【出版の夢】note断念からkindleでの挑戦、そして紙の本の出版。
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紙版(ペーパーバック)もあります(各冊約250ページ)。
(上巻:2800円、下巻:2900円(税込))
※事前に論理立てず、その時の思うがままに書いています。時系列順に綴っているはずですが、所々支離滅裂なところがあるかもしれません。ご容赦くださいませ。
① 動機
私は高校時代に自作の歴史ノートで世界史の学習を進めることで、定期テストでは学年1位を独占していました。
ちなみに、わざわざ市販の教材を使わずに自作したのは、ある程度のレベルになると、丁寧に説明してくれる教材はなく、淡白な用語集を使って学習するほかなかったからです。
そんな、淡白な用語集のレベルまで対応した学習用教材を自作して、現にある程度の成功を収めていたものですから、「これを世に出したい」「自分独自の構成がどこまで通用するのか試してみたい」と思い、このノートを出版したいという思いを胸に秘めていました。
ちなみに、他社出版との具体的な違いとしては、
①タテの流れ・ヨコの繋がりの意識
②統治者毎の整理法(「誰が」したのか)
③因果関係の重視(思考力への対応策)
④私大対策に充分な7000用語が無理なく暗記できること
となりますが、詳しくは後述する記事をご覧ください。
② noteで世界史の学習法の記事を公開
そういうわけで、とりあえず、友人のお勧めで始めたnoteにて、まずは、自分なりの世界史の学習法を公開してみることにしました。
これが想像以上に伸びました。具体的には1,000PV超え。noteを始めてから1か月未満であり、だいたい20記事目のタイミングです。さらに、ありがたいことに、当時50スキぐらい頂きました。
その上、その記事は、現在でも301記事しか収録されていないnote公式のマガジンにも採用されました。
そんなわけですから、実際、凄い勢いで伸びていくダッシュボードを数十分おきに見てしまうぐらい嬉しかったですね。
これにより、自分のノウハウが認められたように感じ、自分独自の学習法は間違っていないのだという自信が得られました。
ただ、同時に以下のようにも感じていました。
『いかがでしょうか。これが私が世界史を学ぶ上で獲得したテクニックです。私はこれらのテクニックを基に自分のノートに歴史をまとめ上げ、世界史を大得意にしました。個人的にはあのノートを出版したいとも思いはしたのですが、如何せん自費出版するまでの勇気もない、しかしながら、高校生・受験生のみなさんには私の経験を生かしてほしいと思い、ここにまとめ上げて紹介しました。
最後までお付き合いいただきありがとうございました。読んでくださった方々の成績が少しでも向上することを祈っています。』(強調表記のみ改変)
これは先ほどの記事から引用したものです。そうは言いましても、出版社に持ち込んだところで知名度のない私は相手にされないでしょうし、自費出版するとなると、50~80万円ほど費用がかかるそうですから、正直なところ、社会人になってからすべきことかと思っていました。
③ noteでの出版へ
そうこう言っているうちに、世界史の勉強法を紹介した記事を公開してから1年が経ちました。この頃、私がフォローしている幾人かのnoterさんが有料記事の販売と開始していました。
それを見て気づきました。私もnoteで販売すれば良いのだと。
ちょうど8月上旬、色々とむしゃくしゃというか、悔しいというか、もどかしいというか、胸が痛いというか、とにかくそんな感じの出来事があり、学生の本分たる法律学が全く手につきませんでした。
そこで、そうやって漫然と時間を過ごすぐらいなら、いっそのことチャレンジしてみようと思いました。
行ったこととしては、手製ノートをwordに文字起こしし、必要に応じて加筆修正し、最後にそれをPDFに変換すること。
毎日最低10時間、つまるところアルバイトをしている時間(週7日×3時間)以外はずっと作業に取り組んでいました。寝るときに最適な章の構成を考え、朝起きたら以後、それをwordに起こす。そんな毎日の繰り返しが8月いっぱい続きました。
ただ、高校時代に感じた歴史を学ぶ楽しさが自分の中によみがえってきて、作業自体は全く苦痛ではありませんでした。やっぱり、文学部歴史学科に進学すべきだったのかと思ったぐらいです。
④ 挫折、その原因とは
そうして作成した世界史プリントを、私の自作ノート通りの赤シート対応版だけでなく、新たに書き込みができる穴埋め版を用意し、まずは第1編(古代)を発売しました。
