見出し画像

「藏」

毎日新聞連載小説  宮尾登美子 作

 たまたまテレビで観たのをきっかけに図書館にリクエストをしたところ
大活字本でお借りできました。

 会話が多く新潟の方言が巧みに出てくるので、作者の宮尾登美子さんはてっきり新潟の方だと思ったら、土佐の方でした。
 読み進めるにつれ私も何だか新潟の方言が時々頭に浮かぶようになってしまいました。

 何度も映像化されていて、目の見えない女性が女人禁制と言われた酒蔵に入り酒造りを始めるというあらすじでご存じの方も多いと思いますが、方言が頭に浮かぶことといい、何だか自分が本の中の人間になったような気がしました。

あとがきの最後に

みなさまもどうぞ、長く長く、烈のこと佐穂のこと、また意造のこと、お胸のうちでいとおしんでやって下さいませね。
             1993年、緑濃きころ
                         宮尾登美子

 烈  酒蔵の跡取り一人娘(目が見えない)
 佐穂 烈の亡くなった母の妹(烈が小さい頃から面倒を見て育ててきた)
 意造 烈の父

 心の中で読んだ本の中の人たちが生き生きしてくる『これぞ小説』ではないかと思いました。

           読書って楽しい



いいなと思ったら応援しよう!