二重になる手術を受けた。不思議と行動力がアップし、新しい自分を手に入れた
わたしは41歳で、眼瞼下垂の手術を受けました。
つい先月の出来事です。
まぶたを大きく開けられるように、まぶたの内側にある筋肉を強化してもらいました。一重だったまぶたを二重ラインで切開する手術です。
手術を終えた今、わたしは二重を手に入れました。
5時間にもおよぶ大手術でしたが、受けて良かったです。
人生を変えた出来事を記録したくて、自分で自分にインタビューして記事にしました。
きっかけは「目線が低い」と言われたから
――いつ頃から眼瞼下垂の手術を受けたいと強く思ったのですか。
手術を考えはじめたのは、2年前でした。
わたしは、趣味でトランペットを演奏します。小学3年生から、人生の半分以上をトランペットとともに過ごしてきました。演奏年数が増え、簡単な譜面であれば渡されてすぐ演奏できるくらいには吹けていたのですが……。
2年前くらいから、譜面が見えにくいなと感じるようになって。
眼瞼下垂のため、まぶたが瞳を覆ってしまう。これだけではなくまつ毛も視界に入ってくるため、五線譜上の音符がダブって見えるようになってしまったのです。
――それまでできていたことが、できなくなってしまったと。
そうなんです。
「ラ」と「ド」の区別がつかない・譜面が滲んで見えるなどの症状があり、譜面が目の前にあるのに演奏ミスが増えました。それで、ちかいうちに手術を受けたいなと思うようになったのです。
眼科に相談するきっかけは、実はほかにあって……。
――手術を選ぶきっかけは、楽譜の見えにくさだけではなかったのですね。
2024年の春、とあるオンライン会議がありまして。そこで、同席していた方からこう言われたのです。
「おさないさんは、目線が下に行きがちですね」
このセリフは、自分にとって結構ショックな言葉でした。
――どういう風にショックだったのですか?
オンライン会議をする中でときどき、相手に見えている自分の姿を想像して、あえてインカメラを見るようにしているつもりだったんですよ。(何で?自分では目線を上げているつもりだったのに……)
目線が下がった印象を与えていたことに気づかされ、ショックでしたね。
――なるほど。
オンライン会議が終わって、自分が冷静になったときにいろいろ考えたんです。わたしのまぶたが下がっているから、下を向いているように見られたり目つきが悪く見えたりするのだなと。
自分が理想としている目線の高さを実現したい。この想いが決定的となり、眼科に相談しようと決めたという流れです。
見た目を気にしないようにしていた過去
――段階を経て、手術を選ばれたのですね。これまでにご自身の見た目、特に目元を気にされていたんでしょうか?
目線に関しては、他人から指摘されて現実を受け入れました。ただ指摘されてないときも、本当は見た目を気にしていたんです。 生活に支障がなかったため、気にしないようにしていたというのが本心かもしれません。
パートナーには手術を受けたいこと、楽譜が見えづらいことを自然な流れで伝えていました。
――そうだったんですね。ちなみに、アイメイクは今までどうされていましたか?
20代は、一重なりに目元を大きく見せるためにアイラインやマスカラをつけていました。当時はまだ眼瞼下垂がひどくなかったので、アイメイクもやりがいがあったんですよ。
ところが30代に入りまぶたが少しずつ下がってきて、自然とアイメイクはやめています。マスカラを一切つけなくなったおかげで、まつ毛がふさふさで長くなりました(笑)。
形成外科で挙筋腱膜前転術を受ける
――術前・術後で大変だったことがあればお聞かせください。
そうですね。最初は、地元のかかりつけ眼科に相談しました。
わたしが過去に外斜視の手術を受けていたことと、ミトコンドリア病という筋力低下などの症状がある難病であることから、最終的に大きな総合病院の形成外科で手術してもらうことになったんです。
隣県の総合病院でしたので、毎回通うのが大変でしたね。
ほかには、手術が長丁場となり5時間もかかったことです。手術終盤は、涙がボロボロ流れてきますし、お腹もすいてお昼ご飯のことしか考えていませんでした(笑)。
昼食は冷麦にスイカなど、なんとも夏を感じさせるメニューばかりでした。美味しかったです。
――まぶたを縫合した状態で手術は終わったんですよね。抜糸後、あらためてご自分の目元をみたときの感想を教えてください。
抜糸した日は、お会計を済ませてiPhoneのインカメラで目元をガン見しました。腫れていますし内出血もあったのですが、本当に自分が二重になっている事実にニヤつく感じはありましたね。
新しい自分との出会いですよ。ここから新しい人生のスタートラインに立ったんだなと、清々しい気分でした。
「やってみる、やっちゃうマインド」が開花
――実際、手術を受けてよかったと思いますか?
そうですね、手術を受けて良かったです。
新しい自分になれたことで、行動力が上がったんですよね。例えばゲームの世界でいうHPが増えたような感覚。パワーに余力が生まれ、心にも余裕が生まれます。
苦手な入浴を後回しにしなくなりましたし、同じく苦手な洗い物も積極的に片付けたいとマインドに変化がありました。
――良い方向にマインドが変化したのですね!
術後まぶたが上がるようになって、今まで逃げていたことに対して、「やってみる、やっちゃうマインド」になれたのは自分でもびっくりしています。視界が広がるだけで、行動力がアップするのは予想外で。でもうれしいことですね。
手術では大変な思いをしましたが、手術する道を選んで良かったとあらためて思います。
これからやりたいこと
――二重になった今、やりたいことはなんですか?
二重になって視界が広がったので、トランペット演奏を再開したいです。まぶたの腫れが完全に引くまで2ヶ月ほどかかるのですが、すでにまつ毛が上向きなので楽譜がよく見えるんです!
「ラ」と「ド」の区別もつきます(笑)。
――良かったですね!ほかにもやりたいことはありますか?
はい。今までは写真撮影で目を瞑っていたので、これからは目をパッチリ開けて写りたいと思っています。まぶたの腫れが引いたら、アイメイクにも挑戦したいです。
ちょっとしたことかもしれないですが、わたしにとって楽しみなことばかりで。視界がひらけただけでなく、心が明るくなったのは想定外でした。素直にうれしいです。
自分で自分にインタビューすることは、はじめての試みでした。自分で自分を深掘るのは難しく、しかし楽しくもあります。
なかなか踏み切れなかった眼瞼下垂の手術でしたが、終わってみればワクワクすることが起きて毎日が新鮮です。
41歳で受けた手術。 保険適用だからこそ受けられたという面は大きいです。
もし、眼瞼下垂で悩んでるという方がいたら、病院で相談するだけでも人生に大きな変化が訪れると思うので、少しでもこの記事が参考になれば幸いです。
インタビュー・執筆:おさないあきこ
編集:おさないあきこ
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