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名作『エースをねらえ!』から学んだこと【お蝶夫人編】

[ネタバレあり]

『エースをねらえ!』は
昭和世代でなければ知らないと思います。

1970年代に
テレビのアニメで放送されました。
今でも主題歌が歌えます。

ただ、原作漫画を
読んだことがありませんでした。

先日、友人から全18巻借りて
あらためて読んだら
感動の嵐でした。

50年も前の漫画なのに
今読んでも色あせない
愛と青春と成長の物語

こういう作品を
名作と呼ぶのでしょう。


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今回、主人公の岡ひろみではなく
竜崎麗香りゅうざきれいか、通称「おちょう夫人」の
生き様に注目しました。

「エースをねらえ」を知らない人のために
ざっくり説明しながら進めます。
(知っている方は前半はサラっと読んでください)


***


お蝶夫人は
才色兼備でテニス部の華
岡ひろみたちの憧れの存在

自分に慕ってくる岡ひろみを
お蝶夫人は妹のように
かわいがって目をかけていました。

ところが、その関係は
新しくテニス部コーチとしてやってきた
宗方仁の登場で
ガラリと変わります。

テニスが下手でどんくさかったひろみを
選手に抜擢ばってきし、
宗方コーチが特別訓練を始めたからです。

ドラマやマンガによくあることですが、
ひろみは、テニス部女子全員を敵にまわしてしまい
いじめや嫌がらせにあいます。

お蝶夫人も、自分を差しおいて
コーチから特別扱いされるひろみに
激しい嫉妬心を燃やします。

ひろみは、孤立し、泣きながらも
鬼コーチの厳しい訓練についていきます。
そしてどんどん能力を目覚めさせ
強くなっていくのです。

その様子を見るうちに
お蝶夫人は、ひろみのことを
認めるようになります。

完璧そうに見えるお蝶夫人にも
嫉妬をしたりする
人間くさい一面があったことに
親近感が持てました。

お蝶夫人も、人として選手として
苦しみ悩みながら、葛藤し
憎み切れないひろみへの複雑な想いを
昇華していく姿が尊いと思いました。


ある日
学生チャンピオンであるお蝶夫人が
全日本ジュニアメンバーの選抜選手を
降りようとしたとき、
日本庭球協会理事の父親から
止められます。

そして
「宗方君が岡ひろみの育ての親なら
生みの親は、麗香、おまえだよ。」と言われ、
ひろみを生んだのが私ならば、母になろう
と、決心するシーンも胸が熱くなりました。

それまで、お蝶夫人は
ひろみをダブルスのペアと決めていたのに、
世界トップランキング選手のジャッキー・ビントが
ひろみとダブルスを組みたいと申し出たときに
世界へ出るひろみのために身を引いたのです。

それどころか
ジャッキーとのダブルスを成功させるために
影で尽力するのです。


そんなころ
尾崎と海へ行き、荒波を見つめながら
怒りも嫉妬も憎悪も
海のように消してくれるだろうと思う
名シーンも忘れられません。

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《心を打つ お蝶夫人の名言》


その1:14巻
プレッシャーのかかる試合の前に電話で

勝とうとすることなどなくてよ
ひろみ
あなたのプレイをすれば
よろしいのよ
「この一球」!
つねにそれだけで
よろしいのよ!

このあと
お蝶夫人が心の中で言った言葉

"これがあなたとのダブルスよ、ひろみ!"


く~!しびれるう~
お蝶夫人の器の大きさと
愛情が伝わりました。

***

その2:16巻
深く悩んでいたひろみに
会いに来て言ったこと


「わたしがやる」とか
「わたしにならできる」とか
いつも自我が表面に出る者は
頂点には登り切れない

天才は無心なのです

近ごろやっとあたくしにも
わかりかけてきたことです

一目で天才のごとく見える人は
すでに真の天才ではない
一目では天才と見えない天才こそが
真の天才なのです

あたくしはだめでした


***


岡ひろみは「努力の天才」だと言えます。

宗方コーチに才能を見出されても
昭和のスパルタ特訓に
ついていけなければ
それで終わりです。

ひろみは泣きながらも
ひたすらに、ひたむきに
自分のテニスを追求していきました。

→つづく・・・



1回ではおさまらないので
次は、宗方コーチと藤堂さんに、焦点をあてて書きます。



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※『エースをねらえ!』(山本鈴美香・作)は
  1973年(S48)~1980年(S55)
 「週間マーガレット」に連載されました。
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