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『足ることを知る』を考える

『足ることを知る』

皆さん、この言葉知ってますか?
有名な言葉なので知っている方も多いでしょう。

私もとても好きな言葉です。私はミニマリストを目指しているので、家の中を整理して者を手放すときなどにはこの言葉が後押しをしてくれます。

この言葉は有名な仏教の教えや、老子の言葉「知足者富」に由来します。この言葉は、自分の持っているものや現状に感謝し、欲望を抑えて満足することを知ることが、豊かで幸せな人生につながるという意味を持っています。

日常生活においては、「もっと欲しい」「これでは足りない」という欲望にとらわれず、現状を受け入れる心の持ち方を大切にするという考え方として捉えられていますね。
深い哲学的な意味が込められており、多くの人にとって幸せの鍵となる教えとも言えるんじゃないでしょうか。


ただ、自分はこの言葉は使い方を誤ると自分を陥れる言葉にもなると思っています。

「足ることを知る」は、確かに大切な教えであり、感謝や満足感を育むのに役立つ一方で、行き過ぎると成長や挑戦を阻む可能性があります。

以前自分が仕事上ちょっと気力がない部下に「何かやりたいことないの?もっとこういう人間になりたいとか、こんなことやってみたいとか、そういうのない?」
みたいな事を聞いたことがありました。
それに対して「いや〜別にないですね。」
「…そっかぁ」みたいな会話をしてしまったことがありましたが、その最後に
「『足ることを知る』って知ってます?」と聞き返されたことがありました。
この時はその辺で会話が終わってしまったのですが、この時に私がこの人から感じたのが、この『足ることを知る』という言葉に逃げてるなということでした。
もちろん私の主観なので、この人は本当にこれでいい!今が一番幸せだと思っていたかもしれない。本当にそれでいいのかもしれない。

でも仮にこの言葉を知らず知らずのうちに逃げる言葉として使ってしまっているのであれば危ないなと…

「足ることを知る」には2つ落とし穴があると思っています。
この言葉を過剰に捉えすぎると

1. 成長の停止
現状に満足しすぎることで、「今のままでいい」と新しい挑戦や目標設定を避ける言い訳になりがちです。これは、個人の成長や進歩を鈍らせる要因になる可能性がある。

2. 諦めの美化
本来、もう少し努力すれば得られるものや解決できる問題があっても、「足ることを知る」を理由に、努力を放棄する口実になる場合がある。

こんなところでしょうか。
いい言葉だけど逃げる材料にもなりかねない。


重要なのは、この言葉を「現状を受け入れる力」と「未来への意欲」の両方を保つための哲学として活用すること。そのバランスの取り方が上手くならないといけないですね。

「足ることを知る」は、現状を受け入れつつ、そこから未来に向けて何ができるかを考えるきっかけにすると良いのかもしれません。
上手く付き合っていきましょう🍀

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