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第10回「アーセナルvsウルブス<マッチレビュー>PL第10節」

こんちゃ!どうも、いったーです。
ELに定着してしまったせいで日曜28:15キックオフが安定になり始めましたね、、、
朝起きてもまだ暗いですもん。冬に足突っ込みつつあるせいか、寒いし。
もう修行僧の身ですよ。リアタイするのきちい今日この頃です。

はーい。乗り気になりませんが、本題に入りますか…

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ホームチーム 
アーセナル(監督:ミケル・アルテタ)
フォーメーション:4-2-3-1

アウェイチーム
ウォルバ―ハンプトン・ワンダラーズ(※以下ウルブス)
(監督:ヌーノ・エスピリート・サント)
フォーメーション:4-4-2(4-2-3-1)

プロローグ

前節、アーセナルは難敵リーズ相手に10人になるものの、最低限の勝ち点1を持ち帰ることに成功したアーセナル。試合終了間際に負傷交代したサカ(イングランド代表)は、軽症で先発起用です。一方、ウルブスは、レスター、セインツ相手に勝ちがなく、そろそろ勝ち点3が欲しいところではあるものの、エミレーツスタジアムではPLで未勝利です。両チーム守備は安定しているものの、得点が奪えず、攻撃陣の奮起が期待されます。

前半アーセナル

〇ウィークポイントのサイドの守備
〇ガブリエル・マガリャンイスの的確なフィード

今回の対戦で守備のウィークポイントであるサイドでの守備とウルブスの最大の武器であるサイドの組み合わせにおいての攻防が見どころの1つでありました。
 特にアーセナルの右サイドは問題を抱えています。前々節vsビラではWGグリーリッシュ(イングランド代表)とSBターゲット(イングランド)にRCBとRWBのスペースを何度も突かれ、失点。前節vsリーズでは、LSBアリオスキ(北マケドニア代表)のインナーラップでハーフレーンを何度も攻略されました。今回のウルブスは両WGネト(U23ポルトガル代表)、アダマ・トラオレ(スペイン代表)、という圧倒的なスピードとスキルを備えた「個」を封じられるかがポイントとなった。被カウンター時に広大なスペースを守るために、SBとCBのチャレンジ&カバーで対応していましたが、SBベジェリンがオーバーラップした際に、スピード不足とされるCBダビ・ルイスのカバーに不安を感じました。

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成功したシーン<34分>
経験から裏打ちされるいいカバーでした。

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危険だったシーン<38分>
ダビ・ルイスのクロス対応の軽さが出てしまった。
 サイドの守備では、人数をかけることも重要ですが、まずはボールホルダーに激しくプレスをかけ、いわゆる「蓋をする」プレーを求めたいです。現状として、SB(特にベジェリン)の対人守備に対して責任のない軽いプレーが散見されるために、RSBには対人のも強く、偽SBもこなせるナイルズ(イングランド代表)も試してほしいです。

プレビューでも言及しましたように、局面を変えるためのロングキックが必要です。実際に、36分のガブリエル・マガリャンイスからLSHサカへの配球では、受け手のランニングを見逃さず、「ここしかない」というコースでした。なかなか、ビルドアップで敵陣深くボールを前進させることが出来なかったアーセナルにとって、大変貴重なシーンでした。最近見られる、敵陣深くに攻め込めないアーセナルからすると大きな飛び道具を得たことになり、今後この武器を使わない手はないでしょう。

前半ウルブス

〇エースストライカー、CFヒメネスの離脱
〇CBコーディ―のキック精度
〇ロングカウンター成立で2点目

 前節に続いて4-4-2(4-2-3-1)を使ったヌーノ監督。思わぬアクシデントに見舞われます。前半早々CKでCFラウル・ヒメネスとCBダビ・ルイスが激突してしまい、両者がピッチに倒れ込んでしまうアクシデントが発生した。特にCFラウル・ヒメネスは、意識不明のまま酸素マスクをしてピッチから退きました。(病院到着時に意識は回復したようです。) 

 ウルブスの深い位置からのビルドアップでは、CBコーディ(イングランド代表)とCBボリー(コートジボワール)を中心として、CMFデンドンケル(ベルギー代表)がCBボリーの付近を彷徨いながら、状況を見て、CMFモウティーニョ(ポルトガル代表)も参加しました。CMFデンドンケルが基本的にミドルサードに移行させるリンクマンの役割を果たしていたため、アーセナルは、OMFウィロック(U23イングランド代表)彼をケアしていました。

 そこでアーセナルがプレスをハメきれなかったのは、CBコーディの存在です。彼の右足から放たれる正確無比なロングフィードにより、狭いサイドから広いサイドへと素早く展開し、ウルブスのストロングポイントであるWGの1on1の局面を創り出しました。彼はLCBであるため、対角線のRSBセメードやRWGトラオレへのパスが多かったです。

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図のような15分、19分、23分と立て続けにありました。

