ラッキー、クッキー、ケンタッキー
先日知り合いからケーキを頂いた。
何でもお孫さんの手作りらしくシンプルなチーズケーキだった。
休憩時間に早速コーヒーを淹れてパクリ。
甘さが程よくてしっとりと柔らかくこれはプロの味だなと思った。
話を聞くとお孫さんは農業高校に通っているそうで部活は料理部という事だった。
週の半分は製菓店にアルバイトに行っているそうでお店のケーキも作っているとの事。
なるほどだからこんなに安定した味なのかと納得してコーヒーと一緒に美味しく頂いた。
そんな素敵なケーキを食べながら自分のお菓子作り遍歴を思い出していた。
私は毎日台所に立ってご飯を作るがお菓子作りは完全に門外漢である。
小さい頃は母と一緒にホットケーキを焼いたりしたものだが、それは素になる粉があったし火加減も母任せだったので失敗は少なかった。
焼きたてのホットケーキにバターをドンと乗せてハチミツをタラリとかけて頬張ると幸せの味がしたものだ。
そんな楽しみも小学生の頃までで中学生になるとお菓子作りとは全く無縁の生活になった。
家庭科も当時は男子と女子で分かれており男子は木工や電子機器製作などの技術系の授業ばかりだったので甘いお菓子作りのキャッキャウフフの世界は遠かった。
やがて高校生になって母に料理の手ほどきをうけるようになってからも作るのはもっぱらご飯のおかずばかりでお菓子には手を出さなかった。
大人になると料理の本を読み漁ってレシピはどんどん増えていったがその頃にはお酒を嗜むようになっていたので甘いものよりも塩辛いつまみになるものばかりに興味がいくようになった。
そんな私だがお菓子作りにチャレンジしたことが無いわけでもない。
ホワイトデーのお返しで同僚たちに何かインパクトのある事をしようと思い立ってインターネットでレシピ検索をして世界一簡単なクッキーというモノを作ったことがある。
これは薄力粉、砂糖、サラダ油で作るもの。
レシピを見ながら作ったのだが確かに簡単に出来た。
どれどれと味見してみたら何という事か岩のように硬かった…。
おおぅ、世界一簡単なものですら失敗するのかとあまりにも低いお菓子作りスキルに愕然としたものである。
なぜあのような岩石が出来上がったのかいまだに謎である。
結局その時は妻に泣きついてスタンダードなクッキーを焼いてもらってお茶を濁した。
その時の苦い体験からお菓子作りとはますます縁が遠くなった。
もともとが大雑把な性格なのでグラム単位の計量が必要な作業に致命的に不向きなようである。
いつまでもそのままだと情けないので今年の暮れには栗きんとんを作ってみたいと思っている。
久しぶりに母の手ほどきを受けて台所に立つのも悪くない。
あ、栗きんとんってお菓子でしょうかおつまみでしょうか?
うーんどっちだと考えながら昨日の晩御飯の話を少しだけ。
昨日は鶏の手羽中が安かったのでこれを使う。
ニンニクを刻んで油を敷いたフライパンに入れて火を点ける。
香りが立ったらそこに鶏肉を入れる。
表面に焼き目がついたら鍋に移す。
そこにジャガイモ、玉ねぎ、こんにゃくを入れる。
カツオ出汁をいれて沸騰させる。
灰汁がポコポコ出てくるので丁寧に取る。
味付けは醤油、砂糖、酒、みりん。
フタをして弱火で三十分煮込む。
その間に副菜づくり。
セロリをスティック状に切る。
マヨネーズに明太子、レモンを絞り入れて明太マヨネーズを作る。
厚揚げを八等分にしてレンジで加熱。
アツアツのうちにキムチの素を混ぜて冷めるまで放置。
これで厚揚げキムチの出来上がり。
汁物が欲しかったのでセロリの葉っぱを刻んで茹でて鶏がらスープの素と塩で軽く味付けしてから卵を流しいれる。
あっという間にセロリのかき玉汁の完成。
さて煮物も良い煮え具合なので火を止める。
アツアツのうちにお皿に盛り込んだら鶏じゃがの一丁あがり。
ようし出来た出来たと言いながら妻を呼ぶ。
昨日のお酒はビール。
プルタブをプリッと起こしてグラスにルロルロロ。
乾杯をしてキュゥッと飲む。
お初のアルコール度数3.5%のビールだったが飲み口が軽い。
晩酌にはやや頼りない感じでこれは昼間に飲むお酒かなと思った。
ではセロリスティックから頂こう。
明太マヨネーズをたっぷりつけて齧るとシャキシャキした歯応えで青っぽい野菜の味がして少しだけ苦い。
それがセロリだよなと思ってシャクシャク、明太マヨネーズのピリ辛でプチプチした歯触りが楽しい。
うん、これはつまみだなと思いつつ食べた。
二杯目のビールを飲みつつ、厚揚げキムチをパクリ。
むは~、辛いと思いつつもこれがなかなか癖になる。
厚揚げをキムチの素で合えただけだが結構いける。
よしよし、いいぞと思いながらメインの鶏じゃがに狙いをさだめる。
ジャガイモを食べると味が染み沁みでホコホコしている。
今年はジャガイモが豊作らしいので積極的に食べたいなと思いつつもう一口アグリ。
玉ねぎはトロリとしており甘さが十分に引き出されていた。
こんにゃくもプリプリでいい塩梅。
鶏の手羽中は噛むと繊維に沿ってジュワリと美味しい出汁が染み出てきて上出来だった。
妻は鶏肉が好きなので箸を器用に使って鶏肉を解体しながらパクパク。
お腹いっぱいになるまで食べてご馳走様。
ビールはアルコール度数が低かったので四本飲んでフィニッシュ。
片づけをしてから週末の楽しみの深夜ドラマを観て就寝。
今晩はお出かけ予定。
晩御飯を作らないで良い夜なんてサイコーと思いつつニヤニヤしてしまう。
さぁて、楽しんでくるぞぅ。