アッツアツにご用心ご用心。
普段ここにエッセイを書く時には大抵何か音楽をかけている。
最近の流行の曲をランダムで流しながら文章を書いていると筆が進む。
人によっては音楽があると集中できない人もいると思うのでこればっかりは好みだろう。
思えば昔から何かの作業をするときは音楽が欠かせなかった。
受験勉強をする時にはヘッドホンを付けて当時お気に入りだったロックバンドの曲を大音量で聞いたものだ。
まだカセットテープが現役の時代で友達とテープの貸し借りをしたものである。
ステレオ付きヘッドホンも色々なメーカーから発売されており安物を愛用していた。
よく授業を抜け出して学校の隣にある見晴らしのいい丘のある公園で耳にイヤホンを当てながらのんびりと昼寝を楽しんだものである。
当然そんなことをした後は教師に叱られるのが常で担任には何度も小突かれたものだ。
こちらもさぼることに慣れっこになっていたので何とも思っていなかったが今思い返すとボンクラの極みでさぞ手を焼いたことだろう。
当時の恋人たちはステレオ付きヘッドホンのイヤホンを片耳ずつつけてイヤン、うふん、バカぁといちゃいちゃとのろけておった。
私はそんな光景を見るとけっ、色気づきやがってとイラついていた。
本音を言えば自分もそんな甘い時間を過ごしたくてたまらなかった。
残念ながら高校時代にはそんなチャンスは訪れなかった。
大学生になっても音楽好きは変わることなく、その頃はCDをそのまま聴けるプレーヤーを持ち歩いていた。
これはあまりコンパクトではない代わりに音質が良くて電池で動くのが手軽でよかった。
当時はCDを焼くという事がまだ一般的ではなくどうしても録音したい場合はカセットテープに落とすしかなかった。
なので部屋には四角いボディのCDラジカセが鎮座していた。
その頃になるとMDという新しい記録媒体が出てきたが貧乏学生の私には高根の花だった。
新しい友人と繋がると音楽の趣味も幅が広くなり音楽好きに加速がかかった。
ちょうどその頃にギターをいじり始めたのでそれが楽しくて夢中になって練習したものである。
最近はすっかりご無沙汰なので弦がさびてしまいそうなので手入れをしなければと思っている。
それはさておき、昨日の晩御飯の事を少しだけ。
昨日は朝から体調がいまいちで熱っぽかった。
先月にコロナに罹ったばかりなので油断はできないと思い温まるものを食べようと思った。
スーパーで買い物をして家に帰ってから手洗いとうがいをしてすぐに料理に取り掛かった。
メインは温まるものにしたかったので蕎麦を作ることにした。
まずは鍋にお湯を張って沸騰したら麺つゆ、醤油、塩、砂糖、みりん、お酒をいい塩梅にしておく。
蕎麦を茹でる前に副菜を作る。
大根が冷蔵庫にあったので皮をカツラ剥きしてそれをピーラーで薄く削いでいく。
全部削ぎ終わったら冷水にとってアクを抜いていく。
これはサッと浸すくらいでいい。
そうしたらギュウッとよく絞って油を切ったツナ缶と混ぜる。
味付けはふりかけのゆかりをササッと加える。
仕上げにレモンを隠し味にチュッと絞ったらヒラヒラ大根とツナのサラダの出来上がり。
その勢いで蕎麦を仕上げる。
深めのフライパンでお湯を沸かして蕎麦を茹でる。
昨日使ったのは茹で麺だったのですぐに温まる。
その間に汁を加熱してそこに溶き卵を加えてサッとかき混ぜる。
そこに水溶き片栗粉を加えてとろみがついたら麺を入れて刻みネギを散らしてかき玉蕎麦の出来上がり。
オッケー出来たと言いながらご飯を居間に運ぶ。
昨日は体調がいまいちだったのでお酒はお休み。
いただきますをしてから大根のサラダから箸をつける。
ショリショリした生の大根の歯ごたえとツナの旨味が合わさってなかなかいい。
味もゆかりだけでつけてみたが過不足の無い味わいだった。
これはお酒にも合うだろうなーと思いながらモグモグ。
では本日のメインのお蕎麦に取り掛かる。
餡掛けにしているので汁の下は驚くほど熱いままである。
麺を掘り出してすぐに啜ろうとしたらあまりの熱さにびっくりした。
少し上唇を火傷してしまったので水で冷やしながらもう一口。
今度はよくフーフーしたので何とかなった。
フフフ、聖闘士は同じ技を二度とは食わんのだよと懐かしいマンガのセリフが頭に浮かぶ。
そんなこと考えながらレンゲで汁を飲むと五臓六腑に染みるような優しい味でホゥと声が漏れた。
寒さに凍えていた身体がじんわりと温まるのが分かる。
お酒を飲まないのでじっくりと蕎麦とサラダを味わった。
蕎麦の汁の最後の一滴まできれいに飲み干してご馳走様。
片づけをしながら頭の中では懐かしのロックミュージックが流れてくるのであった。
さぁて今日は何を食べようかな。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?