読酌文庫は東京で何度も身のほどを思い知らされる【文学フリマ回顧録3】
文学フリマを振り返るシリーズ、3回目。今回はちょっとしょっぱいというか、苦いというか……鼻っ柱をへし折られる話です。
……それでも、再アタックを心に誓う私は、しぶといのか往生際が悪いのか……
2020年5月はイベント自体が中止
2020年1月の文学フリマ京都へ初出店し、文フリの出店者デビューとなったわけですが、気を良くした読酌文庫は5月開催の文学フリマ東京へ申し込みました。
しかし、折しもこの時期はコロナ禍が本格化しており、各種イベントの中止が相次ぐ社会情勢。文学フリマ東京も例に漏れず中止と相成り、この時は遠征できませんでした。
秋になると少しイベントか解禁されてきたので、文学フリマ大阪、文学フリマ東京と出店が続きます……
2020年11月、文学フリマ東京へ初出店
こうして迎えた初の文学フリマ遠征。東京へ行くのも少し久しぶりで(二次創作でガンガン遊んでた頃は年に数回来ていたのですが)せっかくだからとこの機会に行ってみたかったお店へも足を運びました。
そして、京都・大阪よりもイベント規模が大きいのだから、もっと売れるかもしれないと思ったのと、遠征で運ぶ荷物を減らしたかったのとで、宅配搬入を利用。ドカンと強気な部数を搬入しました!
……でもね、期待したほどは売れなかったのよね……
初出店の京都はビギナーズラックでボーナスがかかってたとしても、大阪より売上は芳しくなかったんです。
この時はまだ見本誌コーナーも復活しておらず、見本誌を見て来る人の導線がないのがマイナスだったかな、とも思いました。(後々、一定以上の規模になると、見本誌からの導線も厳しいのではと考えるのですが、そこについては後述します)
正直、宅配搬入、いらんかったな……と。
搬入・搬出にかかった宅配便の代金で、美味しいもの食べられたよなとか、意地汚いことを考えてしまうのでした。
ただ、この時、読酌文庫の頒布物を購入いただいた方がその後も熱心にシリーズを応援してくださったり、購入したものを紹介されていたりと、良い出会いもあったので……こういうことがあるから、やめられないんだよなぁ~……。打席に立つたび空振り三振かもだけど、そもそも打席に立たないとヒットもホームランも打てないワケだし。
2022年5月、文学フリマ東京へリベンジ!
およそ1年半後、読酌文庫は再び文学フリマ東京へ遠征しました! 前回の反省を活かし(?)宅配搬入は使わず、控えめな部数を持ち込むことに。
その分、事前の告知は頑張りました。マメにSNSへ告知投稿して、ちょっとでも目に留まってほしいなと思ってね。……でも、効果がどれほどあったかはイマイチわからない状態です。
あと、見本誌コーナーもまだ復活していない頃だったので、気軽に試し読みしてもらうためのペーパーを印刷して配布を頑張りました。……が、この配布もなかなか難しかったです。30部用意したのですが、配りきれなかったんですよね。お渡ししても返却される方も居て。
興味ないものは、タダでも要らんよなってのがよくわかりました。つーか、キツい言い方すると、ゴミなんだよね。同じフリーペーパーでも、受け手の興味・関心次第では貴重な情報源や特別な一枚に思えることも、ゴミに感じることもあって、厳しい現実です。
あと、この時は『はなり亭で会いましょう3』を新刊として出していましたが、既刊共々、売上は伸びませんでした。控えめな搬入部数でしたが、それでも多すぎたくらいで……厳しいなぁ……。
でも、よく考えてみると読酌文庫の東京での知名度はまだまだ全然ない状態。そんなところでシリーズ最新巻をリリースしたって、手に取ってくれる人は限られるんですよね。続き物だから、最新巻を購入するのは既刊を読んでくれた人に自然と限定されてしまいます。
シリーズ全巻をまとめ買いする人って、なかなか居ないもんです。まぁ、そりゃそうですよね……自分だって「ちょっと気になる」って思った本が、シリーズもので、既に何巻も出ていたら、初見では1巻だけにすることが多いです。あるいは巻数が多いと、内容に惹かれても購入をためらうことがあります。
シリーズものの最新巻をお披露目するなら、地元の方がいいんかなって思い知らされました。
2023年11月、三度の東京遠征
そして昨年、2023年11月に三度、文学フリマ東京へ出店しました。別にそうしようと思っているわけではないのですが、読酌文庫は1年半ごとのサイクルで東京遠征しています。(じゃぁ、次は2025年の春なのか?)
