探究の達人⑧ 鉄卵の2人 達人に挑む
探究紹介(鉄卵の続き)
鉄卵グループに進展がありましたので、書かせてください。
この方ご存知でしょうか? 刀匠藤安将平先生です。
https://nihontou.jp/choice03/toukenkobugu/masahira/01.html
今日は、なんとここにお邪魔いたしました。
目的は、鉄卵の2人の前に立ちはだかる大きな壁を乗り越えるヒントをいただくことと、日本刀という美と実用を兼ねそろえた日本文化の最高傑作の一つの誕生から完成までを肌で感じてくることです。
朝、5時おきで、刀匠の元に向かいました。
すごい厳かな雰囲気!
残念ながら、本日刀匠にお会いすることはできませんでした。
【脱線・・・あらっちの刀に対する印象】
しかし、刀場の見学や、藤安刀匠の傑作の日本刀を見せていただきました。剣道と居合道をやっていた私にとって、日本刀は比較的近いものでしたが、刀匠の刀は、何かが違う・・・。本当美しいのです。印象で語ってはいけないと言いつつ、1日見ていても飽きない。なんだろう?刀が生きているという表現が適切かもしれない。刀を見ていると、室町時代がイメージに現れる・・・。江戸時代ではない。すみません脱線しました(笑)
しかし、鉄の研究では、最先端を行く吉田秀享先生にお会いすることができました。
https://www.fcp.or.jp/iseki/column/598
鉄卵のアンナとユズカも吉田先生の話をずっと集中して聴き、私も大人気なくどんどん質問してしまいました。
!何?!そうだったのか!
○鉄は、炭素の含有量によって3種類
・銑鉄(ズク)(炭素含有量が高い 硬い 壊れやすい)
・鋼(炭素含有量中くらい? 加工性難)
・純鉄(炭素含有量少 加工しやすい 柔らかい 針金なんかこれらしい)
今の人にとっては、鉄は鉄だけど、どうも昔の人は、鉄をしっかり分けて認識していたようだと!
その他、様々な知識を得ることができました。
砂鉄から鉄を取り出す炉の設計について、様々なアドバイスを受けました。非常に奥が深くて、吹子の角度、炉の高さ、木炭の入れるタイミング、分析した砂鉄がうまく行くかどうか。吉田先生の見取りでは、砂鉄はいけそうだ!とのことでした。
【暗黙知】
今日の探究で感じたことの一つが、刀匠と吉田先生の暗黙知の恐ろしすぎる大きさ!藤安刀匠は、常に仮説を立てながら、トライアルアンドエラーを繰り返し行い自分の理想を達成しようとしている。吉田先生もまた、古代の鉄の、昔の人たちの鉄へのアプローチの仕方、様々なことに仮説を立てながら、やはりトライアルアンドエラーと通して真実に近づいている。
一流と言われる人の生き方とは何かということを考える機会を得たと同時に、一流の人が長い年月をかけてトライアルアンドエラーで蓄積してきた暗黙知のあまりにも巨大であることに圧倒された1日であった。
アンナさんの現在の究極的な目標は、達人の暗黙知を形式知にし、より多くの良いものを世界に広げることである。巨大すぎる達人の暗黙知を前にし、どう感じたのであろうか?
【達人の見ているもの】(直接お聞きしたものでないので間違いがあるかもしれません)
現在75歳の藤安刀匠は、後100年生きて刀を作りたいという。1000年前に作られた日本の国宝の名刀は、一般的には、作る際に丁寧に叩き、不純物を取り除き玉鋼といわれる状態に師弟ったと言われている。しかし、刀匠は言う。「それらの刀が作られた時、1日に多くの刀を作らなければいけなかった時代であり、今言われているように丁寧に作っていては間に合わない。実用品を作る中で、偶然に名刀が生まれたのではないか。」と。
刀匠は、約10センチの部分を指し、ここが室町の刀と言う。全てを室町の名湯にするためには後100年は必要なのであろう。
一流の達人・・・・・凄すぎる!
鉄卵のアンナとユズカは、来週炉を作り砂鉄を鉄に!まずはトライすることから始める。一流から学び、「失敗と言うものはない。何かトライすることである現象が現れる。それが、仮説通りなのか、別の現象を引き起こすものなのかの違いだ。とりあえずやってみる事!」こんな清々しい気持ちを得て前に進むことができました。
続きは後ほど
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