2022年11月20日の日記
暮らしは良くはならない。髪も切りに行けない。日に日に乾きにくくなる髪は、水気をたっぷり含んだスポンジのようで、私の心みたい。
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社会というハードなマウンテンを、振り落とされまいと爪や歯を食い込ませて這いずり回る私たちは、さながらヒードランみたいだ。ほのおのうずに巻き込まれ蓄積ダメージを負いながら、吹きすさぶねっぷうに立ち向かう。巻き起こるマグマのストームと一触即発、今日もこの地下帝国で私たちは労働者として徹底抗戦するだけである。
そんなマグマ滾る地下帝国の様相とは裏腹に、世の中は急速に冷え込み始めている。朝も夜も、もはや心地よい秋の気配はない。街ゆく人はみな冬の装いである。
そして冷え込むのは気温だけではない。世間の景気もまた同じように冷え込んでいる。相次ぐ日用品の値上げラッシュの中で、少しでも安いスーパーマーケットやドラッグストアを求めて、手のひらに爪を食い込ませ走り回る私たちは、さながらヒードランみたいだ。
私たちはヒードラン、不規則性の崩壊社会の下で這いずり回る益虫。こうべを垂れて、悪意渦巻く電脳世界に夢を見る。憐れな自分たちが、さらに憐れな他人どもに紛れて見えなくなるまで。
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