(kindleで独占販売としたため、現在は削除済み)
値段は、全7編で完結予定で、一編定価300円。ただ、拡散力がないと思ったので、RTをして頂ければ半額の150円としました。
私としては、元々の自作ノートを作成するのに、高校時代、下調べの除いても4000時間はかけていますし、さらに、編集・修正作業に300時間かかりましたから、各編2万字毎に300円ならばまあ妥当かと思っていました。
ただ、世間の評価は厳しく、鳴かず飛ばず。
はっきり言いましょう。1部も売れませんでした。
(noteの規約上、既売部数を公表することで購買を煽るのはダメだったかと思いますが、全く売れなかったことを明かすのはダメではないと理解しています。ただ、もし数字を出すのがダメであれば、公式さん、書き替えますので本記事を消さないで下さい。(__) )
私が考えた原因は3つあります。
まず、自分自身に拡散力がないこと。noteというプラットフォームは炎上しにくい分、他のSNSに比べると、拡散力も低いです。それにも関わらず、私の広告手段はnoteしかありませんでした。
そこで、新たに世界史用のツイッターを開設し、世界史の一問一答をつぶやきつつ、時折宣伝することで興味をもってもらうことを試みました。
ただ、当然、一朝一夕でどうにかできることではありません。そのため、何もしないよりも宣伝することはできましたが、抜本的な解決には至りませんでした。
同様に、自分がnoteに記事をする度、記事の末尾に世界史プリントの宣伝を行っていましたが、焼け石に水でした。
また、平時、法学部記事ばかり投稿している人がいきなり世界史プリントを発売したからといってそれを買う気になるのかというものです。
当たり前のことでしょうが、同じ商品(例えを車としましょう)をセールスするにしても、近所のおじさんからいきなり「買わないか」と聞かれるのか、車専門のバイヤーから勧められるのかで信頼度がまるで違うと思います。
まして、大手の看板を背負っているのかそうでないかで世間の評価は全く異なるでしょう。
そのため、ただの一個人たる私が販売したところで、出版社には勝てないのだと、当たり前のことを痛感しました。
ただ、結論としては、私はAmazonにて販売をすることとなります。その背中を押してくれた、私が考える原因としてnoteユーザーの年齢層にあります。
他記事でも述べましたが、noteのユーザーの年齢層は比較的高めだと、私は思います。実際、同じSNSでも、noteを見ているという高校生は聞いたことがありません。
そのため、ターゲットとする層に本媒体ではアプローチしにくいのではないか、逆に、その頃Youtube動画を通じて知ったkindleならば、そのデメリットの影響を受けないのではないかと思いました。
単なるプリントではなく、本を出せるという個人的な欲求も味方して、9月に入ってから、心機一転、kindleでの出版を目指して取り組み始めました。
⑤ kindle出版の大変さ
ところで、kindleとは何でしょうか。簡潔に説明しますと、Amazon社が提供する電子書籍サービスです。
私としては、note用の原稿をコピペすれば終わりかと思っていました。しかし、kindleはそう甘くありませんでした。
まず、意識して編集しないと、文字ずれを起こしてしまいます。
これはまだマシな方ですが、所々ずれてしまっているのが分かると思います。
kindleでは、プレビュー画面にて、kindle専用端末・スマホ・タブレットでそれぞれ縦向き・横向きにするとどのように表示されるのかを確認できます。
一行辺りの文字数を増やすと文字ずれしやすくなるため、ずれを調整する一方で、一行辺りの文字数を減らすと、一画面に表示される内容が少なくなってしまうため、それらのバランスをとりながら、文字ずれを修正する作業は結構大変でした。
個人で出版されている方だと、人によっては文字ずれ・文字被り・文字化けを全く放置している(あるいは気づいてない)方もいます。
しかしながら、まだ自立して生計で営んでいない高校生・受験生からお金を頂くことになりますから、社会人のように「安くない勉強代だったな」では済まないため、がっかりさせることがないよう、面倒くさかったですが、対処しました。
また、電子「書籍」を出版するわけですから、表紙が必要になります。中身の構成のクオリティと違い、kindleの表紙のクオリティは個人・法人の違いなく高いです。
