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三度目の逢瀬(1)

様々な人と、刹那的な関係を繰り返してきた。初めて会った時の興奮だとか、緊張感を維持できなくて二度目はないなとか、初回は良くても二回目はどうもしっくり来ない部分が見えて、関係をフェードアウトする相手というのは割と居る。だけど、互いにまた会いたいと思って、三度目も逢えた相手とは長続きするような気がしている。

彼とはその三回目だった。二回目の逢瀬のレポも書こうと思っていたけれど、ちょうど自分の身の回りがバタバタとしたこともあり、書くタイミングを逸していた。初めての時も、二回目も、たくさん愛してもらって、今回も温度感が変わらず安心したということを先に述べておく。

ターミナル駅の喫煙所のそばでまったりと煙草をふかしながら待って、仕事を終えた彼の到着を待つ。彼の顔を見て、なんだか急にホッとする。安心感を与えてくれる彼の存在は私にとって、とても癒やしだ。ふたりとも、さほど空腹ではないから、近くで軽食とお酒を買って近くのホテルへ向かう。

一緒に軽食をつまみつつ、お酒を煽る。くだらない話をしながら、並んでいる膝が触れるのが少しくすぐったい。安心感の中、ゆっくりと期待に煽られていくのが分かる。食べ終えてから二人で歯磨きをしていると、なんとなく、それとなく、空気が変わっていく。直前にお手洗いに寄ったのは、既に期待で汚していたそれを拭うためだったのだが、まあ何の意味も為さなかったなと後で思うのだった。

ベッドに腰掛ける彼の足元に座り込み、サイドテーブルの灯りを調整する。暗くしたいのに、ほどほどの調光の加減で制されてしまう。既に何度も裸を見られているけれど、やっぱり恥ずかしいから本当はもっと暗くしたかった。少しずつ触れながら、彼が「寒くない?」と室温を気にしてくれる。少し涼しいなとは思ったけれど、きっとこれから暑くなるし、熱くなるから、このままで良い。

ベッドに二人で潜り込んで、唇を合わせる。なんでこう始めたばかりはキスも視線を合わすことも全部恥ずかしいのか。「どうしたの?」とか「なあに?」と聞かれても「ううん」とか「んー、、」とか要領を得ない返事しか出来ない。

彼の舌が首筋を這い、服の上から手で身体を軽く撫でられているだけで、芯からぞくぞくと押し寄せる快感に負けてしまう。一言、気持ちいいと声に出すのが精一杯で、彼にしがみついて(もっとして)と声にならないアピールで乞う。

ブラのホックを簡単に外され、万歳で服を半分脱がした途中で胸に触れられる。なんとも情けない格好だし、抵抗も出来なくて思わず「ずるい」と声に出る。必死にシャツを脱いでたくさん触れてもらいたくて上半身を露わにすると、彼があちこちにキスを落としてくれる。嬉しくて、彼の髪や首筋に触れたり撫でて、なにか反応を返そうと努力するが、伝わっているだろうか。

不意に乳首に歯を立てられて鋭い痛みと快感に身悶える。まだ始まったばかりで、快感に慣れていない身体には、その与えられた感覚が強すぎて目眩がする。歯を食いしばって、痛みから逃げたくないのに逃げたくなって、身体を捩る。あっという間に芯が熱っぽくなって、声が甘くなっていく。

そもそも、あまり噛むことをしない性質の彼が、私が悦んでくれるからと痛みを与えてくれるのがたまらなく愛しくて、噛まれる度に抱き締めたくなる。

段々と刺激は下半身に移動していく。下着を脱がされて、必死に「見ないで」と伝えるけれど少し笑いながら「濡らしてるの知ってる」なんて言われて何も言い返せない。ずいぶんと年下の彼なのに、年上の私の羞恥心を煽るのが上手すぎて、困る。

脱がされて、直接的な刺激を受け始めた私は簡単に達してしまいそうだった。しかし、逢うまでの間は自慰を互いに禁じていたのに、私は一度、耐えきれず自慰をしてしまっていた。言い訳をさせてもらえば、彼との行為を思い出してうつぶせでお腹を少し圧迫していたら呆気なく達してしまったのだった。性器への刺激なく、容易く。

でも、結果として彼はちゃんと我慢していたのに、私だけ約束を破ってしまったのだ。だから、お仕置きに彼が良いと言うまで達するのは我慢するんだよ?と。

「イッちゃだめだからね?」と優しく声を掛けられるが「我慢する、我慢してる」と切ない声で訴えるみたいに伝える。私が好きな場所を分かっているから、そこを狙って来るのが本当に意地悪だ。途中で「指を中に入れてたらイッちゃうもんね?」と引き抜かれて、切なくなってしまう。先程の刺激が恋しくて「もっと触って欲しい」とねだるも「すぐイッちゃうでしょう?我慢できるの?」と言われて「我慢するから」と半泣きになりながら求めると、ゆっくり指を挿し込んでくれる。我慢すると言って、我慢するつもりだったのに、弱い部分に当たったその感覚で呆気なく上り詰めてしまった。叱られて、ごめんなさいを繰り返す。

少し叱ったあとは「気持ち良いもんね」とニコニコしながら刺激を続けるから「あなたに触られるのが好き、気持ちいい」と痴態を晒しながら喘ぐ。ちゃんと喋れなくて、でもまた達しそうで言葉にならない声を叫ぶと「なに言ってるのか分かんない」と嘲笑う。また「我慢できない、ごめんなさい」と叫びながら達すると、それを見て満足そうに鼻でふっと笑って「可愛い」と言われて、その言葉や態度に私はまた身悶えた。

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