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How does death look like?〜死はどのようなものに見える?〜
みなさんにとって、「死」とはどのようなものに見えるだろうか?
私にとって「死」とは、別れであり、永遠への入り口であり、孤独への入口でもあり、とにかく悲しく、暗くて怖いものに見える。それゆえに、私は今まで「死」というものを考えることを避けてきた。
それでも、私もいつかは死ぬわけで。年齢を重ねていくにつれて、「死」を目の当たりにし、受け入れなければならないことも増えていくのも事実。また、最近大切な恋人もでき、「生きる」ということ、同時に「死」というものについてもともに向き合っていく必要があると考えるようになった(なぜそう思うのかについては長くなるため割愛します)。
そんな中、私の暮らすデンマークはオーフスにあるARoS(Aarhus Art Museum)にてAnnette Messagerというフランスのアーティストの展示を観る機会を得た。
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彼女の作品は、一見するとグロテスクで不気味に見える。正直最初の印象は「何これ…怖い…」だった。ただ、じっくり足を止めながら、時に恋人と各々作品から受け取ったものを対話しながら進むうちに、彼女の作品に垣間見える大きな意味を感じ始めた。
この作品、みなさんにはどう見えるだろうか?
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この作品が視界に入った時私は、「死がテーマなのだろう」と瞬間的に思った。そして、それは私にとって避けてきたテーマでもあり、じっと観るのが少し怖く思えた。
その時、隣で作品を見ていた恋人が、
「死っていろんな形があるんじゃないかな」
と呟いた。
よくよくひとつひとつの作品に向き合うと、微笑んでいる死者、踊っている死者、見つめあって顔をくっつけあっている死者たちがいることに気がついた。全体で俯瞰で見たときには気が付かなかったことだ。
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もちろん、苦しい死を迎える人もいるだろう。でもそうじゃない人もいる。死って全て暗くて悲しいわけじゃない。そう信じてみるのもいいんじゃないか。この作品を見つめ続ける中でそんな考えが湧いてきた。
今生きている私たちは、誰も死んだことがない。だから誰も死んだらどうなるのかの正解を持っていないのだ。だから、自分が見たいように「死」を捉えてみたら、少しは楽になるのではないか。
とはいえ、まだ「死」について考えることが怖くなくなったわけではない。少しずつ向き合って、底の見えないような恐怖の糸を解いていけたら良い。今はそう思っている。