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ろと3

数年前から結婚記念日に家族みんなに手紙を書くようになった。
きっかけはほぼ日の糸井重里さんが、

「自分が選んでできた家族の始まりの日だから、感謝の気持ちを込めて手紙を書く」

というような内容のSNSの投稿を見たことだったと記憶していた。でも改めてその元となる投稿を探したがなかったので、もしかしたら別の人の言葉かもしれないし、書籍の中の言葉かもしれない。

とても素敵なことだなと思って行動まで起こしたのにかなり曖昧な記憶になってしまっていたことに情けなく感じた。



それはさておき、僕は年に一回、このタイミングでしか家族に向けて手紙を書かない。
だから毎年同じようなことを書いているかもしれない。適当な性格なのでむしろその可能性の方が高い。
それでも良いかと半ば開き直りながら、今回も家族3人それぞれに対して思っていることを書き留めた。



結婚記念日当日は4人で新横浜で外食をしてホテル泊という流れだった。
帰りが遅くなって部屋に着いたらすぐに息子達が寝てしまったので渡すタイミングを逃した。

自動的に今回は当日ではなく翌日の朝食を済ませて、チェックアウトまでのゆったりした時間に渡すことになった。

今年は大きな変化があった。長男が小学生になり、毎日出される宿題の成果で字がすらすら読めるようになり、音読もできるようになったことだ。
その能力をフル活用して次男への手紙を音読し始めたのだ。字が読めない次男への親切心からなのはわかっているが、とても恥ずかしかった。
そしてなぜか爆笑する兄弟。ウケを狙った文章なんて書いていないはずだ。余計に恥ずかしい。

次男の手紙を読み終えた長男は、今度は自分に宛てた手紙を読み始めた。これは黙読だった。
しばらくして読み終えるとニヤニヤしながら



「お父ちゃんのろの字がさ、3に見えて面白かった」



もっと字を丁寧に書こうと心に決めた記念日になった。

何はともあれ、子ども達の反応が成長と共に年々変化する様と、毎年僕の拙い文章をしっかり読んでくれる妻の姿を見れることが最高に嬉しい時間だ。

そんな時間を今年も過ごすことができてよかった。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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池田翔太
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