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13年目に見る日の目

就職してから何度も繰り返した引っ越しもこれが最後だ!と気合を入れて週末に引っ越しました。



めちゃ疲れた。もう引っ越ししたくない。
俺は絶対この家に死ぬまで住んでやる。

と新たな誓いを胸に新居生活を始めました。
いや、まだ段ボールとか全然片付いてないんですけどね。
捨てなきゃいけないものいっぱい。
新しい自治体のゴミ出しルールを把握しなければ。

引っ越し前日にいらない家具はすべて買取業者に引き渡し、ゴミ袋に入らない不用品は車にガンガン積んで地域の清掃センターに持ち込みました。

その結果、最後の夜は机も椅子も何もかもなくなった6畳の畳部屋で、セブンイレブンで買ったおにぎりを車座で食べました。
息子に
 ピクニックスタイルだね(ハート)
と言うと
 わーいピクニックみたーい
とご機嫌でシャケおにぎりを頬張ってくれました。
所詮5歳児。ちょろいものよ。

前日に子どもを寝室へ追いやった後は、子どもが起きるかもしれないとかそういうのは完全無視で詰めれるだけ詰めました。
掃除機だってガンガンかける。


それでも、そこまで準備しても、引っ越しって当日にならないと梱包できないものの方が圧倒的に多くないですか?

起きた瞬間に子どものご飯だけ先に用意して食べさせ、私はパンをかじりつつコーヒーすすりつつ、目についたものを片っ端から梱包し始めました。

梱包しながら外に運び出して、あとはとにかく仕上げの掃除掃除掃除掃除掃除掃除掃除!!!!!

水回りは3日前にまとめて掃除したので軽く拭くだけですが、動かした家具の後や、頻繁な出入りで舞った埃をとにかく一掃しました。



1ヶ月前から引っ越しが分かっていたので、新居に少しずつ荷物を運べたのが本当にラッキーでした。
あとは大型家電がなかったこともあり、結局夫と二人でほぼ3時間で積み終えました。
4年過ごした町を離れる感慨に浸る余韻もなく新居へレッツゴー。

新居に着いたら着いたで、降ろして荷解きして片っ端からなんとなくここに置いておこう程度に片付けて、晩ご飯は手伝いに来てくれた夫の両親を金ヅルにス◯ローに行きました。
ありがとう義理の両親。愛してる。


そして大体の荷物を片付け終えた今日、私は13年越しの些細な夢を叶えました。

13年前、イタリアのローマで買ったお皿。
こいつがやっと日の目を見る日が来ました。

当時はまだ珍しいアクリル樹脂を使ったものです。
今では身近に手に入れられる材料になりましたが、その頃はまだアクリル樹脂を使った日用品はありませんでした。

樹脂の中に本物の植物を入れて形成したお皿。

雑誌で見つけて一目惚れして、店の名前と住所と、最寄駅と簡単な地図だけをメモして行って、それでも分からなくて人の良さそうなマダムに道を聞いてたどり着いたお店。

貧乏旅行だったけどこの店ではケチらない、と決めて行ったイタリアの思い出でした。

全部買って帰りたい!と友達と叫びながら店中の皿を見て回りました。
そして脳内協議で厳選した結果、3枚に絞って買って帰りました。

そんな熱い思いで買った皿を、私は日本に帰ってから使うことはありませんでした。



この旅行で買った自分へのお土産は全て、
 いつか家を建てた(買った)ときに使う
と決めていたものばかりでした。

結婚してもしなくても、絶対に家(またはマンション)を自力で買ってやるという夢が働いてもいないくせにありました。

13年もかかったけど、叶いました。

大きいものにお菓子とか果物を入れてダイニングテーブルの上に置いています。
もう一つは玄関の鍵置きトレイ。
最後の一つはアクセサリー入れ。



13年前の自分に言いたいです。

アンタどんだけ小麦好きやねん。




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