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デンマーク暮らしの日記(1月23日)
今朝、以前から気になっていたカフェに行った。店員さんと"もうすぐ日本に帰るんだ"と少し雑談をして、飲み物とパンを受け取り、窓に面した席に座った。
ぼーっと編み物をしながら外を眺めていたら、ふと感情が込み上げてきて、気がつくと泣きそうになっていた。
未だにほとんど何言ってるかわからないデンマーク語も、ものすごいスピードで駆け抜ける通勤ラッシュ時のクレイジーな自転車も、どこに行っても美味しいコーヒーも、街に溢れんばかりのキャンドルも、"全然人居ないけどどうやって採算取ってるの?"と疑問を抱くほど空いてる飲食店も、大体曇ってるか雨のパッとしない天気も、この凍てつく寒さも、眩しすぎた夏も、あたたかくて適度に無関心で信頼できる隣人も、大好きな友達も、何もかも恋しくなるのがわかってるから。このいつもと変わりのない日常の風景に、泣けてきてしまったのだ。
いつもはたいてい、好きな音楽をイヤフォンから流して自分の世界に入り込むのだけど、今日はこの街の音や人々の声を聴いていたかった。
このカフェには、様々なバックグラウンドのお客さんが来ているようだった。その人たちひとりひとりに話しかけているこの店員さんは、コーヒーを淹れながら、日々こうやっていろんな人の人生に出会っているのだなと思った。
なんだかこの人に、美味しいコーヒーと素敵な時間をありがとう、という気持ちをデンマーク語で伝えたくなった。自信はなかったけど話してみたら、ちょっと驚いた顔をして、喜んで受け取ってくれた。
最後に"Vi ses."と伝えたから、また来ます、必ずね。