Malkinamichiko

飲んで、踊って、馬に乗れる、編集者。 こっそり詩も書いてます

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マガジン

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  • なによりも食べることと食べ物にまつわることが好きな私のコラム

    ハイヒールで毛足の長い絨毯を踏むだけで、もうエクスタシーな高級レストランもあれば、コの字型のカウンターの居酒屋で、近所のおじさんたちとまみれて飲む熱燗もまたエクスタシー。 自分の食欲を追いかけていったらどこに行くのか、ちょっと怖い気もするけれども、ちょっと面白くもあるこの頃です。

  • 詩集

    毎日書いている詩をのせています。

  • TRIP PHOTO

    あっちにいったり、こっちにいったり……行った時期はばらばらですが、旅先で撮った写真のまとめ

  • わたしの猫、名前はキューリ

    わたしの猫の写真だけをのせる、完全に親バカマガジンです。雑種の猫だけど、タヌキみたいな色なんです

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世界の終わりに

 あと1年で世界の終わりがくるっていうから、あくせく働くのがめんどくさくなっちゃったよね。 国家予算も意味がなくなったからって、国民全員にお金をくれたしね。 もはや貨幣価値ってないんじゃない? 最後の思い出作りに豪遊してる人もいるみたいだけど、お金貯めててもしょうがないしね。 でもさ、高級 5 つ星ホテルでは『Last Day プラン』なんてのも登場してるんだって。大切な人と高級ホテルに泊まって、そのまま最後の日を迎えられるとか。 なんかそれ、ホテルの従業員がかわいそうじゃな

    • まっピンクな

      今日は午前中に、生け花のレッスンが入っていた。天気を調べると、7度くらいになる予定だったから、まっピンクの春らしいニットを着て、履きたかったジーンズを履いて、試したかったメイクをして、気楽にスニーカーで出かけた。 生け花のレッスンといっても、花材も花器も非常に自由で、とにかく自由に生けてみなさいと言ってくれる、とても素敵なレッスン。わたしの気性にぴったり。花を生ける時間は15分くらいで、その後ゆったりとコーヒーを飲む。なぜならレッスンの会場がオープン前の喫茶店なので、レッス

      • 写真部と強制フラッシュとジンギスカンの話

        高校生の時に美術部に入った。幼少期の頃から絵を書くのが好きで、とりわけ、植物を細部まで描くのが好きだった。小学校のうちは、随分と大きな賞をいくつかもらって、学校を早退して大きな表彰式に出るようなこともあった。なんの制約もなくのびのびと描いて、それで褒められていたのだから、たいそう面白かったのだと思う。 高学年になってバスケットボールを始めてから、絵からはなんとなく遠ざかってしまったので、高校でちゃんと美術部に入って、油絵というものを描いてみたいと思ったのだ。 当初のモチベ

        • ショートスリーパーの苦悩

          昨日、たまたま読んだnoteの記事の下に、オススメ記事として以下の記事が出てきて、なんでnoteって私がショートスリーパーだって知ってるの?って怖くなった次第で。 あやにーさんのお名前はTwitterでは見たことがあったのですが、ショートスリーパーの1日を知ることができてとても興味深く、そして私は安心したわけで、 というのも、自分もショートスリーパーながら、周りに自分のような人がいないので、ずーっと自分はおかしいんじゃないかと悩んできていたから。私がなかなか寝付けない時、

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          引きこもり体質

          ここ1年くらいで気がついたけれど、私は極端な引きこもり気質なのだと思う。 小さな頃から、どうしても毎朝同じ時間に学校に行くのが謎だったし、会社員のルーティンのような生活もとても苦手だった。若い時に仕事を頑張ったおかげで、いまはフルリモートというとても優遇された待遇で働くことができて、ますます外に出なくなって、やっと、私はなんか自分が求めていたものがわかった気がした。 可能なら、すべてを家の中で済ませたいし、そこまで誰ともコミュニケーションを取らなくて良い、というのが本音。

          引きこもり体質

          ファースト・デートの心得

          海外の映画やドラマが根っから好きなので、常に面白そうなのを探している。最近では、NetflixとAmazonプライム会員になっているので、ずいぶん自由に気になっている映画をいつでも見られるようになった。 映画作品を探す楽しみもあるけれど、秀逸なのは Netflixのオリジナル番組のシリーズだったりする。各分野に秀でたゲイ5人(ファブ5と呼ばれる)が冴えない男性を変身させる「クィア・アイ」は、シーズン1の初回を観ただけですっかり虜になったし、ちびっこダンサーを追った「キッズ・

          ファースト・デートの心得

          サンドイッチ中毒

          私はサンドイッチが極端に好きで、なにかしらのタイミングでよくサンドイッチを作っている。サンドイッチは作り置いたり、お弁当に持って行くものじゃなくて、出来立てをすぐ食べた方が断然美味しい。そういうわけで、朝ごはんによくサンドイッチを作っている。 これも好みの問題かもしれないけれど、断然、トーストしたサンドイッチがいい。トーストしてサンドしても、ホットサンドにしてもいいのだけれど、焼いた方がなんだかおさまりが良いような気がするのだ。 最近流行りの具沢山で切り口が写真映えするよ

          サンドイッチ中毒

          マイナス7度の街

          私が住んでいるところは、今朝はマイナス7度。マイナス7度と言っても、私が18歳まで住んでいた秋田市と比べると、ぜんぜんどうってことない。秋田の強風と濡れた重い雪と、いつまで続くんだろうという絶望的な量の降雪に比べると、カラッとしてて晴れてて風がなく雪がぜんぜん降らずなので、マイナス7度の街の方がずっと住みやすい。 雪国にもいろいろとグラデーションがある。このグラデーションは私が雪国にばかり住んでるから、余計に感じやすい。たっぷりとした湿気を山沿いのエリアで重い雪として落とし

