キノコのこのこ。
今朝目が覚めてから換気のために窓を開けたら裏庭に植えているキンモクセイの香りがふんわりと漂ってきた。
よく見てみると三分咲き位で黄色い可憐な花が咲いていた。
おお、もうそんな時期かと思って深まりゆく季節の移ろいを感じた。
私は花の事にはとんと疎いので大雑把な知識しかないがキンモクセイ位ならわかる。
後は秋の花といえばコスモスとバラくらいしか思いつかない。
もう少し勉強しなくてはと思いながらもなかなか重い腰があがらない。
庭木の手入れもろくにしないので庭はワイルドな状態である。
ううん、風流には程遠いなぁと少し反省する。
そういった芸術の秋には縁遠いが食欲の秋とはズブズブの関係を築いている。
毎日の晩御飯づくりがとても楽しいので飽きることが無い。
秋は暑くもなく寒くもないので食欲が爆増する。
何を食べても美味しいし、何を飲んでも愉快である。
そんな落語の枕のような事を呟きながら今日もご飯を作る。
買い物はよく行くスーパーで済ませてきた。
帰宅してからシャワーを浴びて早速台所に立つ。
今日は何となく秋の味覚を味わいたい気分だったのでキノコ料理をメインにすることにした。
まあキノコは一年中栽培されているので秋限定というわけではない。
今の時期に採れる天然のマイタケや松茸などは旬の食材だが高級すぎて手が出ない。
キノコ一本に一万円という大枚をはたく度胸は私には無い。
なのでスーパーで普通に売っているキノコで満足する。
今日はシメジとエノキダケとシイタケを買ってきた。
庶民にはこれで十分十分と思いつつ調理にかかる。
まずは挽き肉をボウルにあけてそこにみじん切りにした玉ねぎと同じくみじん切りにしたエノキダケをたっぷり加えてパン粉と卵を割り入れて下味に塩コショウとナツメグを振ってよく混ぜる。
全体をしっかりと混ぜ終えたら成型して油をしいて熱したフライパンで焼いていく。
両面にしっかりと焼き目を付けたら酒を振りかけてフタをして弱火で火を通していく。
その間にシメジとシイタケを刻んで大根と人参とこんにゃくと一緒に煮込んでいく。
途中で和風顆粒出汁を加えてしっかり火を通したらそこに味噌を溶き入れて上からネギをパラリとかければキノコ汁の出来上がり。
キノコバーグに火が通ったらキャベツの千切りをしいたお皿に乗っけてケチャップとソースを混ぜて作った即席ソースをかけて一丁上がり。
もう一品はオートミールを米化して卵かけにして食べる。
これで秋のキノコ尽くしのご飯の出来上がりである。
居間に料理を運んでいただきますをする。
今日のお酒は秋らしく日本酒のぬる燗にする。
ほど良く温められたお酒をツイッと飲むと身体がホワンと温まる。
うん、ぬる燗が美味しい季節になってきたなぁと思いながらキノコバーグに箸を伸ばす。
キノコが大量に入っているのでスッと箸で切る事が出来る。
ハクッと口に運ぶと何とも柔らかな味わいである。
エノキダケが入っているという事はちょっとわからないかもしれない。
細かくみじん切りにしたのが功を奏しておりなかなか美味い。
挽き肉のパンチのある味もしっかりしてバランスが非常に良い。
うん、これはアリだなと思ってモクモクと食べた。
それからキノコ汁をすする。
ズッズズーと飲むとシメジとシイタケといったキノコのうま味が口の中に広がる。
大根と人参の根菜らしい味わいもいい仕事をしている。
何より温かい汁物はこの季節に嬉しい。
ちょっと多めに作ったので二杯目をお代りしてしまった。
具沢山なのでお酒のアテにもちょうど良かった。
オートミールの卵かけはお米に近い味わいなので今日の献立との相性が良くて美味しく頂くことが出来た。
キノコバーグをメインにした秋のキノコご飯は大満足だった。
今日のお酒は控えめに三合だった。
片づけをしながらいやぁキノコの可能性は無限大だなぁと思った。
さぁて明日は何を食べようかな。