小人さんの仕業かな。
ここ最近に限った事でもないのだが私は物忘れが激しい。
もともと子どもの頃からそそっかしかったので学校に忘れ物をしていくのは日常茶飯事だった。
特に鍵盤ハーモニカは鬼門で音楽の授業で使う日によく忘れたものである。
あれは口につけて吹く楽器なので友達も貸してくれなくて困ったものだ。
もちろん先生には怒られる。
しかしいったん家に持って帰ってしまうと存在を忘れてしまうのか置きっぱなしにしていることが多かった。
たまにしか使わないものほど失敗することが多かった。
私は思い込みで行動する癖があるので忘れ物は一向に減らない。
今でもスマートフォンを家に置いて出かける事はしょっちゅうである。
出先で忘れた事に気が付くと妙に気持ちが焦る。
特に緊急で連絡を取る必要があるわけでもないのに何となくソワソワしてしまう。
そういう時はもしかしてと思ってカバンの中を漁ってみるが出てくるのは良いところモバイルバッテリー位である。
違う、お前じゃないと思いつつ何となく落ち着かない一日を過ごす。
帰宅して机の上に置きっぱなしのスマートフォンを見つけてもう忘れないぞと何度誓ったことか。
そんな物忘れに付随して最近では身に覚えのない事が増えてきた。
特に多いのは通販などで頼んだ記憶の無い商品の購入通知が届くことである。
通知を見ると確かにネットサーフィンで閲覧したことがあるが注文した記憶は一切ないのである。
それがまたちょっといいお酒だったりしてお値段も結構する。
記念日でもないのにこんなお高いものは頼まないなぁ思って記憶を辿るが何にもひっかからない。
そういう時は申し訳ないと思いつつ注文をキャンセルさせていただく。
他には電子書籍も危ない。
夜に本を読んでいて寝てから朝になって再び開いてみると知らない本がダウンロードされているのである。
これがまた普段ならまず読まないコッテコテの自己啓発本だったりして何でこれをダウンロードしたのか理解に苦しむ。
救いとしては大抵の本が読み放題対象の本なので実害がそんなにないという事だ。
なぜこういう事が起こるのかよくよく考えてみると深酒をした夜が怪しい。
お酒に酔った頭では判断力と理性が弱っているので自分を解放してネットショッピングに精を出すのだろうか。
酔って記憶をなくすとは多分違うが何となく自分が信用できなくなることが続いている。
物忘れと記憶に無い行動、いささか自分が不安になってきた。
お酒をやめたらピタリとこの奇行もピタリと止まるのかなぁ。
記憶がしっかりするように深酒は少し控えよう。
あ、寝酒もダメっすかね?
とまあのん気な事を考えながら昨日の晩御飯の事をば。
豚バラ肉を細く切る。
キャベツをざく切り、玉ねぎを細切り。
チルド麺の中華麺をレンジで温める。
フライパンに油を敷いて火を点ける。
そこにレンチンした麺を入れて両面がこんがりするまで焼く。
香ばしい匂いがしてきたら麺をほぐして豚肉と野菜を投入。
具材に火が通るまでしっかり炒める。
味付けは塩、コショウ、鶏がらスープの素、オイスターソース、レモン。
サッとソースを馴染ませたらレモン塩焼きそばの完成。
もう一品は冷蔵庫におからパウダーがあったのでこれを使う。
おからと片栗粉をよく混ぜて牛乳を少しづつ注ぐ。
水加減に注意しながら全体がまとまったら小さな小判型に成型してフライパンで焼いていく。
両面に軽く焦げ目がついたら醤油、砂糖、みりん、水で作ったタレを入れて弱火で煮詰めていく。
片栗粉の効果でタレにとろみがついたらおから餅の出来上がり。
昨日はシンプルにこの二品で勝負。
妻を呼んでいただきます。
昨日のお酒はひやおろしの常温。
ツイッと飲むと初々しくてまろやかで秋の訪れをしみじみと感じた。
ではおから餅からいただく。
カプッと噛むとムチッとした歯ごたえでつきたてのお餅に近い。
それでいて粘りが無いので食べやすくいくらでもいける。
甘いみたらしダレがまたよく合っていてなかなかである。
お酒との相性もいいのであっという間に三つペロリ。
これだけでお腹いっぱいになりそうだったので一旦手を止めてお酒に集中。
ふう、落ち着いた。
では次は焼きそばを。
箸でつまんで口に運ぶととてもさっぱりした味だった。
塩ベースでレモンの酸味が全体をキュッと引き締めているので食べれば食べるほど食欲が増してしまう。
焼きそばはソース味一辺倒になりがちだが、たまには塩味も良いなと思いながらモリモリ。
全部食べきれるかと思ったが、やっぱりおから餅がお腹の中で膨れてあっと言う間に満腹になった。
残った料理は翌日の朝ごはんにすることにして冷蔵庫にしまった。
昨日のお酒は日本酒を三合ほど。
それほど深酒でもなかったので今朝は身に覚えのない注文事件は起きなかった。
楽しく飲んだ夜ほど事件は起きがちなので要注意である。
あと寝る前のスマートフォンはほどほどにしましょう。