 2点目は完全にウルブスが狙いとするロングカウンターにしてやられました。縦パスを受けたWGトラオレがボールをキープし、2人のマーカーを剥がし、WGネトにギアアップのパスを出しました。その時点で3on3。WGネトはボックス手前までパスを我慢して、角度をつけてシュートまで持っていき、GKレノも弾くのが精いっぱいでした。そのこぼれ球にいち早く走り出していたのがOMFポデンセです。DFが出してきた足に当たらないようにボールを浮かしてかわしシュート。その発想と実行に移すスキルは一級品でした。

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後半アーセナル

〇ぽっかり空いた中盤のスペース
〇ターゲッター不在のクロスの応酬
〇獅子奮迅の活躍ガブリエル・マガリャンイス

 アーセナルのビルドアップは、前節と同じように2CB+2CMFで行われ、同時に両SBを高い位置に押し上げました。CMFジャカ(スイス代表)が2CBの間に落ちる形や、両CMFが2CBの脇に寄る形とありましたが、ミドルサードへはボールを前進させることが出来るものの、ブロックの外側でポゼッションする機会が多いように感じました。

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 特にRSBベジェリンが上がった際に、その裏をケアする意味もあるのかほぼ唯一のクリエイティビティを発揮できるCMFセバージョス(スペイン代表)を右の深い位置に配置しました。ウルブスは門(選手と選手の間)を締めて縦パスをケアしたことに加えて、CFオーバメヤンは楔を受けて、CBを背負えるタイプでもないので、縦パスを刺せず、全く中央からの攻撃は不発でした。完全に中盤や相手の2ライン間でボール受ける人材がおらず、空白のスペースが生まれ、攻撃は停滞。得点の匂いは全くありません。

 中央から全く攻められないあおりを受けて、サイド攻撃からのクロスを選択せざるを得ませんでした。CFオーバメヤンは相手 CBに競り勝ってヘディングからのゴール得意としていないために、その時点でCFラカゼット(元フランス代表)を投入するのが最適かと思いましたが、彼を投入したのは約残り10分の段階でした。

 悲しいことに、アーセナルのDNAであるショートパスの連続からのコンビネーションからは程遠く、あの「モイーズ時代のユナイテッド」を見ているくらい退屈でした。
そのうえ、ニアでクロスが引っ掛かり、PAまでクロスが飛んでもハンマータイプのCFは不在と、踏んだり蹴ったりです。

後半ウルブス

〇代役F・シウバの躍動
〇ヌーノ監督の戦術的引き出しの多さ

 CFのF・シウバ(U19ポルトガル代表)は前半ウルブスの1点目で楔を受けてサイドに展開したプレーや、57分の2列目やWGを押し上げる時間を創り出したプレーはさすがクラブレコードの移籍金で獲得した選手だなと感じました。プレービジョンが明確で頭の中で自身の役割が整理されているのでしょう。守備固めのために、後半終盤で途中交代となってしまいました。
 ヌーノ監督の複数システムを短時間に変更できる手腕、変更に対応できるウルブスの選手の柔軟性とチームとしての練度の差を痛感させられました。

後半途中の交代
① OMFポデンセ→CMFルベン・ネベスによって4-2-3-1から4-3-3へ

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② CF F・シウバ→CBキルマンによって、4-3-3から5-3-2

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と見事な采配でした。サイド攻撃偏重になったアーセナルに対して、ボックス幅を3CB(キルマン、コーディ、ボリー)と横からのボールに滅法強い強靭なCBを並べました。クロスばかりなのに、ハンマータイプCFの不在、2ラインでボールを受けられないアーセナルの攻撃をシャットアウトするのは容易だったでしょう。

「結果」

アーセナルvsウルブス(1-2)

得点者:’27ネト(W)  '30ガブリエル・M(A)  '42ポデンセ(W)

エピローグ

 失点が少なく、攻撃に難があるチーム同士対決ということで、決定的なチャンスというのは数える程しかありませんでした。ウルブスは一撃必殺のロングカウンターで仕留めることが出来ました。また、4-4-2(4-2-3-1)にシステム変更して恩恵を受けたのは、ポデンセとネトです。ポデンセは2ラインで受ける機会が増加し、ボールスキルとクイックネスの特徴を最大限に発揮していたと思います。また、ネトは3トップよりも深い位置からスタートすることでスピードに乗ってドリブルを仕掛けることが出来ました。

  一方で、アーセナルは選手の特性に合わないクロスからの攻撃が多く、ウルブスの脅威になることは出来ませんでした。唯一の明るい材料としてはガブリエル・マガリャンイスで、無敵のデュエル、正確なロングフィードと鬼神となって立ちはだかりました。

 ポゼッションが出来るわけでもなく、プレス強度で圧倒するわけでもなく、何がしたいのが、何を求めているのか少しばかり将来が不安になります。アルテタ監督に託したからには、信じて進むしかありません。今こそクラブへのコミットメントが試される時です。次節はNorthLondonDerbyです。現在の順位にかかわらず、赤白の誇りを体現してくれると信じてます。

それではこのへんで、、、次回は「20-21アーセナル選手紹介CB編」です。

ばいころまる〜

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