生花 - 2輪飾りのススメ

確か3年前の大晦日ごろ。「おせち料理」を作ってみようと思い立ち、さっとレシピ本をKindle 版で購入し、それを参考におせち料理を作った。
短期間で20品目あまりの保存食を調理することになるこいつは、料理好きにはかなり「オモロイ」課題となる。材料の買い出しから始まりそこに半日以上をかけ、そこからさらに下拵え、調理にプラス2日はかかる。正味「丸二日料理しっぱなし」という状態になる。
普段食はさっと30分以内に全て完成させるくらいの感覚で作ることしかしないので、飾り切りも含めてあれこれ手間をかけてこんなに調理に没頭する機会はフル自炊な生活をしたとしてもない。そしておせちは当たり前だけれど、1年に1回しか作らないので、改善を重ねようとしても年単位になる。生涯で多くて50回とかしかおそらく作れない。そこも含めて愛しい作業だなと思う。
そして何よりおせち料理が、室温に置いた、あるいは御燗した日本酒と「本当によく合う」のだ。完成し、1月1日の朝、日本酒と一緒に飲んだ時の満足感足るやないのである。
ご縁があって実行している、5月27日の下鴨神社様での自身の誕生日祈祷、6月1週目土曜日の比叡山東照宮様例祭参加と並び、年末は遅くとも12月28日から休みに入り、以降おせち料理に没頭する時間を確保することは、仕事をしながらもMustで実行する年中行事とできるよう仕事もコントロールしたいと思っている。
おせちの話でなく生花の話であった。
そのおせちを作った年に、おせち料理と一緒に新年に花を飾りたいと思った。近所に気の利いた花屋があり、生花を一本から高くない値段で売ってくれている。そこで花を買おうとした時に、これから「自分は習慣で、週間で、生花をしていこう」と思い立ったのだ。
最初は1輪でもとも思ったけれど、1本では表現力が限られると考え、そこで2本を選んで組み合わせることをルールにしようと思った。それでも1週間毎、1000円しないお金で部屋を飾り直せるのだ。
2本だけでも、色の配色、花間の空間的配置、花の持っている、背景、文脈、季節感、勿論実際の美観、果ては本来は花瓶まで、実にさまざまな要素で表現しなければいけないことに気づいた。そしてそれをインスタに残そうとすれば、写真の構図 背景 照明 その他。私みたいなテキトーな人間では実現しきれない実に複雑な世界があると思い知り、本当に面白いと思った。これは今でもなんとなく続けている。
嫁が終わった花々をドライフラワーとして、ストックし、それを組み合わせてゴージャスな総合生花を作った。週間で続けていけばそんな遊びもできる。
父親の姓と長野出身ということだけを信じるなら、ご先祖様は生花の開祖に通じる?はずで、母は池坊短大に通っていた頃に父に出会ったと、そんなことを考えると故が巡るのかと勝手に妄想するのである。

誰かのことを思って追記する。あまり関係ないことを。
色々な不幸がある中で両親の不仲ほど自身の人生に影を落とすものはない。ある種の当事者でもありまた加害者にもなってしまった自分も、普段生きていて気にしていないようでやっぱり心にあることでもあるものだと思う。自分のようなろくでなしにつける薬はないのだが、しかしそれに巻き込まれた人に敢えて言葉をかけるなら、例えばその父親は、母親は、少なくともお互いからモテ、愛された。それがたとえ限られた時間であったとしても成立してたからこそ、自分が存在しているのだ。ということに一定の誇りを持っていいのではないかと。多面的な魅力を持ち合わせるほどに、人を傷つける可能性も高める。だから何が幸せとか、正解ではなかったとしても、兎に角それはその人の価値なのではないかと。自分自身を許し、愛し、認めるのはどこまでいっても結局自分自身にしかないのだと思うのである。


本日の2輪。相変わらず花の名前を覚えられず。ただ秋の只中にあることをしてこれらを選んだ。

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