逃げたい現実
十二国記。
この物語はただの物語ではない。
この物語を通して現実世界でも通用する
指南を受けているような気持ちになる。
Episode4
『風の万里 黎明の空』を読んでいるのだが
突き刺さる言葉が多いのだ。
このエピソードは3人の女性の物語が主軸に
なっていて、特に鈴、祥瓊(ショウケイ)の
物語がいい。
自分の境遇を憐れんで、他が自分を理解してくれないことへの恨み辛みを、間違った思い違いを、
正面からそれは違うと厳しいながらも
相手を教え諭すシーンから考えを正し、
前を向いていくところはぐっとくる。
自分を守ってしまう愚かさは
人間誰でもあるし、特に若い頃経験している。
なんだったら今も。
良かった頃を思い出して、何故今はと嘆き悲観すること。自分に非はない、何故理解しないのだと怒ること、恥をかきたくないと、辛い現実から逃げるのは『楽』だ。
でも向かい合ってくれる人と巡り会えたとき、
多くの失敗から学べたとき、
本から学びを得たとき、
人はまた一歩踏み出せる。
きっとまた忘れてしまうことも
あるかもしれない。
それでもマイナスの経験値は
決して無駄ではない。
苦しくても自分と対話し続ければ
いくらでもやり直せる。
答えはとても簡単だったりするのだ。
近道ではなく。大いに遠回りをしている人生。
それでもいいのだと思わせてくれる。