私は、世界史を効率的に学習する方法こそ知っていますが、デザインアプリの使い方は知りませんでした。「ココナラ」という技術・経験を売買することができるプラットフォームを使えば、5000円(3500~6500円)ぐらいで外注することができます。
しかしながら、表紙を外注だけするというのも何だか癪に障るし、5000円ほど支払って、さらに、数日待たなければならないというぐらいなら、と思い、Canvaというデザインツールを用いて、自作することにしました。
(結果、10時間以上かかりました。普通はもっと早く作れると思います、多分。)
⑥ ペーパーバックへ
2021年からAmazonで紙の書籍を出版できるようになったそうで、ここまできたら、私は紙版まで出すことにしました。8月上旬に始めてから、40日。もう、9月中旬に入りかけていました。
ペーパーバックはkindleとは違い、原稿をPDFでアップロードします。
また、書籍のサイズは自由に選ぶことができます。
そこで、kindle用に編集した原稿データを書籍サイズに合うよう、再編集しました。
また、表紙をペーパーバック用に再び作成しました。今度は裏表紙・背表紙含めて作成する必要があります。(以下は表紙の寸法計算ツールです)
あまり編集する作業自体はなかったのですが、最後に難関が待ってました。それは、審査。
公式情報ではないので、真偽は分かりませんが、kindle版よりもペーパーバックの方が審査が厳しいそうです。実際、私は表紙の不備を指摘され、2回審査で却下されました。以下、気を付けた方が良い点を記載します。
また、一度ダメでも再度申請すると、審査に通ることがありました。
⑦ 結局読んでもらえたのか
最後に、結局読んでもらえたのでしょうか。
結論的には、今のところ、相変わらずの鳴かず飛ばずです。
まず、世界史の教材といった程度では検索候補に上がらず、書籍の名称を入れない限り見つけられないのが現状です。この問題をどうにかしない限り、読んでもらえる・買ってもらえるという方向には進まないと思っています。
元々分かっていたことですが、高校・受験教材というのはレッドオーシャンです。大手出版社の教材がわんさか並んでいます。現実は甘くないのでしょう。ただ、ここまでやりきったので、上手くいこうがいかまいが、後悔はありません。(悔しいですが)
そう考えると、挑戦してみてよかったと思います。
・もしKindle Unlimited加入者の方がいらっしゃいましたら、
ペラペラっと数ページでも覗いてもらえると嬉しいです!
⇩加筆しました⇩
⑧その後、、、(お金などの件)
出版開始してから数日後、ありがたいことに、売れ始めました。出版に当たり、手書きノートの文字認識をするアプリだけは先行費用として支出したのですが(500円/月)、その分は賄えたため、とりあえず赤字は免れました。ただ、現物を確認するために自分自身で購入した分を含めると、・・・という感じです。
Kindleの最大のメリットは読まれるだけでも収益が入るシステム(Kindle Unlimited、条件有=独占販売契約など)とも言われますが、当の私はあまりそのメリットを受けていません。総売上の6%です。
これは、一回読んで終わりのジャンルとは違い、何度も繰り返す必要がある学習用教材ゆえの事情かと思います。
ただ、仮にKindle Unlimitedで試し読みして良いと思ったから買ってくださった方がいらっしゃるとしたら、とても嬉しいですね。
なお、Kindle Unlimitedの単価ですが、私の場合、1ページにつき0.41~0.47円ぐらいで推移しています。近年、下降傾向にあるそうですが、YouTubeの場合、再生単価は約0.3円で、さらに、厳しい収益化条件まで存在することを加味すると、かなり良心的な金額かと思います。
また、嬉しいことがあり、一時高校世界史参考書のランキングの42位に入りました。出版社が出している参考書に交じって個人本が並んだところを見るのは感無量でした。ちなみに、自著自体はほんの数冊しか売れていないのですが。
とにかく、競合相手が大量出版により経費を抑えることができる出版社(こちらは都度印刷のため高コスト)ですので、1冊辺りの利益もかなり圧縮しています。そのため、繰り返しになりますが、全く稼げてはいません。
ただ、自分のノウハウが色んな人に知ってもらうことができ、それを活かしてもらえているわけですから、管理ページを閲覧して自分の書籍を手に取ってくれた方々がいることを知る度に、本当に嬉しく思いますし、同じ金額であっても、アルバイトをして得たお金よりもすごく重みを感じます。