台湾へ、自殺寸前だった女の一人旅⑬8日目_台東・花蓮2/3
こんにちは
自殺寸前だった私が、台湾旅で得たものを書きます。始めての方は序章を参照ください。
今回は、8日目の後半。台東から台鉄に乗って、花蓮に移動。花蓮では、自転車で町を駆け巡ります。
行った場所:
台東・花蓮
食べたもの(旅も後半で食べ物が段々ごちゃごちゃしてくる):
正宗包心粉圓(かき氷)、小籠包
体験:
花蓮で自転車、松園別館の2階で海をずーと眺める、周家蒸餃で一人小籠包
Hostelにて自転車を手に入れ向かうは、町を散策
花蓮の町は規模がちょうどよくて移動がしやすいです。
有名なかき氷屋さんやお土産やさん(ゴマ団子や、ラスクが有名)が並ぶ通りを勝手にメインストリートと呼んでいます(本当はもう一本横がそう)
そこで、通り過ぎて引き返して思い出したかき氷屋さん、父と来て、2つのお店を食べ比べしました。
有名なのが、焦がしかき氷。豆花やタピオカなどの具の上にかき氷が乗っていて、それを軽くバーナーで炙っていて、見た目がメロンパンみたいになっています。
これまた、2店喧嘩別れしたお店が隣り合って並んでいて、たしか、どちらかが本店で美味しくて、もう1店は残念な味だったはず。検索している暇も惜しいため、勘でお店に入りました。
これが残念、間違えで残念なお店の方だった。だいたい、若者が入っているお店は新規店で、地元の方が入っているのは老舗だったりしますよね。
でも、美味しくいただきました。
旅も長くなってきて、昼ごはんなのかおやつなのか、胃袋の中が諦めてきます。生きて入れればいい。
かき氷を食してから、やっと改めて松園別館を目指します。
松園別館は、町の中心地から10分ほどの高台にあります。
日本統治時代、日本の将校が滞在していた場所を、地元の方々の有志でこれまで丁寧に保存されていました。今では、空き部屋がコミュニティスペースのようになっていて、ヨガや書道教室も催されており地元に溶け込んでいる。
少し高台に上っただけで、眼下には、花蓮港と街並み、海が広がります。
風が優しい。
松園別館には、それは特攻隊が出発前に盃を酌み交わした部屋も残されており、私はどうしてもそこに入ることができませんでした。
庭には、白い花弁の小さな花が咲き、風に揺れます。
2階の一人掛けソファに身をしずめ、外の景色を眺めていると、父と廻ったときの風景が浮かんできました。
父も私も自由気質で、ゲートから入ったとたん、左右に分かれ勝手に動き回るので会うまで一苦労。私が2階から庭を眺めると父がいて、私が庭に降りると、父が2階の窓辺にいるなんてコントじみたことがありました。
あんな得がたい時間は、過ぎるともう二度と、本当に二度と起きることはなく、そして、今の旅の、この小さな小刻みの大切な瞬間も今だけのもので、
でも、その瞬間瞬間の移ろいが人生なのかなぁ、と思ったり。
特攻隊の人も、将校(ここで終戦の知らせを聞いて切腹未遂したらしい)も、どんな気持ちでこの海風をうけていたのかな
いつまでも、センチメンタルに浸っているわけにもいかず、松園別館の美しい景色に別れを告げ、町に戻ります。
やっとお腹がすいてきたので、16時ぐらいだったけど早めのごはん。
花蓮は名物が沢山あって、自転車でぶらつきながら迷って彷徨っているうちに、有名なお店にやってきました。
「周家蒸餃」
ここは小籠包が有名です。小籠包と言っても、日本でよく知られている薄皮がたぷたぷ揺れていて肉汁が滴るものとは違い、肉まんの小さいものVerみたいなの。しかも、10個単位で売っているので、一人で食べていると、まるでフードファイトをしている気分。私は細身の方なので、まるで大食い選手になった気分で心を無にして、しかし味わっていただきました。
まだお夕飯前の時間だったので、お店の外の行列はほとんどがテイクアウト。大人しく並んでいると、店のスタッフのお兄ちゃんが「内用(店内飲食)はいるか?!」と大声で叫ぶので、はーいはーいと必死に手をあげて中に入れてもらいました。
「何食べたいんだ?!」と忙しい時間帯のモードで聞かれ、小籠包と酸辣湯を頼むと、「おまえ外国人か?!」と聞かれたので、はい日本人です、と大人しく答えます。こっちにこい!ここ座れ!これが箸でこれがお皿でこれが調味料だ!とぶっきらぼうな扱いと反比例するかのような丁寧な接客。
田舎のこういう接客が好きなんです、ぶっきらぼうだけどやることやってくれる、たまらん。
美味しかったです、ありがとうございますです、と伝えると、うむまた来いよ!バイバーイ!ってして、また怒涛の夕飯時接客をされていました。
あぁ、人間関係の距離感ってこれでいいんだな、と花蓮の包子屋のお兄さんから学ぶのでした。ほー、と自分でも不思議に腑に落ちた。
コミュニケーションはシンプルでよくて、
例えば、「AかBか?」と聞かれ「A」もしくは「Cがいい」でいいのに、
気にしすぎの私は、「AもいいがそれにDとEを足して割って、B
も入れたらCになるのでは?」と、本音はCがいいくせに、遠回りする癖がありました。台湾の友人にも言われたことで、Cでいいんだよ、Cが嫌なら嫌っていうから。
どれだけ、インスタやユーチューブで、自己啓発や人間関係の記事を読んでインプットしても、結局分かっていなかったことが、旅を通して、ふと、ピースがはまったように分かるのでした。
人に嫌われたくなくて、小さな小さな嘘をつくこともあったし、それって逆に人間関係を遠回りにさせちゃうんですよね。
シンプルシンプル。
小籠包のお味はとっても良くて、一生でこんなに粉ものを摂取したことはないというぐらい、一人10個の肉まん消費はきつかったけど、
それに、鬱がひどいときは食べれなくて、身体は生きることを拒否してるんです。今は、パクパク食べれました。
花蓮が大好きなので、まだ続きます。
一度宿に戻ってから、夜市、そして夜の花蓮の町を自転車でめぐります。
花蓮は夜もあったかくて、一周の最後がこの町でよかった。
読んでくださってありがとうございます。
ご飯食べれる人も食べれない人も、食べ過ぎちゃう人も、そのときそのときの体が求めていることなので、そうだよねーぐらいの受け止め方で。
私もまだ食欲は不安定ですが、しょうがない。