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南紀熊野 奇岩巡り④「熊野那智大社」・「青岸渡寺」
「那智の滝」を堪能した後、私たちは徒歩で「熊野那智大社」と「青岸渡寺」へ向かいました。
どちらも地図上では「那智の滝」のすぐ近くなのですが……長い階段が折れ曲がりつつずっと続き、上っても上ってもたどり着かない……。
果てがないのかと思うほど上った先に、やっと「熊野那智大社」の鳥居が見えてきました。
「熊野那智大社」
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鳥居の上には小さな馬の雲が。「お疲れさま」と言ってくれているようで嬉しかったです。
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「熊野那智大社」の主祭神は熊野夫須美大神(くまのふすみのおおかみ)。「ふすみ」という言葉は「むすび(結び)」に通じる意味を持つため、「結びの宮」として人のご縁や数々の願いごとへのご縁を結んでくださる、そんなご利益があると言われています。
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境内社「御縣彦社」におまつりされているのは八咫烏(やたがらす)。
神武天皇東征の折、道案内をした三本足のカラスです。勝利へと導く神様の使いとして、サッカー日本代表のエンブレムにもなっています。
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樹齢850年と伝わるご神木の樟は幹が空洞になっていて、中をくぐることができます。護摩木を持って通らせていただき、家内安全を祈願しました。
「青岸渡寺」
「青岸渡寺」は「那智大社」の境内から門を一つ隔てただけのお隣さん。
もともと那智山は「那智の滝」を中心とした神仏習合の修験道の道場で、「青岸渡寺」と「那智大社」に分かれたのは明治初期だそうです。
でも、門のこちらとあちらの空気感はまったく違っていて、それがとても興味深かったです。
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「青岸渡寺」の御本尊は如意輪観世音菩薩。西国三十三所の第一番札所でもあります。
どっしりとした本堂は年を経てくすんだ木の色が美しく、落ち着いた雰囲気が漂っていました。
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帰り道も当然のことながら下って下って下って……。少し日の傾きかけた参道の階段にはいつの間にか人の姿がなく、私たち家族だけが残されていました。
(~「那智駅」へ続く)
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