伊坂幸太郎『逆ソクラテス』を読んで(859文字)
高校のとき付き合っていた人に勧められて読んだ、『残り全部バケーション』が多分伊坂作品の最初の一冊。
当時、兄も伊坂幸太郎にハマっていて、読んでいるとこれもあれもと勧められたが、謎の反発心から一切読まなかったのが記憶に残っている。
けど、一昨年くらいに「アイネクライネナハトムジーク」が好きな俳優の三浦春馬主演で映画化されるとのことなので事前予習も兼ねて、4.5冊は読んだ。
つまり、伊坂作品はこれで7冊目くらい。
私の中で、伊坂幸太郎というとエンタメと教科書的なテーマの提示のバランスが心地いい作家というイメージ。
何が言いたいかと言うと、読後感の爽快さとか文章の軽快さ、物語のワクワク感言うまでもなく最高で、そこに王道的なテーマだったり、ついついTwitterで呟きたくなるような心のに残るセリフが散りばめられていたりする。
つまり、老若男女、どんな人にも勧めやすい作家だと思っている。
そんな伊坂先生の『逆ソクラテス』が本屋大賞にノミネートされたので読んだ。
爽快、痛快、そして最高。
あらすじは読んで欲しいから書かない。
ただ、私はこの本は社会人に読んで欲しい!!
特に、社会人3.4.5年目くらいの人達に買って欲しい。(別に人に借りてもいいし、なんなら会社に一冊貸出用に買って置いて欲しい)
私の勝手なイメージだと、社会人生活にも慣れ、会社でも後輩ができ少し生活に余裕の出てくるのがそのあたり。
余裕が出ると悩み始めちゃうのが人間。
ただ、あんまり相談できる人もいないから、ちょっとしんどくなったりするかなもこのあたり。
そんな人達に、是非読んで欲しい。
世の中の理不尽さ、常識、世間体に無垢で真っ白な小学生達が彼らにしかできないアプローチで望む姿には勇気が貰える。
悩みを答えを出そうとする思考に変えてくれるヒントも沢山つまってる。
そして何より、社会を知らず狭い世界で精一杯生きていた"あの頃"の自分をもう一度見つめ直すきっかけをくれる。
この本を読んだ後の爽快はこの本でしか味わえないです。
さすが、伊坂幸太郎というしかない一冊。