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「人が好きですよね」と言われることに対する違和感

私はよく、人好きに見られることがある。

自分では普段、そのことを意識することがないので、時折そう言われると驚く。 

改めて考えてみると、私は嫌いな人が少ないように思う。(もっとも、他の人がどれくらいの割合で人を嫌いになるかが比較できないので、相対的にみた時にどうかはわからないのだが)

私が人が嫌いではないというのは真実ではあるが、だからと言って人が好きかと言われたら疑問符がつく。私は好きな人もそれほどの数いないからだ。

嫌いな人が少ない程度で人好きに見られるのだから、逆に考えれば世間一般の人は嫌いな人が多いのかもしれない。

そのほかの視点で考えてみると、私は他者の考えを否定したことが殆どない。だからといって、100%肯定する人にも出会ったことがないわけだが、ともあれ、人に対してマイナスの感情が少ないほうが人好きと思われるようだ。

人は平気で嘘をつくし、傷つけ合うし、他者のことを考える余裕がない人ばかりだが、それでも私が人のことを嫌いにはならないのは、たぶん自分が同じ人間で、自分にも同じような性質を少なからず持っているからだと思う。

以前は毎日のように新しい人に会いにいったが、次第に新しい人に会うことが億劫になってきた。見た目の違いはあれど、人間なんて皆同じようなものだということに気付いたからかもしれない。

深い深い海の底で、ひっそりと佇む深海魚のように、私は私を見つけてくれる人を待っている。

ただ、私はしばらくしたらより深くに潜り、より人の目につかないところにいくことだろう。

光の届かない闇の中で、奇跡的に出会う人がいたならば、それを運命と呼ぶのだろう。

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