          マイナス7度の街

          占い師さんの自宅と穴子の話

          長いこと編集者をしていたので、普通の人は入れない場所やあえて行かない場所にも、地方都市ではあるけれども、随分と津々浦々までに行くことができた20代だった。 動物園で働いている飼育員のお仕事取材をした時は、象を調教するバックヤードに入って撮影をしていたら、冬場なのに象に水を豪快にぶっかけられたし、誰もが知ってるようなミュージシャンも何人にも会ってインタビューをすることができたし、面白いところではラブホテルの裏通路まで通ったり(お客さんのとは別に通路があるんですよ、びっくり)。

          占い師さんの自宅と穴子の話

          狐につままれたような話

          慣れない街で、したたかに酔っ払ってしまった。右も左もよく分からぬ中で、カレーのCoCo壱番屋の外に掲げられている、デカデカとしたお持ち帰りメニューの看板のところを、二人でぐいっと曲がったところまでは覚えている。あれよあれよという間に、見知らぬ道に出て、先ほどまでの大いに賑わっていた界隈とは、明らかに雰囲気が違うところに出てしまった。 会話をすることもはばかられるような、ひっそりとした住宅街。道は登り坂で、なぜか眼下には池のような沼のような、得体の知れない水場も見えるけれども

          狐につままれたような話

          エミコちゃんのおにぎりの話

          私が育った秋田市は、中学校までが給食で、高校からお弁当だった。3年間のお弁当生活も、仕事があまりに忙しかったうちの母は手一杯だったみたいで、私が高校生の時は、お弁当は自分で準備するか学食に行くことが推奨されていた。タイミングとして母が出世していた時期だったので、お弁当を毎日作るのは煩わしかったのだと思う。 私の個人的な家庭事情は、そういう感じだったので、私自身の高校時代のお弁当の良い思い出というものが、あまりない。自分で作って詰めてたから、味もわかるし、ワクワクもしなかった

          エミコちゃんのおにぎりの話

          サーカスとお父さんと氷砂糖と柿の剥き方の話

          私が小さい頃(というと曖昧だけれども、25年くらい前ね)は、地方都市の娯楽というのはほぼ皆無に等しかった。私は旦那さんと同じ年齢で、東北の決して都会的ではない県庁所在地の出身同士なので、「小さな頃って本当に娯楽がなかったよね」という話をたまにする。 旦那さんは盛岡で生まれ育って、その頃唯一よく遊びに行っていたのが、盛岡市内の公園にあったゴーカートなんだそう。彼のお父さんと友達数人と、休みのたびにそこに遊びに行っていた、という話をつい最近聞いてとても興味深かった。今ではそのゴ

          サーカスとお父さんと氷砂糖と柿の剥き方の話

          ミラノの運河とワインバー、花売りの男の話

          運河というものは一体どういうものなんだろう。運河なんて言われてもピンとこなくて、知り合いが言っていた「ミラノの街中からちょっと離れてるけど運河沿いにバールがいっぱい並んでいる面白いエリア」を目指して随分と長いこと歩いたのに、どこが運河なのかさっぱり分からなかった。「これはただの川なんじゃない?」「いや、なんか海っぽい匂いがするような…」「運河って、あの、海がすっごく深くなってるとこだっけ?」「それって海峡だよね」という意味のない会話を夫婦で繰り返して、ナビ上のどうやら運河っぽ

          ミラノの運河とワインバー、花売りの男の話

          18歳のバーテンダーと山田詠美とセブンセブンの話

          思春期に夢中になったものは、呪縛のようだ。何年経っても色褪せるどころかその輝きは増して、いつでもその当時に戻ってしまうような、そんな呪縛。懐古主義的に昔を思い出して楽しんでいるなんていう、余裕のあるものでは決してない。強制的に引き戻されて、その時のあらゆる感情までが全てセットになったような、そんなトラウマのようなもの。私が高校生のときに夢中になったのは、ジュリエット・ルイス、ジャニス・ジョップリン、HIROMIX、CHARA、何よりも映画と読書が好きだった。そして当時、一番読

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          スージー・クアトロとヴィンテージアイテムとシースルー

          今日の午前中に時間が空いたこともあって、スージーのThe Wild oneを大音量で流してクローゼットから服を全部出してきた。クローゼットというのは語弊があって、私は18歳から一人暮らししてるのだけれども大学生向けの狭い部屋にほとほと嫌気がさしていたので、働き始めたらとにかく部屋数のある家を借りるようにしていた。つまり、ウォークインクローゼットのような大きな収納がなかったとしても、部屋一つをクローゼットとして使っていたのだ(地方都市ならではの部屋使い)。その部屋は常にカーテン

          スージー・クアトロとヴィンテージアイテムとシースルー

          伊藤ちゃんとデッサンとオムハヤシの話

          数学者の父と娘のお正月映画を観ていて、ふと思い出したことがある。誰に見せるでもなく、成果の出ないものや認められないものでも、意味があるものもある、ということ(映画のテーマからは飛躍しているけれども)。 伊藤ちゃんは、大学の時に写真部で一緒になった、同学年の男友達だ。今でも、私と同じ街に住んでいる(はず)。伊藤ちゃんは、美術学科の絵画の専門課程の人だったので、常に絵を描いている人だったけれども、写真にも非常に熱心だった。作家性がある、とは彼のためにある言葉で、絵を描かせても写

          伊藤ちゃんとデッサンとオムハヤシの話