あるものを数える
無い事を嘆くのではなくてあるものを数えてください。
沢山の本を読み漁っていたとき、パソコンで検索しまくっていたとき、そしてセラピストの人に言われたことの中にも必ずあった共通項が三点ほどありました。
その一つがこれです。
周囲を見渡します。そういえば家出て一人暮らし(正確には半同棲)した時は赤帽で引っ越しました。電化製品は全てこっちで買いました。勿論私の貯金で。礼金、敷金その他諸々、貯金はゼロになったな。でも当時は全然不安なんてなかったな、いや、あったかもしれないけれど、希望のが大きかった。今は希望なんてないけれど、生活必需品は揃ってるな。むしろ色々物増えてるな。
とりあえず必要最低限の賃金はもらえてるな。余裕はないけど。寝床もある。ボロ屋だけど。
どこかの本屋でチラ読みしたものの中にこんなのがありました。
「やりたいことがわからなくなったら自分の本棚をもう一度見返してみよう。そこには自分の興味あること、関心のあることが凝縮しているはずだから」
本棚覗いてみました。芝居関係の本と、生活関係の本(収納術だとか引っ越しQ&Aだとか、簡単料理だとか)それから自己啓発本にお金に関する本。その中にただ一冊、かっこよく言うとガーデニングの本がありました。
このボロ屋にした理由。庭があったから。
東側は高台になっている上に家が建っていたから朝日は当たらなかったけれど、昼前から日が沈むまでは日がずっと当たっている、賃貸ボロ家ながらも
戸建てでした。やろうと思えば家の廻りグルッと植物植えることが出来ました。
おまけに雨が降るたび、こちらも高台になっていた北側からの土砂がちょっとずつ流れてきて(築ウン十年、つまり新興住宅地ではなくて古い土地だということで、崩れるという心配はあまりしなかった)ミミズもモグラもいたから、良い土であることは間違いありませんでした。
家族6人の、6畳4畳半、台所だった生家。部屋は勿論、机も2台を1台は弟と故兄、もう一台を姉と私で使用していました。自分専用の空間というものがなかった子供時代において、私が自分の思い通りにほぼ使えたのは隅に父親がこさえた猫の額ほどの庭でした。色んな植物を植えては育て、花を咲かせ、やがて種を取り、又来年植える、そのサイクルが出来ました。あまり家庭菜園には興味なかったけど。
このボロ家もそうだけど、あれこれと内部を手を加えつつ、庭もこうしたい、ああしたいという事を色々やっていました。
日当たりの良くないところでも育つ家庭向けの植物が知りたくて買った本。
鬱になってからは庭なんて全く手をつけていません。そんなに広くはないですが、それでも荒れ放題。ふと思い立って、暖かくなってきたある日、庭の手入れを始めました。と言っても枯れきった様々な植物を抜いただけですが。それでも少し気分がスッキリしました。植物の力って不思議。
それから又日が経って、サフランが咲いているのに気がつきました。
私は元来ズボラです。手間暇かかる植物は花なんて咲かすことは出来ません。だからそう手をかけなくても花が咲いてくれるものを選んでは植えていました。サフランは2〜3年植えっぱなしでも良い球根植物。2〜3年に一回球根を掘り起こして増えて団子状態になっている球根をはがすように一個ずつ取ってまた植えておけばいい。
ただここ何年もそんな事していませんでした。でも春になって咲いてくれました。ひどく感動しました。
階段上がって左に折れて玄関になるのですが、その左側にユキヤナギ。とても大きくなってしまいました。きっと植えた場所の条件がひどく良かったのでしょう。これも毎年咲いてくれていました。自分が植えたい場所に植えた植物の一つ。
芝桜も植えました。これもあまり手間暇かからない植物の一つ。増やし方も簡単。ただ雑草に弱いので、雑草だけは、こまめに抜くことが条件。そして少し乾燥気味の陽当りの良い場所が最適。用はあまり水やりをしなくていいということ。
なんだかんだで意外と住みたかった家には住んでいました。
あと、健康でした。椎間板ヘルニアなりかけだとか、そういうのはあったけれど、とりあえず健康体でした。
他にあるもの・・・
あるものを数える できることの有り難さ
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はじめに;この記事に辿り着いた貴方はきっと、今辛い立場にあるでしょう。でもこれは私の事なので貴方の役には立たないかもしれません。でも少しで…
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