菅井8段の敗着は○○○タイム
王将戦観戦記
新年早々行われた第73期ALSOK王将戦を観戦して思うこと
先日行われた王将戦。茶の間観戦を楽しんで藤井王将が完勝したことはファンの一人として嬉しい出来事でした。
将棋の俄かファンである私は、ご多分に漏れず2年前位からABEMAの将棋中継を肴に一杯やるのが楽しみの一つになりました。
戦われている盤面とは別に、解説者と聞き手の、どうでもいい話が長時間流れて心地よい時間を過ごせます。
しかしながら、対局の形勢や、次の手を教えるAIには違和感を感じていました。
10年ほど前に人間を超えたと言われる、AIソフトが最善手という指し手には今の形勢を覆す手はありません。現状維持の手が常に最善と表示されます。
この方式を突き詰めれば、最初の数手で勝者が決まることになります。なんとつまらないゲームでしょう。
将棋、囲碁ソフトの研究者の皆様には、是非とも100パーセント越えの手を打てるソフトを開発していただきたいものです。
話を元に戻しますが、先日の王将戦、90手か92手藤井王将が指した後でトイレに向かいます。
この時の持ち時間藤井王将は6分、菅井8段は1時間10分だったはずです。
ここで、菅井8段は藤井王将が戻るまで次の手を指しませんでした。
これが、この将棋の敗着だと断言できます。
藤井王将が席を離れた時すぐに指せば2分は少なくなります。
そして、その時指す最善手は1七香です。
トイレに行く前藤井王将は菅井8段の次の手を読んでいたと思います。
藤井王将が絶対読まなかった手を指すことで勝利が確定したでしょう。
私も、将棋ソフトが、よちよち歩きのころ思い切り変な手を打って連勝した記憶があります。
この戦法が卑怯だと指摘を受けることは仕方がありません。
宮本武蔵を引き合いに出すまでもなく、ルールの中での駆け引きは、今でも先手有利とか、封じ手争いとかは行われているはずです。
昭和38年度囲碁名人戦の6局目
名人 藤沢秀行
本因坊 坂田栄男
坂田が2勝した後 藤沢3連勝のあとの第6局
長く時間を使った後、封じ手時間30秒まえに難しい手を打つ坂田に、封じ手をやらされると怒った藤沢名人すかさず打ち返すと、坂田またすぐ打ち返し藤沢が封じ手となる。
伝説の戦いを思い出しました。
トイレタイムについては、今後の、高齢棋士や女性棋士との対局を考えた時大いに見直すべきでしょう。