夜廻り猫

※  画像は全てNHK公式サイトで公開されているものを使用しています。

1話 5分で 2本立てで構成されている。
ED曲の尺を除くと 1本 2分くらいだと思う。
でも短いという感じはしなくて、柔らかく沁みるストーリー。
遠藤の声は声優さんではなく俳優さんが担当されているけれど、お芝居に違和感を覚えることはなかった。
ED曲も担当されている。
お話も、アニメの仕上がりも柔らかく作られているのに、EDはちょっとワイルドなんだよなぁ。
優しい気持ちになるアニメなので続編が観たいし、再放送でもいいのでまたやってほしいなぁ。
多分、配信はしていないはずなので、観る方法はないと思う。
とても良い作品なのに勿体ない。
夜観ると心がホカっとして、良い夢が見られそうな気分になる。


#4「迷った時」

「ふっ」や「はっ」という感嘆詞だけの台詞で、しかも映像も作り込んでいないけれど、重郎が楽しんで夢中になっている気持ちや、不安になった気持ちがとても良く表現されている。
迷子になって泣くのを我慢してトコトコ歩いている姿は「頑張れー!!」と応援しちゃう。
物凄く可愛くて、1番好きな回。
重郎、本当に可愛い。
後ろを向くとお尻の穴が見える。それがまた可愛い。
『にっこい』ってなる。



#8「ともだちはいらない ともだちにはならない」

藤田「友達になれなくていいんだ。」
遠藤「何故、ならぬとも良いのか?」
藤田「それって自分の下心でしょ。結局、自分の為。そういうの嫌だ。自分の為でなく、平井さんの為に何かしたい。誰にも気づかれず何か出来たら 1番いい。」
遠藤「そうか。 うん、そうか。」
重郎「しょうか。 うん、しょうか。」

この回の最後、1人と2匹で歩いて行くところの引き画が凄くいい。
このお話、アニメの感想を書き出した理由と似ていているなと思った。
誰が自分の感想を知りたいんだろ。と思いながら書いているけれど、作り手さんに「この作品、こういう風に観ていてくれていたんだ」と思ってもらえる日が来たらいいな。とは思う。
1クール毎、大量のアニメが放送される。
アニメ好きだけれど 1度に色んな作品を観てしまうと、その結果、どんな作品だったか分からなくなってしまうので、そんなに沢山の本数は観ていない。
それでも、楽しんで観ていたけれど時間の経過と共に、記憶から消えてしまう作品が多いのも事実。
声優さんがラジオで
「その時に持っている全ての力を出すつもりで現場に行っているし、制作の方も含めて参加している方は皆そうだと思うけれど、10年後を見据えた作品作りが出来ているかと言われると。。。アニメ工場みたいになっているところも。。。」
というようなお話をされていた。
自分の気持ちと通じるところがあったので、「アニメ工場」という言葉が寂しく響いた。
そんな寂しいこと言わないでよ。。。とは思ったけれど、10年後も観た時と同じように、ここの作画が良かった、ここはお芝居が良かったとか作品のどこがどう良かったのかを言える作品は少ない。
観たら、次の作品。ちょっと感性に合わないなと思えば違う作品。という感じで観ているのも事実だし。
音楽だったら昔の曲でもふと聴いたりするけれど、アニメはそれなりの時間が必要となってくるのでなかなか。。。というところもあるし。
なので、観た時の感情を残しておいて、この作品はこう観ていたよ。というのを作り手さんに読んでもらえることがあればいいかなと思いながら書いている。
良い事ばかりは書いていないので、いつまで公開するかは始める時にかなり悩んだけれど、取りあえず、公開したままにしておこうかなと。
作り手さんに伝えたいというのもあるけれど、作品のことを考えながら文章を書いたり、PVを選んだりする時間も楽しいし。
作品のことを忘れないように、記憶の定着? アクティブリコール?みたいなとこもあるかなと。