この時は出店申込が多く、初めて抽選が行われる事態に。クジ運ないから
ダメかなと思いましたが当選して、出店者数・来場者数・会場の盛り上がりは過去最大な文学フリマ東京へ!
過去2回の遠征で得た教訓を胸に、3度目の遠征を果たしましたが……売上不振も過去最大級でした!\(^o^)/
盛り上がりに比例して売り上げが伸びるのは、相応の知名度や注目度のある出店者の話。平凡な出店者はスター出店者に食われ、モブと化し、簡単に埋もれます。
ぶらぶら見に来る方も、出店者数が多いから1つ1つじっくり立ち寄ってって感じではなく、距離を取って歩きながら流し見されるのがほとんど。「おや!?」っと思ってもらえる要素がないと、近づいてもらえませんし、頒布物を手に取ってもらえません。
性懲りもなく、無料配布の冊子とフリーペーパーを配って、立ち寄っていただくきっかけ作りを頑張ったんですが……そこから頒布物を見て購入までつながる人はごくわずか。
やっぱり知名度がなさ過ぎるか。
そして、ブースのディスプレイも平凡だったか……。もっと、読酌文庫の世界観を表現するには、どうすればいいんだろう?
また、見本誌コーナーが復活したので、読酌文庫も見本誌を出しましたが……出店者が多ければ見本誌もたくさん出てくるし、数ある見本誌の中から「気になる!」って思われないと、見本誌コーナーからの導線は期待できません。
就活なら書類選考で落とされるみたいなことです。婚活なら写真とプロフィールで候補から外されるようなもんです。装丁、タイトル、表装画などに目を引く要素がなければ、どんなに手間暇かけて、思いを込めて書いた・作った本でもモブと化します。見本誌コーナーを賑わす背景にしか見てもらえず、中を見られることもない。
次はもっと、売れてやるんだからね!?
2024年は諸事情あって、イベント参加・出店を減らすため、遠征は予定していません。
でも、絶対また、東京も行くからね!
ほんで、京都・大阪と同程度には売れるようになりたい!そのためには知名度というか、東京の参加者さんに存在を認知されなきゃいけない!
東京へ遠征するたびに身のほどを思い知らされ、頒布するための課題が次々都出てきます。やはり、イベント規模が大きくなるほど、どのようにして存在を知ってもらうかが重要なようです。
もちろん、何の準備もなしに大規模イベントに臨んだ場合でも、当人の知名度が異次元だったり、需要に対して供給が少なすぎるテーマの作品を用意していたりすると「完売しました」「売るものが無くなったので早退します」ってな現象は起きると思います。
でもそれは基本的にはレアケースだと思うので、戦略が必要かなと感じるんですよね。
また、今ほど文学フリマ東京がイベントとして成熟する以前から参加されていた方々は、本人は自覚していなくても開催地では認知された存在になられているんじゃないでしょうか? 以前から継続的に出ている人だから、ガツガツ事前告知やらなくても「あ、いつも見かける方だ」「今回は何を並べているんだろう?」と、立ち寄る人ができる。
でも、最近、文学フリマ東京へ出店しはじめた場合とか、他地域の文学フリマから遠征してきた場合とかだと、開催地では認知されていない……。地元の局で冠番組やってて、地元だと街ゆく人に声をかけられてたけど、東京進出したら無反応。誰も声をかけてくれないし、番組に出れてもひな壇の片隅とか、チラッと話を振られるだけとかそんな感じになっちゃうのと、同じような現象なのかななんて、勝手に理解してます。
2024/1/14 文学フリマ京都8にも出店します!
2024年1月14日(日) 京都勧業会館みやこめっせで開催の文学フリマ京都8へも読酌文庫は出店します。
今回は評論・研究のカテゴリーを選んでいますが、既刊の小説やエッセイも持ち込みますので、参加予定の方はお立ち寄りいただけますと幸いです。
読酌文庫は「さ-28」でお待ちしています。