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パン屋の罠

町のコミュニティセンターによく遊びに行きます。

平日の利用者は保育園に行っていない2歳未満の子ばかりです。
ドリフトのようにカーブを曲がり部屋中を走り回る子も、トランポリンで前宙返り半回捻りをする小学生もいません。
2メートル先のママを目指してはいはいしたり、よちよち歩く子だけのめちゃくちゃ平和な時間と空間で世間のパンデミックが遠い世界の話になります。

初めて行った日、滞在時間2時間中1時間半は母にくっついて離れなかった娘も、通い慣れた今はスタスタ歩き回って目についたものに触って遊ぶようになりました。

そんな娘は先日、初めておもちゃを取られました。

取った相手は娘より少し月齢が上かな?と思える男の子でした。
当然貸してなんて言えない年齢です。
おそらくおもちゃは認識してるけどおもちゃを持っている人は認識していない。

おぉ、取られたな。さぁ娘どうする?
と眺めていたところ、娘はサッと身を引き私にしがみついてきました。

取られた!えーん!返して!
ではなく、
なんか横から手が出てきた!知らん人がいた!
という感じ。
私が持ってたのに!という憤りは感じられない。
いつそんな感情が出てくるのかな。

男の子のお母さんは当然私に「すみませんすみません」と謝ります。
よかばい、1歳児に社会性なんて期待してないよママさん…という思いを込めて
「いいですよー٩( ᐛ )وアパ-」と笑顔で返します。
広い空間とヨタヨタ歩く幼児とちょっとお疲れ気味のお母さんしかいないコミュニティセンターはとても平和です。


さて、前置きがだいぶ長くなりましたが、毎週水曜日にこのコミュニティセンターに移動式パン屋さんが来るのです。
キッチンカーみたいなオシャレなやつじゃないです。(失礼)
昔ながらの、よく分からん曲を流しながら町内を回るちょっと小汚いやつです。(すごい失礼)

スーパーで売ってるパンに比べると割高です。
でもどれも手作りで、種類も多いし何より
すんごい美味しそう。実際美味しい。

水曜日は午前中にコミュニティセンターへ行って、パン買って帰って食べて、そのままお昼寝という流れが出来てます。

この移動式パン屋が悩ましいのです。
絶対毎回買いすぎる。絶対予算越える。

遊びに来ているお母さんたちはもちろん、コミュニティセンターの職員さんも買います。
で、みんな揃って
「買いすぎたー」「つい買ってしまったー」
って言います。
この手のパン屋に抗う術を私は知らない。

そもそも、パン屋って専門店の存在そのものが反則ですよね?
例えばパン屋に食パンを買いに行ったとして、食パンだけ買って帰ってこれる人、この世にいる?
絶対カレーパン買うやろ。
ただ今焼きたてでーすとか言われたらとりあえず横目で確認するやろ。
あと、私はチョココロネがレギュラーで置いてある店は無条件でいい店認定してしまう。

肉屋に行って肉買いすぎちゃったーはないけどパン屋に行ってパン買いすぎちゃったーはあるあるだと思うのですが皆さんいかがでしょう?

先日買ったクルミパンへの娘の食いつきが尋常じゃなかったので絶対明日も買うだろうな。
うん。買おう。

あー、誰か都会の生活に疲れた人が脱サラして本格パン専門店を開くべくこの田舎に引っ越してきてくれないかな。



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