「誰にも気づかれず何か出来たら 1番いい」
これ同感なんだけど、10年以上前から知っていて参加作品を観ているアニメーターさんが、「頂いたお手紙、宝物にします」とSNSに投稿していて、それを読んだ時は流石に羨ましかったなぁ。。。
「宝物にします」だって。宝物にしてくれるんだって。。。ってな感じで暫く文字を見つめてしまった。
このアニメーターさんが参加されている作品の感想をヤフコメに「作り手さんが作り出すものが観たい」って投稿したら、感想の中で書いていた別の作品に参加されている好きなアニメーターさんが自炊した料理の話をSNSに投稿してくれていた。。。
えっ? ファンサ。。。?! いや、でもそっちの作ったじゃないです!!
ってな感じで、謎のファンサっぽいものに爆笑してしまった。



#14「重郎とニイ」

重郎「大事? 何だ?」
ニイ「手に入ったら分かる。それがあれば何でも出来る。」
重郎「ニイは手に入ったか? それは何だ?」
ニイ「お前だよ。」
って、ニイ、カッコ良すぎるんですけど!!
ネコになっても、中の方のフェロモンはダダ漏れ状態だった。




『夜廻り猫』で素敵だなぁと思った言葉

2分作品なので短く纏めてみましたが、ネタバレや文字起こしのレベルになっていたら申し訳ないです。

#1「9つまで」
昔、お年寄りは人に言いました。
『つ』の付くうちは神様と同じ。
子供の歳が 1つ、2つ、3つ、9つまでは人間の尺度で怒るなということです。
そんな言葉があるということは、昔からみんな子供に腹を立ててきたということです。

#1「重郎の母の日、父の日」
いつまで一緒にいるかは色々だ。感謝するかも色々だ。それでいい。
自分が幸せになって「ありがとう」と言いたくなった日が、母の日、父の日だ。

#2「いじめられた子」
僕がやられるのは弱いからだ。
でも僕はだからって強くなろうとは思わない。
誰かは必ず1番弱い存在になるんだ。

#4「おまいさんは頑張っておる」
少年「僕は何も出来ない。何も頑張れない。」
遠藤「それは違う。頑張りとは与えられたスタートから 1歩でも歩けたかどうかだ。」

#7「やり直せるものなら」
遠藤「もしやり直せるとしたら、改ざんして家庭を守りますか?」
男性「いや同じことをするよ。もし危険なマンションを建ててたら、沢山の家庭も壊れただろう。」

#10「いい天気」
重郎「曇りもいい天気だぞ。雨もいい天気だぞ。知らなかったのか?」
遠藤「忘れてた。重郎は良い事知ってるな。」

#13「歩」
悔しさを燃料に。

お尻の穴が可愛い。。。

#1「重郎の母の日、父の日」は、この作品らしさが出ているお話だった。
母の日、父の日の前になると「感謝の気持ちを」という言葉を耳にしたり目にすることが多くなるけれど、何かモヤっとする、産まれてきたくて産まれたんじゃないし。という思いのある人に向けて、いや、そうじゃなくてもいいんだよ。自分の気持ちが第一でいいんだよ。と気持ちを緩くしてくれている気がした。
「いや、そうじゃないよね、こうでもいいよね」と正面から伝えるのではなく、やんわりしたアプローチで語りすぎず。というのがいいなぁと思った。



#2「いじめられた子」の「強くなろうとは思わない。誰かは必ず1番弱い存在になるんだ。」は、あー、そういう考え方もあるよなぁ。と思った。
強くなるという考え方も良いと思うし、こっちの考え方も良いなと思った。
行動を起こした未来をどう見るか。なんだろうなと。

遠藤は何で缶詰を乗せているんだろうと思っていたけれど、優しい理由だったし、人間を信用しているのかというとそうでもないというところも深かった。
夜に半月くらいの柔らかく優しい明るさをそっとくれるような作品だった。
作り手さん、続編観たいです!!





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