🍀共に生きる・２

今まで私の人生で
このキーワードを受け取ったのは3回

１回目は
「共に生きる・１」で書いた
中学時代の熱血K村先生からの言葉

今回は２回目の話


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私は、20年以上前
栃木県のアジア学院（Asian Rural Institute）というところで
住み込みで長期ボランティアをしていたことがある。


アジア学院のモットーが
「共に生きるために」
だったのだ。

アジア学院のモットー

ホーム - アジア学院

この場所を作ったのは、故・高見敏弘氏

農と食を通して世界の貧困を無くすために生涯を捧げた
アジア・アフリカの農村指導者育成のために尽くした功績が認められ
フィリピンのノーベル賞とも言われるラモン・マグサイサイ賞を受賞

アジア学院では
宗教も言葉も文化も違う
アジアやアフリカの人たちが集まって
１年間、有機農業や農村開発について学ぶ。

貧困を救うために
真っ先に必要なもの

それは「食」

食べ物を自分たちで作れれば
誰も飢えることがない


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食べ物は、ほぼ全て自分たちで育てる。
（補えないものは最低限、購入）
米、野菜、牛や豚、鶏の卵、魚など
生きるものから
"命をいただく"ことを 実感する日々。

有機農業を学ぶのは
化学肥料や農薬に頼っていたら
生態系が壊れ、動物も人体にも悪影響があるから。

彼らが大国から搾取されず
自立するためにも必要なこと。

そもそも自然がなければ作物は育たない。
だから、人間が全部食べないで
虫が食べる分もちゃんと残しておく。

アジア学院は
SDGsが叫ばれるずっと前から
持続可能な世界を目指してきた。

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彼らのことを
学生でもなく研修生でもなく
パティシパント（参加者）と呼んでいた。

共通語は英語だが
日本人ボランティアも
皆が英語が堪能なわけではない。
自分たちのコミュニケーションツールとして
ARIイングリッシュと呼んでいた。

職員は英語が堪能で
座学の授業や農作業は
全て英語で行われていた。

ボランティアは
彼らの学びを支えながら
共に学び、成長させていただく。

そこで、私は最初のころ
彼らに日本語を教える機会をいただいた。
支援者も招かれる開講式で　
日本語で挨拶のスピーチができるぐらいの
サバイバル・ジャパニーズだ。

１年後、彼らは母国に帰り
地域のコミュニティーのリーダーとなる人財。
共通言語さえあれば
日本語は必要最低限でいいのだ。

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１人１人が自主的に参加し
お互いに分かち合う
平和で安心なコミュニティー

大勢が共に生活するためのルールもあり
ときには、衝突することもあった。
そのときは、とことん話し合った。

涙あり、笑いあり、多くの思い出がある。

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中には、ストレスで
顔面神経痛になってしまった
ミャンマーから来た Oさんもいた。

彼の姿を見て
異文化に身を置くことのストレスは
相当なものだったのだろうと思った。

しかし、帰国前に
最後にギターで自作の歌を歌ってくれた時
ああ、この人はもう大丈夫だと
心から感動し安心した。

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それから、突然大病になり
母国の家族の元へ帰り
間もなく逝ってしまった
エチオピアの Gさんもいた。

アフリカでは
兄弟の一人がよく学び
その後、一家を支えることがよくあるそうで
彼はその家族の期待を一身に背負っていただろう。
とても明るい人だった。

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たった１年だったが
本当にいろいろなことがあった。


私は、パティシパントやボランティアの仲間と
寝食を共にし、濃い時を過ごした。
そして、日々のスナップ写真を撮りまくった。
かけがえのない想い出

朝のルーティーンも懐かしい

眠い目をこすりながら、皆でラジオ体操をして
それぞれ、ファーム・ワーク（農作業）
朝の ひと仕事を終えた後、皆で朝食
そして、モーニング・ギャザリング（朝礼）

毎日一人ずつ交代して
自分の想いや気づきなどをシェアした。

いろいろな文化や価値観があり
日本にいても異文化体験
小さな多文化共生社会だった。


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そこは今思えば
違いを認め
お互いを尊重しあう
安心安全な場だった。

ちょっと拗ねたりしても
笑って許してくれた仲間たちがいた。
大きな家族のようだった。

もう、当時の同じメンバーが集まることはできない。

そのころのボランティア仲間とは
今でも友達だ。
離れていて、何年かに一度会うだけでも
またすぐ気兼ねなく話せる。


🌎世界中にいる
アジア学院の仲間たちも
同じ空の下、それぞれの場所で、がんばっているだろう。


そう思うと勇気が湧いてくる。

稲刈りはみんなで

会えなくても
私たちは
共に生きている。





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補足：アジア学院は今年５０周年を迎えるそうです。

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