からエモい、なんてバカにされる季節。

もっとみる